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19年間反復更新されて来た3ヶ月毎の「アルバイト」契約

 稲葉俊之さん(56歳)は、横須賀にある東芝ライテック社に8年、業務統合で移籍した現ハリソン東芝ライティング社に11年と計19年間に亘って東芝のグループ会社で働いて来た。今回、横須賀事業所が閉鎖され、愛媛県今治市の本社に集約されることになり、稲葉さんは9月30日付で「雇止め」となった。
 

↑ 19年間「アルバイト」として働き解雇された稲葉俊之さん

稲葉さんは「契約を解除する」と書かれた紙切れ1枚で、会社から放り出されることになった。稲葉さんは、この間3ヶ月毎のアルバイト契約を合計76回に亘って反復更新し、実質上期間の定めのない契約であったと言える。稲葉さんは上司に正社員への登用を強く訴え続けたが無視しされて来た。一方生産現場での稲葉氏はベテランの技能社員として後進の正社員たちの技術指導まで担って会社に貢献して来た。しかし正社員との労働条件の格差は極めて大きく、日給8,600円の賃金は19年間変わらないままであった。
櫻井寿春社長は自社のホームページで東芝グループの経営理念として、「人間尊重を基本として、豊かな価値を創造し、世界の人々の生活・文化に貢献する企業集団をめざします。従業員をはじめ、すべての人々を大切にします。」と語っている。そうであれば、これ程稲葉氏の人間としての尊厳を著しく傷つけて来たことに会社は重大な責任があるはずである。

地位確認の裁判へ

 

↑ 稲葉さんが働いていた東芝ライテック社の工場(横須賀)

 ユニオンヨコスカとの団体交渉の中で会社は、「有期雇用契約は稲葉さんが自ら選んだもので、会社には法的に何等問題はない」と言って、一向に恥じない姿勢であった。稲葉さんが契約の反復更新を望んだ訳ではなく、サインをしないと解雇になるから契約書にサインをしたので、会社が稲葉さんの弱みを握っていたのである。ユニオンヨコスカは稲葉さんの雇用の継続を求め、待遇の格差に対する正当な代償を求めたが、会社は新たな仕事のあっせんとして「人材派遣会社」を紹介するのみで団交は決裂した。
 稲葉さんが一緒に働いて来た正社員たちが特別優遇措置で一斉に職場を去っていくのを見て、会社からは稲葉さんには何の保障も提示され無いことへの屈辱的差別感を抱いたのも至極当然です。長年に亘っての非正規社員としての屈従に耐えて現在に至った稲葉さんとしては、今回の会社の冷酷な仕打ちに対しては到底許すことが出来なく、積年の自分自身が被って来た格差社会への怨念を晴らすためには本裁判で徹底的に争うしかないと決意したのでした。間もなく横浜地裁横須賀支部に地位確認の裁判を起こします。

ユニオンヨコスカ 執行委員長 小嶋 武志


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