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【緊急】無駄遣いの「月探査」計画に意見を!(6月17日締切)

        <核とミサイル防衛にNO!キャンペーン>

[転送・転載歓迎]

現在、政府の宇宙開発戦略本部(本部長:菅直人首相)が「月探査に関する懇談会」がまとめた報告
書(案)である「我が国の月探査戦略〜世界をリードするロボット月探査と有人宇宙活動への技術基
盤構築」について、【一般からの意見募集】を受け付けています。ただ、気づくのが大幅に遅れたた
め、【6月17日(木)必着の締切】まであまり時間がありません。

 「月探査に関する懇談会 報告書(案)に対する意見、及び「ロボット
 月探査の計画の愛称」の募集について(宇宙開発戦略本部)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/tukitansa/bosyu.html

 月探査に関する懇談会 報告書(案)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/tukitansa/houkokuan.pdf

報告書(案)は、2020年に月の南極域に世界で初めてロボットにより探査基地を構築し、内部構造探
査・周辺探査・岩石採取・サンプルリターン(採取物質を地球に持ち帰る)を行うことを目標とした
うえで、目標の5年前の2015年に軟着陸とロボットによる予備探査を実施するとしています。

資金規模は、月探査については2015年頃までに約600〜700億円、2020年頃までには累計約2000億円と
試算、さらに有人宇宙活動への技術基盤構築には2020年頃までに約900億円、その後の実機規模の研
究開発のための第2ステップには、数千億円規模を要するとの試算を示しています。

報告書(案)は、「明日への希望と未来を切り開く宇宙というフロンティアに日本が技術、科学の持
てる総力を結集してチャレンジする月探査は、そのこと自体大きな技術力の獲得、科学的知見の獲得
に貢献し、世界における日本の地位や交渉力の向上をもたらす」「さらに、宇宙開発以外の他の分野
をも巻き込んで地上の技術イノベーションにつながることが期待できるものであり、次世代の子ども
や若者に大きな感動を呼び起こし、日本の活力を高め、新たな文化を創造するものである」(1.はじ
めに)と、月探査に最大級の賛辞を与えています。

しかし、その背後には資源獲得の狙いや関連企業の利権が存在しているのではないでしょうか。巨額
の血税をつぎ込む価値が本当にあるのかかどうかが、開かれた議論の中で十分に吟味されなければい
けません。私自身は月探査には反対です。そんなことに税金をつぎ込む余裕はないと思います。それ
でも月探査の必要を主張するのなら、少なくとも日本が批准していない「月協定」をまずは批准する
ことが最低限の前提でしょう。

短いメッセージでも構いませんので、可能な方は大至急、宇宙開発戦略本部に意見を届けてくださる
よう呼びかけます。

【6月17日(木)必着】

◆意見送付先 →(メール) i.space@cas.go.jp (宇宙開発戦略本部事務局)
        
               (FAX) 03-3505-5971
       
[注]「記入要領」によれば、メール・FAXとも件名(題名)に
  「月探査に関する懇談会報告書(案)に対する意見」と記入。
  氏名、職業、住所、性別、TEL、FAX(あれば)を記入。
  意見はその項目毎に、報告書案の該当ページ、項目番号を明示とのこと。


【関連資料】

▼講演録「宇宙的視野から核兵器廃絶の展望を考える」より
 (『世界』2010年6月号、藤岡惇・田中利幸 訳)=ぜひ全文のご一読を。

ブルース・ギャグノン
(宇宙への兵器と原子力の配備に反対するグローバル・ネットワーク)

「全米宇宙軍司令部が『宇宙の利用』と言うとき、宇宙を兵器の発射台として利用することだけを考
えているのではありません。月・火星・小惑星には貴重な鉱物資源が埋蔵されていることを科学者は
すでに発見しています。埋蔵地への移動空間に軍事ハイウェイを設け、航空宇宙企業が鉱物資源を採
掘・運送できるように計らうことが、宇宙軍司令部の将来の任務の一つとなるでしょう。日本を含め
多くの国々が月に基地を設置することに関心を示していますが、その理由の一つは、月面にはヘリウ
ム3という鉱物資源が豊富にあるからです。核融合原子炉が完成した暁には、ヘリウム3は理想的な
燃料になると科学者たちは考えています。宇宙の平和的かつ協調的な利用システムについて、あらか
じめ国際的に合意しておかないと、月や惑星の埋蔵資源を獲得するための競争がまきおこり、国際紛
争を引き起こす新たな種となるでしょう。」
(255〜256ページ)

▼『宇宙開発戦争〜ミサイル防衛と宇宙ビジネスの最前線』より
(ヘレン・カルディコット、クレイグ・アイゼンドラス著、植田那美・
 益岡賢 訳、作品社、09年)

「月協定は、すべての天体におけるあらゆる軍事行動――基地の建設や兵器実験、大量破壊兵器を軌
道上に乗せることなど――を禁止している。また、月協定は、月やその他の天体に対するあらゆる主
権の主張を禁じている。月協定の第11条では、『月の表面または地下、これらの一部または本来の場
所にある天然資源は、国家や政府間国際機関、非政府間国際機関、国家機関、非政府団体、自然人の
所有権のもとに置かれることはない』ことが定められている。月協定には、月およびその他の天体の
天然資源の開発は国際的な体制のもとで運営し、資源はすべての条約加盟国で共有するという規定も
ある。」

「月協定は、1967年に制定された宇宙条約の論理的な拡張であり、宇宙条約の規定が多く盛り込まれ
ているが、米国やロシア、中国、英国をはじめ世界の大半の国が月協定を批准していない。」

「…各国が月協定に調印しなかったことで野放しになっている経済開発への誘惑に世界中が飛びつく
恐れがある。ちょうど、金や香料などの商業的利益が、コロンブスやマゼラン、そしてその後に続く
新世界の植民地化をそそのかしてきたように。」
(以上、52ページ)

▼月協定(日本語訳)

JAXA(宇宙航空研究開発機構)ウェブサイト内「世界の宇宙法」ページ
http://stage.tksc.jaxa.jp/spacelaw/index.html より入手可能。
(左側の「国際宇宙法」の「国連宇宙諸条約」をクリック)



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