報告 : 偽装請負・ピンハネやめろ!〜500人で大日本印刷包囲デモ | |||||||
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報告=北健一 「大日本印刷は偽装請負の責任をとれ!」「大日本印刷は中小の仕事をとるな!」 4月12日、関連施設が密集する「大日本ムラ」が、デモ参加者たち500人の声で包まれた。大日本印刷(DNP)を取り囲むデモを呼びかけたのは全印総連、日本文化マスコミ情報労組会議(MIC)など。きっかけはDNPの子会社DNPファインの工場で働き、クビを切られた橋場恒幸さん(49歳)の争議だ。 DNPファインで働いていた橋場さんだが、書類上の雇用主は日本ユニ・デバイス。しかもユニとファインのあいだにもう1社、DNPミクロテクニカという会社が入り、DNPファインが払っていた2100円の時給を二重にピンハネ。橋場さんは1060円しか受け取っていなかった。埼玉労働局は立ち入り調査の結果、偽装請負と認定。ファインは是正を約束するが、橋場さんが起こした裁判では手の平を返し「偽装などやってない」と強弁している。 DNPグループには、こうした二重偽装請負のほか、中小印刷会社から仕事を取り上げ、取った仕事からピンハネして低価格で再委託することで、利益を独占しているとの批判も絶えない。そうしてかき集めた富が、北島義俊社長の「8億円ちかい年俸」の原資だったのか(2010年3月期。なお2012年3月期は2億8700万円)。 争議が始まって3年9ヵ月。解雇撤回事件の弁護士から「長く闘うには組合にはいったほうがいい」とアドバイスされて全印総連にたどりついた。夜勤の仕事で生計を支えながらとつとつと訴える橋場さんに、支援の輪が広がった。 全印総連の是村高市委員長は「以前の要請には警備員が対応していたが、今回は広報室員が出てきて受け取った。解決へのステップだ」。MICの日比野敏陽議長(新聞労連委員長)は、「大日本印刷は想像以上にでかかった。こんな大企業がとんでもないことをしていると、広く知らせたい」と話す。 橋場さんの同僚がユニ社を相手に起こした裁判では、さいたま地裁に続いて東京高裁(三輪和雄裁判長)でも同僚が勝訴。会社は「正社員としての雇用」を命じられた。3月13日にはマツダ派遣切り事件でも、解雇撤回・正社員化を命じる判決が出ている(山口地裁・山本善彦裁判長)。 派遣・請負切りに対する勇気ある当事者とその仲間たちの汗が、松下PDP最高裁の不当判決をのりこえ、現場から潮目を変えようとしている。デモの後、橋場さんは「これは私一人の問題じゃない。一日も早く解決するため、DNPは話し合いのテーブルについてほしい」と語った。DNPのホームページで、北島社長も「社会の新たな課題に気づき、解決策を生み出していくには、あらゆるステークホルダーとの『対話』が鍵を握る」と書いている(http://www.dnp.co.jp/about/concept.html)。 橋場さんの争議の詳細 Created by staff01. Last modified on 2013-04-14 17:54:48 Copyright: Default |