「ILO雇用関係に関する勧告をどう活かすか」シンポジウム報告 | |||||||
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11月21日夜、港区勤労福祉会館にて、労働者供給事業関連労働組合協議会主催「ILO雇用 関係に関する勧告をどう活かすか」のシンポジウムが行われた。パネリストは東洋大法 学部教授・鎌田耕一氏、労供労組協・横山南人氏。参加者は40名。 ILOは本年5月の第95回会合にて、正社員・非正社員など雇用形態を問わない「同一 労働・同一賃金」の実現や、正社員・派遣・契約・パートといった直接雇用の労働者の みならず、請負・委託・個人事業者など間接的な労働者に対しても、“労働者性”を認 めようという画期的方針を打ち出した。この方針は、賛成329、反対94、棄権40で可決された。 シンポジウムは、雇用関係委員会に参加した横山氏の感想と報告ほか、日本での実現を考える目 的で行われた。 それにしても間接雇用とは何か。分類や定義すらないのが現状だ。
東洋大の鎌田教授(写真上)は、間接的雇用には委託と請負の二種類に分類できるという。 ・NHKの委託受信料集金人、電気ガスの検針員など企業から地域などを指定されて働
く委託就業型 変わって請負とは、ある企業(業務請負企業)が他の企業(発注者)との契約(業務請 負契約)に基づいて、その債務を履行するために、自己の雇用する労働者または委託労 働者を業務に従事させ、これに対して報酬を得ることをいい、業務請負の形で労務を供 給する労働者または委託労働者を請負労働者と呼び、ここには「三角雇用関係」が生じ る。 委託や請負は、法的保護がなく、また契約の更新が不安定で常に“雇用不安”にさらさ れているため、報酬単価は安価に流れがち。また使用者のいいなりにならざるをえない ことが多く、理不尽な条件で従事していることが多い。委託の場合、社会保険・労働保 険への加入もないため、業務災害の場合も労働者の負担となる。 委託労働者の労働者性を求める裁判はたびたび行われ、わずかの例外を除いて、ほとん ど敗訴してきた。今までの日本の法体系では、労働者性を認めることで、個人事業主と しての特性が失われると考えられてきた。 委託や請負は、ケースバイケースの例が多く、一律の基準を設けることが難しい。 とは いえ、労災すら適用されない現状はあまりにおかしいと鎌田氏は言う。 なお本年9月、ILO勧告を受けて、労働者供給事業関連労働組合協議会では、厚労省あて に要請書を出した。内容は、ILO勧告に対し今後どのように基準や判断を設けていくか の明示と実態調査を要求するもの。それに対する回答は、「全体の調査は困難で、指摘されれば個別に調査する」との回答でした。労供労組協では、産業別の実態調査の必要性を論じるなど して再度、調査を促しているという。 報告・写真 小松玲子 Created by staff01. Last modified on 2006-11-27 11:02:34 Copyright: Default |