報告〜一橋出版=マイスタッフ争議の早期解決をめざす3・6決起集会 | |
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3月6日、東京・文京区民センターで、一橋出版=マイスタッフ(MS)争議の早期解決をめざす3・6決起集会が開かれた。争議が大詰めを迎える中、集会には会場いっぱいの148名が詰めかけた 。 一橋出版=マイスタッフ争議は、一橋出版が教科書編集者らを採用する際、実質的な雇い主であるにもかかわらず間に形だけ「派遣会社」(MS)をかませることで、雇用責任の回避を図り、家庭科教 科書の編集者・加藤園子さんをいきなり雇い止めしたことから始まった。出版情報関連ユニオン(出版労連)に加入した加藤さんの争議は、「偽装派遣」=派遣先企業の雇用責任を先駆的に問うてきた。地位保全を求めた裁判では、派遣契約が形だけのもので、採用面接から賃金決定、労務管理に至るまで一橋出版が行い、同社の関連会社MSには、一橋出版との関係では派遣業としての実態がないことが明らかになったが、地裁、高裁とも敗訴し、06年11月、最高裁が上告を棄却した。 しかし運動の結果、07年春に一橋出版が、争議の当事者・加藤園子さんと一緒に働いていた派遣の人3人を正社員化する。運動の大きな成果だが、組合に入って声をあげた加藤さんだけクビにした ままというのはおかしいので、加藤さん側は東京都労働委員会に訴えた。 一橋出版は都労委で、「最高裁で解決した事件の蒸し返しだ」と主張したが、都労委は2回目の調査で双方に和解を打診し、新しい局面が開かれた。最高裁敗訴後、一橋出版は加藤さんにも出版労連 にも会おうともせず、申し入れの文書も受け取らないという頑なな姿勢だったが、「和解交渉のテーブル」が設定されたのだ。 集会で共闘会議の嵯峨仁朗議長(新聞労連委員長、北海道新聞)は、「運動が厚い氷を溶かし始めた。私の、新聞労連委員長の任期、7月までに解決させたい」。支える会の明珍美紀会長(新聞労連元委員長、毎日新聞)は「すてきな加藤さんを応援し、私たちもエネルギーをもらい、勝利のワインを呑みましょう」と訴えた。 講演に立った弁護団の上条貞夫弁護士は、「形式だけ見ないで実態を見よ。話はそれに尽きる。雇用主としてのリスクを背負わないで、労働者を他の会社に送り込んで金を取るだけの関係には派遣の 実質はなく、派遣を偽装した職業紹介にすぎない。ドイツでは派遣が自由という状況下で、最高裁がそうした判決を重ねた」と「派遣労働問題」の核心を衝き、「一橋・MS争議で支援がここまで広がり 続けているのは、要求の質の高さの表れ。他の偽装と同じく、偽装派遣も必ず明らかになる。争議に勝利し、不当判決を博物館行きにしよう」と結んだ。 出版労連の大塚博文副委員長は、ジャーナリズムの追及と世論の高まりでホワイトカラー・エグゼンプションを延期に追い込み、派遣法抜本改正の機運を盛り上げてきた状況にふれ、「こういう状況 は加藤さんの運動とともにある」と指摘。派遣問題のアピールや3名の正社員化などの成果を確認し、「残る課題は2つ、派遣法改正と争議解決です。5年目にあたる5月20日をメドに解決の糸口を 大きく開いていこう」と呼びかけた。 会場からの発言のなかで、日高教の佐古田博副委員長は、「卒業しても2人に1人が非正規という教え子のことを考えても、勇気をもって立ち上がった加藤さんを捨ててはおけない」と心強い発言。 最後に加藤さん本人が、「『結婚したら退職』『子育てしながら再就職するには契約社員』、おかしいと思いながら我慢してきたツケが回ったと、雇い止めされたとき思った。亡くなった息子の友人 たちはSEが多いが、正社員でも使い捨てで(働く条件が)ほんとにひどい。いい加減、あきらめるのは罪だと声をあげ、みなさんの支えであと一歩まできた。今一つ、力を貸してください」と呼びかけ 、参加者の胸を打った。 加藤さんの問いかけに「時代」が追い付くなか、厳しい争議に解決の希望が見えてきたと感じられた、熱のある会だった。(北健一) ★一橋出版=マイスタッフ争議支援ホームページ Created by staff01. Last modified on 2008-03-09 02:28:14 Copyright: Default |