歌舞団弾圧事件〜記者会見まとめ版 | |||||||
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大地実です。 私はPCは初級者の域をでないのですが、ワードで書いてた
原稿(こちらは活字の大きさなど編集していますので読みやす
いです)は、添付ならば送信できますので、ご希望の方はご連
絡ください。 記 ■暴走する警察 ポスター1枚で逮捕 憲法 第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現
の自由は、これを保障する。という法益を知る警察官ならば、
その場で説諭し解放すればすむ程度の微罪なのに不当逮捕・勾
留した今事例の神奈川県警・中原警察署警官の暴走(ミュージ
カルの公演ポスターを公演会場のすぐ近くで、たった1枚をセ
ロハンテープで貼っただけで、逮捕、48時間の拘留というとん
でもないひどい不当弾圧事件)の経過を読み解くことにする。
また、この件に限らず、ジャーナリズム精神の希薄なこの国
のマスコミが「ミニ逮捕」「プチ逮捕」と表現する公権力の恣
意による重大な人権侵害事件が多発している。「新しいファシ
ズムの時代」と指摘されているのである。 なお、この事件は憲法第21条(表現の自由)に関する重要 事件なので転送・転載は自由とする。 2006年7月28日、川崎市中原区で記者会見が行なわれ た。内容は1.不当逮捕された本人(以下本人という)による これまでの経過の説明、2.弁護人による法的解釈の説明、3 .取材に来ていたマスコミ記者らの質問とそれに対する本人及 び弁護士の応答であった。 最後に「ポスター1枚で逮捕! 川崎・不当弾圧を許さない 会(仮称)」(=支援の会)が発足することが発表された。 警察官もピンからキリまでいることは間違いがない。中には
犯罪を行なうものがいることも警察官が起す無数の不祥事事件
(ちなみに「警察 不祥事事件」としてGoogleだけでの検索結
果でも 約 11,200,000 件あった。2007年7月29日検索)
から、論ずるまでもないことである。 「玉石混交情報過多の時代」、ともすると人は石情報氾濫の
中に埋もれ、身近に起きたこと以外を忘れがちになる傾向が強
くなり、玉の情報を見失いがちになるものである。 警察官の犯罪には私的時間における犯罪と公的時間における 犯罪がある。その中には主権者から委任された権力を悪用・濫 用した犯罪がある。それは、主権者に対する重大な背信行為で あり、日夜住民を犯罪から守るために一生懸命に努力している 多くのまじめな警察官に対する重大な背信行為でもある。健全 な民主主義国においては許されざる行為である。 ●全警察官に問う「上官の命令が違法であった場合でもその違
法命令に従うべきか否か」 本件事例の場合、 記者会見場で当日のポスターも手に取って見たが、A3版の カラー刷りのきれいなものである。健全な良識ある人ならば、 このポスターが「良好な景観もしくは風致を害し、または公衆 に対し危害を及ぼす恐れの全くないものである」ことは、一見 して明らかである。 今後の「公務員の職権濫用による悪質な犯罪を防止すること に資するため」と「きちんとした情報公開とは何か」との観点 から法律上のことを含めてさらに書き進めることにする。 当記者の見解は1.これまでの取材から総合的に判断して不
当逮捕である。2.法の精神に無知な一部警察官の暴走・暴挙
であり、権力を悪用・濫用した公務員職権濫用罪に該当すると
の指摘も免れないとするものである。 不当逮捕された本人と同弁護人・萩尾健太弁護士が承諾して
くれたので、「本人よりの記者会見資料(これまでの経過の説
明)」と萩尾健太弁護士の「勾留請求をせず釈放することを求
める意見書」を全面的に公開する。 まず、不当逮捕された本人が記者会見において、経過説明を するさい配布された資料を全面的に公開することにする。 ■7月28日 記者会見資料 (本人より) 以下本文(挨拶部分の6行は略)を掲載(なお、記者のほう で※注に簡単な説明を付記して理解しやすくしている)する。 それでは、逮捕から釈放にいたる経過を簡単に述べさせてい
ただきます。 私は「どういう違反なのですか」と訊ねると、「川崎市屋外
広告物条例違反だ」「条例ではってはいけないところに張った
ということだ。署に来て詳しく聞かせてもらう。(仲間の警官
に)車を呼べ。じゃあ待ちなさい。今仲間や上司に連絡を取る
」と言って、すぐに3人(?)ほどの警官が駆けつけてきまし
た。 そうこうしているうちに、警察公用車(パトカーではない) が到着し、中には私服警官が2・3人乗っていました。警官は 「とりあえず署に来て話を聞きます。それではあなたを同行し ます」といって、ベルトと肩をつかまれて車の中に無理やり乗 せられました。この時も逮捕とはいっていないように記憶して います。同行の前に警官が何か言ったような記憶があるが思い 出せません。 中原警察者につくと、そのまま取調室に連れて行かれ、何人 もの警察官に口々に「どうして住所名前を言わなかったのか。 だからこういうことになるのだ。」と言われながら、所持品を 全て没収され、ベルトをはずされて、縄と手錠をかけられまし た。所持品の中には携帯電話があり、鳴っていましたので直人 で靴口に「(電話に)出させてください」といいましたが「だ めだ」の一点張りです。(※注:この電話は現場を目撃した劇 団員が心配してかけてきたものだが、それは後日にならないと わからなかった。) 上司の警察官(生活安全課長)が「弁解録取書」(※注:容 疑者の弁解を記録する供述調書のこと)を作成します。意に反 して強制はしません(といったような)」と取調べがはじまり ました。弁解録取書に弁護士を選任する自由を認めた上で、不 利な供述は強要されず‥という記載があったので、「名前と住 所は言わないのではなく、ここにも書かれている弁護士と連絡 を取らせてほしいといっているんです。携帯に大口弁護士の連 絡先があります。見させてください」と言いましたが、「今の 段階ではできません。じゃあ弁解録取書をとります」ととりあ ってくれませんでした。 署名・押印については、弁護士と連絡を取ってからというこ とで拒否しました。 警察官(生活安全課長)が「下に劇団の長谷川という人物が
