本文の先頭へ
LNJ Logo オリコン訴訟〜耳を疑うような不当判決(北健一)
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1208919619205st...
Status: published
View


出版ネッツの北です。

 みなさまにご支援いただいてきたオリコン訴訟で、昨日(4/22)、耳を疑うような不当判決が出ました。直後はさすがにショックでしたが、夜の報告会とその後の二次会で控訴審への気持ちを確かめあうことができました。烏賀陽さん本人も意気軒昂です。
 以下は昨日の報告です。

――――――――――――――――――――――
 音楽ヒットチャートの会社オリコン(小池恒社長)が、月刊誌『サイゾー』の電話取材を受けたフリージャーナリスト烏賀陽(うがや)弘道さんを訴えていた名誉毀損訴訟で、東京地裁(綿引穣裁判長)は4月22日、烏賀陽さんに100万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 綿引裁判長は判決で、情報提供者(取材源)は原則として法的責任を問われないとしながらも、コメント内容がそのまま掲載されることに同意していた場合や、そのまま載ると予測し容認した場合は、例外的に責任が問われると判示。烏賀陽さんは「コメント掲載に同意」したのだから、責任が生じるとしました(烏賀陽さんは「掲載しないで」と編集部近くの喫茶店で訴えているのですが、なぜかその経緯は無視)。

 烏賀陽さん側は、取材で話した内容の真実性を立証する証拠を多数提出したが、取材源を秘匿していることを主な理由に、判決はことごとく「信じられない」と退けました。

 さらに、オリコンが5000万円も吹っ掛けたことについて、判決は、「名誉毀損訴訟においては、損害額が比較的高額に設定されるのが通常」という奇妙な理屈で、恫喝的な高額訴訟にお墨付きを与えました。

 烏賀陽さんは「これは言論の自由と民主主義を守ろうとする者と壊そうとする者との争い。覆すまでたたかい続ける」ときっぱり。釜井英法弁護団長は、「判決には説得力のカケラもなく、偏見すら感じる」とし、控訴することを明らかにしました。


判決の問題点を説明する烏賀陽弘道さん(中央)と釜井英法弁護団長(右)ら(4/22司法記者クラブ)


 烏賀陽さんに熱心に取材する記者たち

 同日夜、都内で出版労連・出版産業対策部と出版ネッツが開いた報告集会で音楽ジャーナリストの津田大介さんは、「陳述書が信用できないと言われたぼくのたたかいでもある」。上智大の田島泰彦教授は、「(研究者の)私にとっても、メディアの組合にとっても、自らの存在根拠に関わる問題だ」と提起しました。

 武富士の恫喝訴訟に勝った『週刊金曜日』の北村肇編集長は、「高裁で勝たないとわれわれは仕事ができない。誌面でキャンペーンしたい」。出版流通対策協議会や抗議声明を出した出版社代表、ジャーナリスト、中山書店争議の当事者らからも、ともに頑張っていく意志が表明された。


控訴審での逆転勝利を誓い合った報告集会。左から上智大・田島泰彦教授、烏賀陽弘道さん、釜井英法弁護団長、北村肇・週刊金曜日編集長、津田清・出版労連委員長

 新聞社が販売店に実売部数を大きく超える新聞を押し付ける「押し紙」を追及し、読売新聞側から2件の裁判(名誉毀損とホームページの削除)を起こされたフリージャーナリストの黒藪哲哉さんも発言し、支援を訴えました。

 出版労連の津田清委員長は、「敗訴と聞いて体が震えた。烏賀陽さんの勝利は、出版産業の信頼感にも不可欠で、出版労連あげて支えていく」と締めくくりました。

 『僕はパパを殺すことに決めた』の問題では取材源の医師が逮捕され、ドキュメンタリー映画『靖国』では出演した刀匠に“圧力”がかけられる――。表現をその「源」からつぶそうという暴挙が相次いでいるなか、オリコン訴訟の第2ラウンドは負けるわけにいきません。ひきつづきのご支援をお願いいたします。(報告=出版ネッツ・北健一 写真撮影=田原大輔)

*オリコン訴訟についての問い合わせ先
出版労連 出版・産業対策部 03(3816)2911

オリコン訴訟の詳細は→うがやジャーナル http://ugaya.com/
「押し紙」と読売新聞訴訟については→「新聞販売黒書」http://www.geocities.jp/shinbunhanbai/


Created by staff01. Last modified on 2008-04-23 13:52:52 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について