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映画上映会『移民の記憶』(ヤミナ・ベンギギ監督)
&シンポジウム《移動と記憶》 報告

映画『移民の記憶』は、フランスの移民労働者とその家族の証言をつづったドキュメンタリーです。
安価な労働力として旧宗主国へと出稼ぎに来た移住労働者たちが、思いも寄らぬ暴力的な搾取と人種差別に出会ったこと、後から合流した妻は異国で身内から引き離され、夫の家父長主義と向き合わなければならなかったこと、そしてその地で生まれ育った子供たちは、国籍はフランスでも差別を受け続け、文化的アイデンティティの分裂に苦しんでいること―「父」、「母」、「子ども」が彼ら自身の言葉で語るそれぞれの物語に、じっくりと耳を傾ける監督の優しいまなざしが伝わる秀作です。

この映画の上映会が去る1月27日、東京外国語大学の教室で行われました。当日は、若者から年配の方まで200人を超える人たちが来て、長時間の上映にも関わらず、シンポジウムにも多く残って参加してくれました。

シンポジウムでは、映画の背景となる歴史的、社会的な解説に続いて、このフランスの移民の物語と日本に渡ってきた朝鮮人の物語を重ねて、この映画を考えてみようという主旨から、宋連玉さんをお招きしてこの映画の感想を語っていただきました。質疑で声に出して言うことができなかったけれど、宋さんのお話がとても心に残ったという感想を多くの人がアンケートに書いてくださいました。

今後も上映会やDVD化につなげて、もっと多くの人に作品を見ていただく機会をつくっていきたいと思います。

『移民の記憶』上映委員会 くぼた

Created by staff01. Last modified on 2007-01-30 11:46:22 Copyright: Default

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