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LNJ Logo 巨大企業に対して成果!〜大分キヤノン闘争の解決声明
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2009年4月27日

NPO法人ガテン系連帯
共同代表  木 下 武 男

日研総業ユニオン
執行委員長 和 田 義 光

日研総業ユニオン大分キヤノン分会
分会長   加 藤 州 平

大分キヤノン闘争の解決について

 先週、大分キヤノンの大量解雇とのたたかいが解決しました。大分キヤノンが一定の責任を負うかたちで解雇された請負社員に雇用補償を行うことになったものです。

 その概要は次の通りです。

 第1に、大分キヤノンと業務請負会社、日研総業は、後者が行う請負社員に対する雇用補償措置について前者が一定の資金を援助することで合意し、先週4月23日、覚書を交わしました。補償対象となるのは、キヤノンの減産によって08年12月から09年6月にかけて離職を余儀なくされる日研総業の請負社員で、その数は約700人。補償内容は、㈰雇用契約の残期間の平均賃金相当額総額、㈪有給休暇の買い上げ相当額、㈫生活支援金で、総額はおよそ2億円で、大分キヤノンはその半分を負担するようです。なお、大分キヤノンの主な業務請負会社は8社ですが、他の請負会社に対する補償措置の内容は不明です。

 第2に、この合意を受けて、翌4月24日、日研総業と日研総業ユニオンは要旨以下の内容で解決協定を交わしました。

  (1)日研総業ユニオンと組合員は、各自の雇用契約が会社都合で終了したことを確認する。

  (2)組合員は09年5月末までに寮を明け渡すこととするが、新たな居住先が見つからなかった場合は別途協議する。

  (3)日研総業は解決金を支払う。

 大分キヤノンとのたたかいは昨年暮れから始まりました。

 アメリカ発のリーマンショックに驚いたキヤノンは、1,100人を超す請負社員の仕事をいきなり奪い、しかも年の瀬に寮から追い出す事態をひきおこしました。過去5年間にヒット商品、デジタルカメラの売上倍増を実現した主役は、全国各地から集まった請負社員や期間工でしたが、それだけ企業に貢献した労働者を、まさに崖っぷちから突き落とすような仕方で解雇したのです。しかも、キヤノンは日本経団連の会長企業。人間をモノ以下の扱いで使い捨てるこうした大企業の手法は社会に強い衝撃を与えました。

 しかし、こんな使い捨ては許せないと立ち上がった私たち請負社員のユニオン結成には各界から支持が寄せられ、対照的にキヤノン批判の世論が高まりました。あわてたキヤノンは、「苦渋の選択だった」、「解雇したのは請負会社。うちは減産を指示しただけ」とうそぶきましたが、この見えすいた責任逃れを聞いて、私たちの怒りはいっそう強くなりました。

 私たちは、年末にかけて、大分現地で地元の労働団体などの支援を受けた抗議集会を開き、国会議員調査団を受け入れました。さらに年明けには、日本経団連の新年賀詞交歓会に公開質問状を提出するなど連続行動を展開しました。私たちのたたかいは、労働者派遣法改正運動と結びつき、さらには、年末年始に日本列島を吹き荒れた「派遣切り」に対抗し、大企業の責任を追及するたたかいの一翼を担うものとなりました。3月には、さらにキヤノン本社に責任を果たすよう申し入れを行い、派遣村とともに株主総会へのビラまきにもとりくみました。

 今回の解決は、こうしたたたかいの積み重ねで得られたものですが、私たちはまずなにより、この間のたたかいを親身になって励まして下さった議会、自治体、労働組合、そして、無数の市民の方々に対し、心から厚く御礼申し上げたいと思います。ほんとうにありがとうございました。

 今回のたたかいの教訓と今後の課題についてふれます。

 第1に、このたたかいは、派遣社員、請負社員、期間工には、たたかう力があることを明らかにしたと考えます。1人ひとりは小さくて弱いが、私たちには、立ち上がる勇気があり、仲間を思う愛情があり、そして、その力を合わせれば、巨大な企業に対しても立ち向かい、成果を上げることができる。そんな確信を私たちは得ることができました。

 第2に、キヤノンが示した責任の取り方が、大企業の当たり前の経営姿勢になってほしいと思います。「派遣切り」「期間工切り」をした大企業のほとんどが、それぞれに雇用責任を果たせと求められ、裁判まで起こされているというのに、いまだに何もしていません。御手洗日本経団連会長も、非正社員の生活・就業支援のために基金をつくり、大企業が資金を拠出するとの構想を新聞紙上で明らかにしておきながら、いまだにその具体的とりくみはみえてきません。私たちの大分キヤノンのたたかいはこれで一区切りとなりますが、私たちは引き続き、大企業の社会的責任を追及するたたかいを、多くの仲間とともに担っていきます。
                                       以上

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