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LNJ Logo 3人を奪還!麻生邸ツアー弾圧抗議集会に250人
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■麻生邸ツアー弾圧事件、3人の仲間を無事奪還

去る10月26日、「麻生邸拝見ツアー」に参加した人々に突然警官が襲いかかり、不当にも3人を連れ去った事件への抗議集会が6日夜、都内で開かれた。会場には満員の250人が集い、この日の午後釈放されたばかりの仲間が元気な姿を見せた。3人は大きな拍手で迎えられ、勾留中の厳しい状況を切々と語り、今後の闘いへのさらなる支援を訴えた。

■厳しかった勾留生活

 集会の主催は「麻生でてこい!! リアリティーツアー救援会」。東京・千代田区の総評会館には、19時の開会前から続々と参加者が詰めかけた。

 フリーター全般労組の鈴木さんが司会を務めた。鈴木さんは「今日は不当逮捕の抗議集会であると同時に、仲間の奪還集会にもなった」とこの日の午後、警視庁渋谷警察署に勾留されていた3人全員が釈放されたことを報告。3人が入場して元気な姿を見せると、会場は割れるような歓迎の拍手に包まれた。

 3人はそれぞれ、「逮捕されて自分ひとりになって、いかに弱い存在であるかを思い知った」。「みなさんの救援活動に支えられた。今日渋谷で職質を受けた。警官の一人が、やがて自分に気がついた。『また公妨で捕まえてやるぞ』などと脅された」。「留置場のなかで外の様子を聞くたびに驚いていた」などと簡単に語った。

■未公開映像を上映

「反戦と抵抗の祭<フェスタ>」実行委の中島さんが発言。「私たちはイラク反戦運動で知り合った仲間。フェスタを通じて人と人とのつながりをつくってきた。今年は『責任者出てこい』というスローガンを掲げた。今回は麻生の家を見てくるだけの、ただそれだけのツアーだった。この弾圧に抗議する賛同署名が1週間で600筆も集まった。何らかの形でやり返していく」と決意を表明した。

事件当日撮影されネットサイトに掲載された動画には、およそ18万回ものアクセスがあった。天井から吊るされたスクリーンに、逮捕前後の映像のオリジナル版と未公開の映像が上映された。

 渋谷共同法律事務所の萩尾健太弁護士は、「プラカードに書かれた内容で逮捕した今回の弾圧は、『表現の自由』を奪う憲法違反の行為だ。完全な不起訴を要求して闘っていく」と力を込めた。

■「リアリティ」をめぐる攻防だ

 評論家の平井玄さん(写真下)が登壇。平井さんは、明治時代の社会運動弾圧事件「赤旗事件」や「大逆事件」に触れ、「警察は今や人が歩くこと、集まることにすら過敏に反応し弾圧してくる。渋谷の真ん中での『デモ』など許さないというわけだ」と糾弾。マスコミのキー局が地方の安価な広告を流している現状や、田園調布が成功した者の住宅街の象徴ではなくなった世情をとらえて、「権力者は現実を見失い始めている」と指摘した。

また、土地だけでも62億円といわれる麻生首相の巨大な豪邸が、渋谷の街にあることの不自然さを問いかけ、現情勢を「支配者のリアリティと人民のリアリティの攻防だ」と強調した。先のアメリカ大統領選でオバマ候補が勝利したことにも言及。連邦軍を国内に展開しなければならない背景を探った。

不当逮捕の現場でヒステリックに指揮を執った公安刑事が、痛快なニックネームで知れわたったことについて、平井さんは「ぼくらにはまだまだ余裕がある。明るいギャグがある。そんなユーモアを大切にしてこれからも闘っていこう」と結んだ。

■逮捕された仲間は、私たちの誇り

連帯のあいさつとして、設楽清嗣さん(写真上・東京管理職ユニオン)、ジャマル・サーベリさん(イラン労働者共産党)、作家の雨宮処凛さん、フリーター全般労組の清水直子さんらが、それぞれ発言した。

ジャマルさんは、「経済状況がひどくなれば民主主義も崩れていく。人間らしく生きる社会をつくろう。貧困や搾取を過去のものにする闘いを、みなさんと一緒に進めていきたい」と語った。

清水さんは「私は、楽しくてばかばかしいことで逮捕される仲間がいることを誇りに思う。運動を狭い枠にはめたくない。個々の企業への交渉だけではなく、今後も楽しい闘いをやっていく。よろしくお願いします」ときっぱり。

この後、釈放された3人がそれぞれ演壇に立って、現在の心境を語った。

■マスコミは、虚偽報道を訂正せよ

「リアリティーツアー救援会」の山口さんが発言。「人が拉致され監禁されているのに、ネット上では物知り顔で彼らが批判・非難されている。警察は『公安条例』という弾圧の手段を与えられ、今では市民がただ歩くことが、政治的になっている」と告発。

今回の報道でマスメディアは、警察発表を無批判に受け入れ、参加者が警察の再三の警告を無視し、彼らに暴力を振るったなどという、まったくありもしないデマを繰り返した。だが現場で撮影された数々の映像が、真実を明らかにした。

「訂正報道をしてほしい」――山口さんは目を潤ませ、怒りで声を震わせながら訴えた。

(写真と文/T・横山)


Created by staff01. Last modified on 2008-11-07 23:45:12 Copyright: Default

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