中国・台湾〜液晶パネル工場で争議発生 | |||||||
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いながきです。 金融危機は中国や台湾の労働者にも影響を及ぼしている、という話です。 液晶パネルの受注製造などの工場を台湾や中国にもっている台湾企業WINTEKが、 金融危機を理由に、台湾で1000人の労働者を解雇し争議になっています。また中 国にある工場では、残業手当カットや提供される食事の品質の悪さなどから7000 人の労働者がストライキに突入し、残業代カットは阻止しています(19人が解雇 された)。 WINTEKのつくる液晶パネルなどはipodや携帯電話などで広く使われていることか ら、世界中にWINTEKの問題を広めよう、ということで台湾の労働団体が、アピー ルを発しました。 金融危機で台湾でも中国でもけっこうたくさん争議があったりしていますが、今 回のように、同じ企業のなかで争議があり、その両方をつないで世界にアピール しよう、という動きは、けっこう珍しいようです。資本のグローバル化が結んだ 中台連帯万歳? 中国・東カンのWINTEK工場のストライキでは「台湾を回収し、祖国統一を実現し よう!」とかいう要求(?)もあったりします。 ここに中国の東カン工場のストライキ(?)や要求書の写真などあります http://www.coolloud.org.tw/node/38568 長くなりました。以下のアピールも長いです。 ================ 万国の労働者、団結しよう!超搾取工場に反対しよう! 勝華科学技術公司(WINTEK)の違法な搾取を糾弾する共同アピール 2009年4月20日 全国自主労工連盟、勝華科学技術公司(WINTEK)争議団、苦労網、団結工聯、青 年労働九五聯盟 勝華科学技術株式会社(経営責任者:黄顕雄、本社:台中県潭子郷台中輸出加工 区建国路10号、以下WINTEK)は、1990年に設立され、LDC、LCM、タッチパネルな どのモニターを生産しています。市場占有率は、台湾の携帯電話パネルやタッチ 式画面では第1位、世界でも三番以内に入る企業です。桃園楊梅、台中、高雄に12 の主要生産工場があり、3550人を雇用しています。中国広東省東カン[訳注:草 かんむりに「完」]と江蘇省蘇州の二つの工場では18150人を雇用しています。イ ンドのチェンナイにある工場では1450人を雇用しています。またアメリカ、韓国 、ドイツなど世界各地に販売拠点を持っています。 WINTEKはグローバルハイテク産業として、アップル(iPhone)、ノキア、HTCなど のメーカーの受注生産をしています。金融危機以降、各地でリストラや不当な搾 取を行ってきましたが、台湾と中国の労働者が抵抗に立ち上がり、全世界の労働 者の支援を求めています! われわれは、全世界の労働者の友人のみなさんに対して、グローバル企業WINTEK が不当に労働者を搾取することを非難する共同署名に賛同するよう呼びかけます 。また中国、台湾、インド、韓国などの政府には、WINTEKに対して即時かつ全面 的な労働検査[労働条件や労働安全衛生など?]を行うことを訴えます!さらにWINTEK に対する主要な発注者であるアップル、ノキア、HTCなどのブランドメーカーに対 しては、国際的な「サプライヤー行動規範」に従い、WINTEKによる労働者の搾取 を止めるよう要求します! ■搾取その1:予告なしに台湾工場の600名の労働者を解雇! WINTEKは2008年11月に賃下げ、手当て廃止を行い、12月からレイオフを実施し、 半月も経たないうちに(12月17日、18日)に何ら予告もなく600名以上の台湾工場 の労働者を解雇しました。契約労働者、移住労働者を含めると1000人近くに上る と労働者は証言しています。大量解雇通知の手続きをしておらず、解雇計画書も60 日前までに提出せず、労働者との協議も行われていません。 解雇者のリストの中には妊婦や残すところ2年で退職金申請の資格を得ることがで きる労働者などが含まれていました。今回の措置は、明らかに性別労働平等法に 反し、退職金資格労働者を解雇する年齢差別の疑いがあります。闘争の結果、妊 婦に対する解雇は撤回されましたが、それ以外の労働者は現在も争議中です。 資本の側は、一ヶ月(2008年11月)の受注件数の減少と損失が、台湾労働基準法 第11条第2項の「損失がでた、あるいは業務を縮小しなければならないとき」 に当てはまるので解雇した、と主張しています。しかしWINTEKの決算書では、過 去数年の法定余剰金は40億元にも達していました。2009年2月28日付けの日刊紙「 台湾アップルデイリー」では「WINTEKの生産速度は40%上昇した」とあり、雇 い入れを大幅に増やす準備をしています。労基法第11条のリストラ規定に反す るという強い疑義がでています。また現場労働者25人分の賃金をもらっている 高級管理職の存在は、そもそも解雇回避義務を怠っているといえるものです。 しかし解雇を免れ、工場内に残った労働者はさらに不安です。賃金の引下げ(奨 励金、各種手当ての廃止)、残業代を代休に引き換えるなどの措置が続けられて います。労働条件は悪化し続けており、毎月の賃金は雇用保険の給付額を下回る ケースもあり、生活するだけの賃金を得るために休むに休めないという状態にあ ります。 会社側は、復職を求めて争議を継続してきた労働者代表および自主工聯の執行長 の朱維立を、名誉毀損で訴えました。 ■搾取その2:一方的な賃下げと残業代引き下げで東カン工場労働者7000名がス トライキ WINTEK傘下の[中国広東省]東カンの萬士達科学技術工場で、先週の金曜[4月17 日]に7000名規模のストライキが爆発しました。 ストライキの主な理由は、会社の提供する食事があまりに酷いこと、違法な減給 や手当てカットなどでした。中国の「労働契約法」では、休日出勤は平均賃金の 二倍を支払わなければなりません。労働者が引下げに応じようが二倍を下回った 場合には違法になります。いわゆる「総合労働時間性」[フレックス]の場合に は、労働者の同意が必要です。しかし萬士達工場側は今年2月、残業代は賃金の1.5 倍とするという誓約書を労働者に強制し、過半数が署名し、東カン労働局も残業 代の引下げを許可した、と一方的に通知しました。しかし多くの労働者が誓約書 への署名を拒否していました。そして疑問を持った労働者が確かめたところ、労 働局は許可を出していないということが発覚しました。 金融危機にも関わらず、この二ヶ月間、生産能力はフル稼働する一方、残業代と 手当てはカットされていました。従業員の食費手当ても8元から4・5元にカッ トされ、提供される食事もすえた臭いのするものでした。従業員は「台湾人管理 職がこれを一週間食べ続けられるのだったら、こっちだって不平不満を言わない でおくよ!」と怒りをぶちまけました。それ以外にも、業績優秀手当てなども廃 止されました。 結局、会社側は、2倍の残業代についてはこれまで通り支払うことを告知しまし たが、ストライキをすぐに終了して仕事に戻らなければ解雇するとも要求しまし た。食事や手当ての問題が解決していないとして、最終的に19名の労働者がス トライキを続け、解雇されてしまいました。 ■アップル納品業者行動規範の重大な違反 1.WINTEKはすでに納品業者行動規範における「残業代は現地の法令に照らし合 わせて支給されなければならない」という規定に違反しています。 違法に残業代をカット:WINTEKの台湾の各工場の労働者は、残業代および休日出 勤の二倍賃金を代休にとって代えるという方法が取られています。WINTEK傘下の 東カン萬士達工場では、今年の2月26日に通知が張り出され、休日残業手当を [従来の2倍から]1.5倍にするという計算方式を東カン労働局が許可したと 伝えられました。しかし中国の労働法では、休日残業手当は平均賃金の二倍とさ れており、従業員の同意があれば引き下げてもよいことにはなりません。いわゆ る「総合労働時間制」を導入する際には労働者の同意が必要ですが、労働者は署 名を拒否しました。疑問に感じた労働者が調べたところ、労働局は[残業代カッ トを]許可していないことが発覚しました。 2.WINTEKはすでに納品業者行動規範における「ILO国際労働基準および現地法令 に則る」という規定に違反しています。 違法な解雇:WINTEK傘下の中国東カン萬士達工場の従業員は、残業代のカットな どの労働条件についてストライキを打ちました。会社は最終的には、従来どおり の支給に同意しましたが、但し書きの中で、全ての労働者が、その日の午後3時 までに職場復帰をするよう要求しました。そしてその後もストライキを続けた1 9名が解雇されました。しかし会社側が同意した内容は、数日後にはじめて残業 代を支給するというものでしかなく、中国の関連法規に従えば、まだ約束どおり に支給されていない労働者には、仕事に戻らなくてもよいという権利が保障され ており、それを理由とした解雇は違法だといえます。 3.WINTEKはすでに納品業者行動規範における「衛生的で健康に配慮した食事を 従業員に提供する」という規定に違反しています。 深刻な食事問題:WINTEK傘下の東カン萬士達工場ではコスト削減のために、従業 員一人当たりの食費コストを8人民元から4.5人民元に引下げ、5菜から3菜 になってしまいました。従業員によると、食事の品質も、まるで家畜のエサのよ うにすえた臭いがすると言います。この問題もストライキの主な原因ですが、会 社側はいまだに解決しようとしていません。 ■私たちの要求 1.台湾工場で解雇された労働者の労働県を回復し、名誉毀損の訴えを取り下げ ること。 2.東カン工場の労働者との交渉に応じ、法にのっとった賃金と残業代を支払う こと。 3.中国、台湾、インド、韓国などの政府は、現地WINTEK工場に対してすぐに労 働検査を行い、WINTEKに対して労働条件の改善を要求すること。改善の兆しが見 られなければ、投資や土地、租税に対する補助金などの優遇措置を停止すること 。 4.アップル、ノキア、HTCなどのブランドメーカーは、国際的な「サプライヤー 行動規範」にもとづき、WINTEKに対して労働条件の即時改善および労働者と労働 団体に対する攻撃を止めるよう要求すること。 5.ブランドメーカーは、第三者の独立労働団体が各工場(東カン工場、台湾工 場、蘇州工場)に立ち入り検査を行うことをWINTEKが許可することで、信頼を回 復するように要求すること。 連絡担当者 自主工聯 執行長 朱維立 mail:wei-li-1210@yahoo.com.tw FAX:02-22721473 発起団体:現在増加中・・・ 台湾:全国自主労工聯盟、勝華科学技術公司(WINTEK)争議団、苦労網、団結工 聯、台北市産業総工会、桃園県産業総工会、新竹県産業総工会、苗栗県産業総工 会、台南県産業総工会、高雄県産業総工会、 中国、香港、日本、韓国にも署名呼びかけを行っています。 Created by staff01. Last modified on 2009-04-24 11:18:40 Copyright: Default |