来ていて、聞いたよ。今日14:00からリハーサルで、17
:30から本番だって言う事じゃないか。しかも、あなたは準
主役ということじゃないか。17:30だったらまだじかんが
ある。私たちは、あなたたちの公演をじゃましたいわけではな
い。とりあえず簡単な調書を取って上司に諮ってみる。悪いよ
うにしないから。私たちも組織だ。そのために書類を調えない
といけない」というので、名前・住所・年齢・勤務先等必要な
情報を供述しました。 留置場に入れられました。 萩尾弁護士との第1回接見は午後3時ごろ、ようやく実現し ました。ここまでは外部と全く遮断され、非常に苦しかったで す。逮捕の経過、弁護士選任手続き、黙秘方針の確認をしまし た。 その後の取調べでは ※注:黙秘権 刑事事件の被告人や被疑者が、取り調べや裁判
のときに、自分に不利益なことは答えなくてもよい権利で、日
本国憲法第38条1項,刑事訴訟法第311条1項などで保障
されている。被疑者や被告人が拷問などによる自白をさせられ
ることをふせぎ、その人権を守るために生まれたものである。
また、取調べに際して捜査官が黙秘権の存在を告知しなかった
場合、その取調べにおいての供述は証拠にすることができない
とされており、裁判上も強い保障が図られている。しかし、悲
しいことに、人権擁護に充分な配慮している憲法を持ちながら
政治、行政などの怠慢・不作為により、人権後進国の域をいま
だにでない日本では守られないことも多いのが実態である。今
事例の取調官も黙秘権について無知であるか、知っていて嘘を
ついているのか、どちらにしても問題ある取調べであることは
明らかである。 生活安全課長は、翌日になって少し態度を変え 翌日、萩尾弁護士と2時過ぎに接見しました。その後は取り
調べありませんでした。抗議の行動や抗議電話の影響かもしれ
ません。 私が今回の件で思うことは 以上が「7月28日 記者会見資料 (本人より)」である。 つぎに、本人弁護人・萩尾健太弁護士の「勾留請求をせず釈
放することを求める意見書」全文を掲載する。この事件につい
て、どのように法的解釈すべきかを意見書として、横浜地方検
察庁川崎支部検察官と川崎区検察庁検察官宛に提出したもので
ある。これにより本人は釈放された。記者は法学部で学んだ者
として内容を読み、同意見書の解釈は正当であると判断する。 ■勾留(こうりゅう)請求をせず釈放することを求める意見書 横浜地方検察庁川崎支部 検察官 殿 被疑者 中原警察署137号 上記のものに対する川崎市屋外広告物条例違反被疑事件につ いて、下記の通り勾留請求をせず釈放されるように求める。 弁護人 萩尾 健太 意 見 の 理 由 1 被疑者には処罰に値する違法性がないことは明らかであ
る。
被疑者は新聞報道によれば、さる7月23日午前11時10
分頃、中原区小杉3丁目の道路わきの電柱に、ミュージカル公
演の告知ポスター一枚を張ったとして、川崎市屋外広告物条例
違反の嫌疑で現行犯逮捕されたという。
川崎市屋外広告物条例の目的は、同条例第1条に「良好な景
観もしくは風致を害し、また公衆に対し危害を及ぼす恐れのな
いものでなければならない」と規定されている。しかし、同人
の張ったポスターは、当日に行なわれる公演のものであり、そ
の告知のためのものであるから公演が終わればすぐに剥がされ
るものであって、張られている期間は一日に満たない。またポ
スター自体は美しいものであり「良好な景観もしくは風致を害
」するものではない。押収された透明セロハンテープで張られ
ていたものであり、その点でも景観を害しない。看板などと異
なり風で飛んで人に当たるなどにより「公衆に対し危害の及ぶ
恐れ」の全くないものである。 「戦争と占領が続くイラク。現地では占領軍とイスラム武装
勢力の“2つのテロ”によって毎日市民が殺されています。そ
の中で、『テロでテロをなくすことは出来ない』と、非武装・
非暴力で立ち上がっている人々がいます。 このように、イラク戦争を題材に、戦争の悲惨さを訴え、非
武装・非暴力での解決を求める政治的な内容なのである。 2 本件逮捕手続きは違法である。 (2) 弁護人選任権の侵害 結局、被疑者が同行されるところを目撃した被疑者と同じ劇
団員から当職へと出動の要請が来たのであり、被疑者からは弁
護士への連絡はなされなかった。 (3)利益誘導による黙秘権の侵害 (4)まとめ 3 被疑者には勾留の理由がない 被疑者は、新聞報道では福祉施設の職員ということで、捜査
官が把握している定職があり、家庭もあるのだから、本件のよ
うな軽微な法定刑しか規定されていない罪で、職や家庭を捨て
て逃亡するとは到底考えられない。したがって、「逃亡すると
疑うに足りる相当な理由」も存在しない。
被疑者は現在、黙秘し調書の作成を拒否しているが、そのこ
とを理由に「逃亡すると疑うに足りる相当な理由」や「罪証を
隠滅すると疑うに足りる相当の理由がある」とするのは、憲法
38条1項で保障された被疑者の黙秘権の侵害であり、およそ
違法として認められない。 4 勾留の必要性は認められない。 5 結語 以上が「勾留請求をせず釈放することを求める意見書 20 06年7月25日」である。(by 大地実) Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-07-31 16:44:23 Copyright: Default |