「脱原発荒川宣言デー」集会開かれる | |||||||
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7月1日、東京・荒川区の荒川公園で「脱原発荒川宣言デー」と題する集会が持たれ、約250人の聴衆が、発言者の話に熱心に耳を傾けた。主催は「脱原発荒川千人アクションの会」。 大飯原発の再稼働に反対して各地で激しい抗議行動が続いているが、この日の企画は、「さようなら原発1000万人アクション」の一環として取り組まれた。今にも泣き出しそうな空の下、公園にはスタッフが早朝から集い開会を準備した。 役所の正面を背にしたステージ横には、東京土建労組が製作した福島原発2号機と、「荒川電力」の風力・太陽光発電機の模型が並べられた。園内にはテントが設営され、福島県の産品も販売された。 二本松から有機野菜を運んだ男性は、「人々の関心が薄れ動きが鈍るという点で、現地の状況は昨年より厳しくなっている」と報告。風評被害で農産物の流通量は半減した。「故郷に戻りたいという素朴な思いすら、かなわない。いつ朝を迎えるのか、まったくわからないところが、原発事故の悲惨さだ」と静かに訴えた。今月中旬から週一回、この場所で野菜を販売する計画もある。 生協で働く女性が発言。昨年の震災直後から、現地に支援物資や募金を送る活動を続けてきた。線量を気にしながら遊ぶ現地の子供たちや、3月の郡山県民集会で聞いた高校生の発言に思いをよせた。金曜日の官邸前行動には20万人が集まった。野田首相はこのとき「大きな音を聞いた」と報道された。「音ではなくて、国民の声として聞いて欲しい。みんなで声と力をあわせ、脱原発に向かって進みましょう」。女性が声を震わせると、会場からは共感の拍手が起こった。 俳優座のメンバーによる詩の朗読をはさんで、ジョニーHさんが登場。数ある持ち歌の中からショートバージョンで「東京被ばく」ほか数曲を披露して盛りあがり、エンディングにはアンコールのかけ声も。 背後にそびえる本庁舎の中央部分には、高層階から紐が垂らされ、途中に数字の書いた紙が貼られている。公園のステージを起点とした津波の高さを示したもので、25mでは建物の半分を覆う。「津波の恐ろしさを、実際の建造物の高さで実感してほしい」。荒川区職労の白石孝さんが展示を解説した。 区民のリレー発言が終わると、会場を「サンパール荒川」に移し、実際の放射能測定、福島の農家を交えた座談会、ドキュメンタリー映画の上映会が、それぞれ並行して行なわれた。米や缶詰など、野宿者への支援食糧が参加者から持ち込まれ、荒川フードバンクが受けつけた。 写真家・樋口健二さんを招いた講演会を皮切りに、署名や情宣活動で地道に脱原発を訴えてきた区民有志。3月11日には、バス2台を仕立てて約100人が郡山集会へ合流した。 「首相官邸や経産省への抗議行動も重要だ。だけどそこから帰ったきた個人が、自分の住む地域や職場でどうするのか。隣の人に何を語るのか」。さまざまな立場を超えて、「脱原発」の1点でつながろうとする「オール荒川」アクションを立ち上げ、奔走した白石さんは問いかける。 休日ともなれば、将棋対戦や釣りを楽しむ人々でにぎわう。春には桜の名所になる。1000人の結集をめざし走り出した運動は、活発な議論を重ね、区民憩いの場で実を結んだ。反省会に残ったスタッフは、忌憚なく語り合いながら16日、代々木公園での再会を確認。盛りだくさんのイベントも、ひとつの通過点として、脱原発社会を実現する決意を新たにした。(Y) Created by staff01. Last modified on 2012-07-02 19:48:32 Copyright: Default |