元派遣労働者4人、ジェイテクトを提訴(酒井徹) | |||||||
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元派遣労働者4人、ジェイテクトを提訴 ――津地裁:不当解雇を主張―― http://imadegawa.exblog.jp/14565427/ ■ユニオンみえ「偽装請負だった」 偽装請負で働かせた労働者を 形式的に期間雇用し、 解雇したのは不当であるとして、 トヨタ自動車グループの部品メーカー・ ジェイテクトの元従業員4名が 9月9日に津地方裁判所に提訴した。 4人は 三重県の個人加盟制労働組合・ ユニオンみえ(「連合」構成産別・全国ユニオン加盟)に 加盟し、 ジェイテクトに復職を求めてきたが 拒絶され、 提訴に及んだという。 また原告の一人は、 就職時に会社に申告した HIV感染の事実を 無関係の従業員に言いふらされたとして 慰謝料の支払いも求めている。 原告らによると 4人はいずれも2006年に、 自動車部品製造・検査などの 構内請負作業員を募集していた 「三重エデック」(代表取締役:中川佳映)を通じて ジェイテクト亀山工場で就労。 しかし実態は、 ジェイテクトの従業員らが 三重エデックの「請負社員」に 直接指揮命令する 偽装請負の状態であったという。 訴状によると 原告4人は2007年に ジェイテクトに 直接雇用された形式となったが、 実際には「直接雇用」後も 三重エデックが 給与明細の交付や有給休暇の届出などの 労務管理を行なっていた。 しかし三重エデックの中川社長は、 「ウチとジェイテクトは 特別な契約をしているから、 ウチの子はジェイテクトの社員に なれるんや」とか、 「歳なんか関係ない。 社員になれる」などと 「直接雇用」された原告らに 盛んに言っていたというのである。 だが、 4人は2009年に 「期間満了」を口実に ジェイテクトから雇用関係を 打ち切られた。 原告代表の福島照子さん(52)は、 「歳なんか関係ない、 頑張ったら社員になれるという 言葉を信じて頑張ってきたのに、 一方的にクビにされた。 労働組合との団体交渉にも なかなか応じず、 応じても話し合いもつかず、 三重県労働委員会でのあっせんも 決裂して 裁判になってしまった」とコメント。 「ジェイテクトでは今、 求人が出ている。 私たちはずっと ジェイテクトに復職を求めて来たのに。 私たちはただ、 ジェイテクトに戻りたいだけ。 裁判を頑張って職場に戻りたい」と 訴えた。 ■「HIV感染の事実を言いふらされた」 また原告男性Aさん(46歳)は、 血が固まりにくく 出血すると血が止まらない障害が あるにもかかわらず、 切り傷をつくって 出血する恐れのある業務に就かされた上、 ジェイテクト亀山工場の 女性看護師によって、 エイズウィルスに感染している事実を 不特定多数のジェイテクト従業員に 言いふらされたとして、 損害賠償の請求を併せて提起した。 訴状によればAさんは2006年に、 三重エデックに入社するにあたって 中川社長に、 自分はエイズウィルスに感染しており 血が止まりにくく、 障害者2級の認定を受けていることを 説明し、 診断書と障害者手帳のコピーを提出。 ジェイテクトによる「直接雇用」にあたっても 障害者枠扱いで入社し、 ジェイテクト亀山工場総務課の 渡邊係長に、 自分の病状を申告していた。 それに対して渡邊係長は、 「障害者なのでしたら、 検査作業の方を担当してもらいます」 と答えたという。 ところが2007年2月ごろ、 Aさんはこの約束を破られて 回転砥石の交換を含む 「軌道研磨」の作業に回された。 「『大型のラインで欠員が出たから 臨時で作業してくれ』と 言われたんです。 『私は血が出ると止まりませんから、 巻き込まれ・はさまれ・切り傷の 危険のある作業は出来ませんよ』と 言ったんですけど、 『もうすぐ新人さんが来るから、 2・3日でいいから』と言われて やらされました。 その『2・3日』が1週間延び、 2週間延びで、 結局半年させられました」。 「そもそも、 砥石の交換は 資格を持った人しかできない仕事。 なのに私にさせるにあたって ジェイテクトでは監督指導もなく、 『こうするんだよ』と見せた だけでした。 危ないことがあるたびに、 『現場を変えてください。 元に戻して下さい』と言っていたのに、 『次の人が来るまでお願いします。 お願いします』というだけでした」 とAさんはいう。 みえ労災職業病センターの 大川徳雄事務局長は、 「この仕事は 血が止まりにくい障害を持った人には やらせてはいけない仕事」と 指摘する。 「回転物はある、 突起物はある、 研磨剤は滑りやすいし、 砥石のかけらが飛び散る可能性もある。 砥石自体が切れやすい。 砥石は、 止まっていると思っても 遠心力で動いていることもあり、 切り傷をつくる原因には事欠かない」。 さらにAさんは、 ジェイテクトに勤務中、 反対番の友人から、 「何かきみのことで噂になっている」と 聞かされた。 そのころからAさんは、 車にひっかき傷を付けられたり、 タイヤをパンクさせられたりしたという。 「ジェイテクト亀山工場の女性看護師が、 私がHIVに感染していることを 他の従業員に 言いふらしていたのです」。 ユニオンみえがこの件を 団体交渉で追及すると、 当初会社側は「知らなかった」と言い、 「持ち帰って確認します」と約束した。 そして、 8月19日に開かれた団体交渉の中で 会社側は、 「女性看護師が Aさんの病気についての情報を 井戸端会議のように話したらしい」と 認めたという。 「私は、 この女性看護師に 病気にかかわる定期検診の結果を 提出したりもしていました。 そもそも、 看護師というお仕事に就く人が 患者の病気を言いふらすこと自体、 一般人から見ればありえない話。 しかも私の場合、 病気が病気だというのに、 不特定多数の人に 言いふらしていたということ自体 信じられません」と Aさんは憤る。 原告代表の福島さんも、 「この看護婦さんはおしゃべりな人で、 私たちに対しても検診のときに、 『○○さん、 ガンが見つかったらしいよー』 なんてことを 平気で言っていた」と振り返った。 ■ジェイテクト広報グループのコメント 「訴状が届いていないので 詳しいことは分からないが、 三重エデックからは 法令に基づいた手続きで 労働者の派遣を受けていた。 三重エデックが『請負』で 募集広告を出していた事実は 確認していない。 その後、 法令に基づいて 期間雇用での直接雇用に切り替えた。 Aさんの主張については 事実関係に食い違いがあり、 当社看護師が情報漏洩した事実はない。 また、 Aさんが従事した業務については 現時点では確認できていない」。 ■ユニオンみえの広岡法浄書記長 「労働者をあまりにもいい加減に扱い、 解雇してきたのは ジェイテクトだけではない。 全国何十万の非正規雇用の労働者たちが 同様の仕打ちを受けてきた。 だが、 そうした人たちのほとんどは 泣き寝入りを強いられている。 私たちは、 そうした労働者に組合に入ってもらって 交渉を重ねてきたが、 会社は悪びれずに 法違反はないと突っ張って、 労働者の権利を回復しようとはしない。 労働者の権利が一方的に奪われて、 使い捨てられることがないように、 4人は提訴に踏み切った。 ユニオンみえは全力で 応援してゆきたい」。 (JanJan blog 9月9日より加筆転載) 氏名:酒井徹 電子メール:sakaitooru1983@excite.co.jp ホームページ:『酒井徹の日々改善』 http://imadegawa.exblog.jp/ Created by staff01. Last modified on 2010-09-10 03:30:29 Copyright: Default |