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*「フジサンケイビジネスアイ」の連載「マスメディア構造改革」(12/20付)で、レイバーフェスタ2007が大々的に取り上げられた。筆者はライターの岩本太郎さん。以下、記事の全文を紹介する。(編集部)

労働運動情報ネットワーク「レイバーネット日本」などによる年1回の恒例イベント「レイバーフェスタ」が、今年も15日に都内・神宮前の「東京ウィメンズプラザホール」で開催された。

 「レイバーネット日本」はインターネットなどの新たなメディアの活用によって労働運動関係者間のネットワーク構築を図ることを目的として2001年2月にスタート。いわゆる「IT社会」の到来により労働組合内部での情報伝達や、外部からの労働相談にもウェブが活用されるようになってきたという時代状況に対応したもので、海外諸国での既に先行していた動きを参考にしながら設立された。以来、各地における労働運動への支援、あるいは労働問題に関する映像上映会や報告会などの様々な活動を精力的に行ってきた(公式ウェブサイト=http://www.labornetjp.org/)。

 この「レイバーフェスタ」はそうした活動全体の集大成ともいうべきイベントだが、6回目の今回からは、ここに新たな2つの要素が加わった。同団体などが今年9月から行ってきた「ユニオンYes!キャンペーン」の総まとめと、同時期に開設された動画投稿サイト「ユニオンチューブ」のこれまでの成果のお披露目の場として、だ。

 若者たちの「組合離れ」が言われ始めてから久しいが、一方では近年では非正規雇用者が増大する中、企業内労組を中心とする既存の労働組合からは守られないフリーター、パートタイマーや失業者などの置かれた苦境が次第に深刻化の度合を増している。

 こうした状況に対応すべく、労働運動側からの取り組みとして始まったのが「ユニオンYes!」そして「ユニオンチューブ」といえる。つまり、ネットを通じて若者たちや、過酷な実態に置かれながらも社会に向けての情報発信手段を持たないまま、各地に孤立した形で広範に点在する「声なき声」へのアプローチ手段としての活用だ。

 今回の「レイバーフェスタ」では、その一端が合計24本の「3分ビデオ」上映コーナー、およびビデオディレクターの土屋トカチさんによる『フツーの仕事がしたい』という45分間の作品などで公開された。雇用者に対し明らかに不当な労働行為を働きながら、臆面もない悪質な企業経営者たちとのやり取りを収めた映像は極めてリアルな迫力と説得力に富んでおり、実際にこれがきっかけとなって経営者側が改善に乗り出すケースも出ている。

 もっとも、そうした硬派の作品のみが集まっているわけではない。今回の上映作でも、例えば土本基子さんの『笑いのおけいこ』のように、3分という規定の枠の間、カメラ前で作者が笑い続けるという、ユーモアのみならず「条件を逆手に取ったしたたかさ」を感じさせる作品も。

 カメラやネットを活用して「誰もが映像を発信できる」時代なればこそ、これまでは泣き寝入りするしかなかった労働者側が、雇用者側の実態を映像で告発することもごく当たり前になるわけだ。

そうした意味で「レイバーネット日本」などの活動は、日本の企業社会全般に対して今後大きな影響を与えていく存在になるかもしれない。(ライター 岩本太郎)

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岩本太郎ブログ http://wind.ap.teacup.com/taroimo/

(Iwamoto-Taro-TV)
http://www.network23.jp/Iwamoto-Taro-TV/index.html


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