『セブン−イレブンの正体』の委託配本を、出版物取次最大手のトーハンが拒否してきた。折衝に当たった(株)金曜日の担当者によれば、同社の拒否理由は「取締役の不利益になることはできないから」(本の中でも触れているが、セブンーイレブン・ジャパンの鈴木敏文会長はトーハンの出身であり、現在は同社副会長も兼務している)。
こういう事態を全く予想しなかったわけでもないが、それでも実際やってきたとなると驚く。出版界における鈴木氏の存在感(発言力?)が、図らずも証明されたわけだ。
出版物の書店への取次は、トーハンと日販の2社で市場の7割を寡占しており、中でもトーハンのシェアは4割。「言論」という何よりも公共性の高い商品を扱う同社が、このような身勝手な理由で配本を拒否してきたことは、許しがたい。
著者である私、版元の(株)金曜日への妨害としてだけでなく、全国のコンビニオーナーがこの本に寄せてくれていた希望、そして潜在的にこの本を必要としていた読者の、知る権利までも奪う行為として強く抗議する。
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