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レイバーネットTV感想〜「こういう製造労働者がいたんだ!」 | ||||||
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レイバーネットTV第15回放送「原発事故特集第六回」をみて(S・H)
3・11直後に放送された番組で、「放射能におびえるだけでなく、今できることをやろう」という呼びかけに心を奮い立たせてきましたが、回を重ねるごとに充実した放送内容になっているのを感じます。第六回「原子炉をつくった労働者」小嶋武志さんの特集は、すばらしかったです。こんな番組は、なかなかないと思いました。 前回放送の、写真家・樋口健二さんの話は「原発とは労働問題であり、差別の構造が温存されている」ということを告発するものでした。事故が起きなくても労働者が使い捨てにされ、今回のような事故が起これば被ばく線量の限度は無制限に引き上げられてゆく。その無念さを感じました。原発開発に携わった多くの学者や設計者も、途中から「議論ナシ批判なし思想なし」の体質に嫌気がさし、反原発の立場に変った人たちはたくさんいます。でも、小嶋さんはそういう人たちと、一味違ってました。 小嶋さんも、危険性は十分わかっていた。全造船組合員として石川島播磨ではたらき、原子炉をつくる一方で、1984年に「原発の危険」というパンフレットを組合で作ったりビラまきをしていた。 「原発は配管だらけ。今回の事故を見て、修復はかなり難しい」などという言葉を聞いたりすると「製造者としてさぞかし悔やむことは多いだろうな」と思うのですが、意外にも小嶋さんの話から感じたのは、「不安」や「後悔」ということではなかったです。作っているものは原子炉でありながら、製造者としての誇りを持って携わり、なおかつ原発に反対してきた組合労働者としての存在感でした。 「こんな危険なものを作ることをオレは拒否する」ということだって出来ただろうに・・。でも、小嶋さんは職場にいつづけました。 原発を支える労働をやる一方で、原発政策に反対する・・そういう相反することをやるのは「やめたら食えなくなる」というネガティブな動機ではなかったのです。「自分がやめてもこの製造作業は続いていく。だったら会社に残り続けて、会社に圧力をかけようと思った」というのを聞いたとき、「こういう人もいたんだ!」と思いました。 モノを作ったからには、事故が起きたら修理に行かされるのが労働者。そういうリスクに対処することも、製造労働者としての責任なんだと。被爆した仲間を助けるのも自分たちだと、被爆手帳の開示を迫ったり。「原発村」から立ち去って、清廉潔白な立場で抗議するのではなく。どこまでも「製造労働者」から逃げない人なんだと思います。 原発がメルトダウンを起こせば、結局のところ逃げる場所はどこにもない。「ニュースダイジェスト」でも、福島の避難者を受け入れた沖縄にも劣化ウラン訓練などがあり「核の脅威は変らない」ということが伝えられ、避難した先が被災地になるこ とは大いにありうることでしょう。忌まわしい現実が起こったとき、そこから逃げればいいというのは、実は何の解決にも ならないということを身をもって感じます。 福島から埼玉に避難してきた人たちに話を聞くと、多くの人が「実は心の中ではいつか事故を起こすんじゃないかと思ってた」と語ります。「なぜ、不安を感じながらも、原発のそばで生活していたの?」と外からいうのは簡単です。 「四十年前に原発の話が来たとき、反対したんだよ」という人だっています。小嶋さんがいう「巨大な象に向かっていくアリでしかなかった」という思いは、原発地帯の住民の中にもたくさんあると思うのです。 「原発の恩恵を受けて、原発に裏切られた」という声もたくさん聞きました。でも「恩恵を受けた」その人たちに罪はなく、この先の人生をあきらめる必要もない。一番の被害者でもある、福島原発村の人たちが結束する可能性を追求したいと、あらためて思いました。 **** 三ヶ月たっても風化するどころか、ますます多くの人たちが立ち上がっている。6・11では、タリハール広場みたいな人々の結集が新宿で実現しました。「あななたちだって被爆してるんだよ」と声をかけると「わかってます、自分も福島に行きました」と警官がいう。そんなエピソードをジョニーさんが「東京砂漠」にして歌っちゃったりして。人々の思いが運動になり、そこから歌が生まれる。・・なんか、いいなあ〜。アルタ前にいた時よりも感動しながら、番組をみていました。 Created by staff01 and Staff. Last modified on 2011-06-18 06:00:02 Copyright: Default |