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LNJ Logo 木下昌明の映画批評「希望のバス」「レイバーフェスタ」
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レイバーフェスタ2011
「原発とたたかう」10年目の祭―映画から3分ビデオまで

 2002年、ケン・ローチ監督『ブレッド&ローズ』が公開された折、その映画を柱に「あなたにパンとバラを」のうたい文句で《レイバーフェスタ》が開催された。パンは「生活」、バラは「尊厳」を意味した。以来、マイケル・ムーア監督の映画上映などを中心にこの祭りは毎年行われ、今年で10年目を迎えた。

 今年は「原発とたたかう文化」を掲げ、映画、朗読劇、歌、川柳などが披露される。

 注目の映画は、いま韓国で最も熱いドキュメント『希望のバス』。造船会社を解雇されたキム・ジンスクという女性が、会社の大量解雇に抵抗して35メートルもあるクレーンに上り、309日間、操縦室で籠城した闘いだ。彼女がツイッターで解雇の撤回を求めたところ、ソウルの若い女性たちが呼応し、バスで駆けつけようと話し合う。そこから「希望のバス」の運動が生まれた。20台を超えるバスが深夜釜山へ向かう。女優や神父も加わった。キムはクレーン上から大勢の市民に向かって、要求を貫き「私は生きて下ります」と宣言した。「つぶやき」が叫びに変わった感動の記録。

 夜にはもう一つ、注目のイベントがある。「渡り鳥」とよばれる原発作業員の悲惨な実態を追いつづけた写真家・樋口健二が「被ばく労働・最前線〜フクシマの今」と題して写真映像をまじえた最新の報告をする。

 実はもう一つ「3分ビデオ大会」という隠れた目玉がある。これは一般公募した仕事・生活・社会問題などを実写やアニメにまとめた作品で競う。

 3分とは、かつてベトナム反戦運動のはしりとなった出来事――カリフォルニア大バークレー校に侵入したパトカーの屋根に、学生が一人ずつ上って3分間スピーチを行った――に由来している。これを毎年のように見ているが、趣向が凝らされていて、爆笑の連続。しめくくりは、少女グループ「制服向上委員会」が歌う「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」。(木下昌明/『サンデー毎日』2011年12月4日号)

*「レイバーフェスタ2011」は、新宿区大久保のR’sアートコートで12月4日(日)午前10時半開演 問い合わせ・電話予約 03-3530-8588


Created by staff01. Last modified on 2011-11-27 19:28:07 Copyright: Default

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