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河原井さんが勝訴―「君が代」不起立損害賠償裁判

南敏文裁判長が主文・判決理由を読み終わると、満員の傍聴席から期せずして大きな拍手が起きた。今年1月最高裁で1ヶ月の停職処分が取り消され、東京高裁に差し戻されていた河原井純子さん(東京都立特別支援学校元教諭)の損害賠償請求裁判の判決が11月7日出た。南裁判長は、「不起立への処分は、思想・良心の自由に影響を与えるもので、機械的、一律的に行うべきではない」として都教委の過失を認めた。また、「養護学校では、教諭と児童生徒の人格的触れ合いが教育活動には欠かすことができず」、河原井さんは特にこのことを重視していた。停職処分による精神的苦痛は、未払い給与の支払いだけではすまされないとして30万円の賠償を都に命じた。「君が代」裁判で損害賠償が認められたのは初めて。思想・良心の自由、また教育実践への影響に踏み込んだ判決は、注目すべきだ。

判決後、河原井さんは、「35年間、おかしいことはおかしいと言おうとこどもたちに言ってきた。だから起立の強制には服従できなかった。いま教育の現場ではものを言う自由がなくなっている。今日の判決が、教員たちの背中を押すきっかけになればといい」と語った。(佐々木有美)


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