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LNJ Logo 例会感想〜時給300円が社会の公共性を破壊する
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News Item 0705
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松原です。(写真も)

レイバーネット例会「移住労働者はいま」の鳥井一平書記長(写真下)の報告では、パワーポイントを使ってのプレゼンだったので、非常にわかりやすかった。かれがこの方法を使うのは、多民族の人に伝える方法として意識して使っていることもわかった。だから、画面の説明文も日本語と英語が並記されている。日本人と外国人が一緒にレクチャーを受けることができるのだ。

報告の中でとくにインパクトがあったのは、やはり具体例。岐阜県の縫製工場で時給300円で働かされている中国人女性研修生の実態や、居酒屋(白木屋・北の家族・天狗など)でのたたかいの歴史、セネガル人の弟の労災死亡事故の話など、厳しい現実が突きつけられた。


↑弟を労災事故でなくした話をするセネガルの移住労働者


↑パキスタンの移住労働者は「組合で労働法を知ってから強くなった」と語った。

また、鳥井さんが最後に「おまけ」として語った問題提起がよかった。それは、「近代における労働契約の基本は、経営者と労働者の人格は対等であり、あくまで、お金と労働力との取引関係として契約する関係。それぞれの人格には干渉しない、というのが原則である。これが奴隷制や封建制と違うところ。ところが、今回の中国人研修生のケースなどを見ていると、それが完全に破られてしまった。こういうことがまかり通るようになると、社会の公共性が破壊されていく」と。

たとえば今回の中国人女性研修生のケースでも、低賃金だけでなく経営者によるセクハラが日常化していた。「時給300円の労働者に対しては、さげすみの感情が強くなる。それがセクハラも誘発する。だからきちんとした労働条件が必要なのだ」と鳥井さんは力説した。

なぜ「外国人労働者」と呼ばないで「移住労働者」と呼ぶようになったのか、という質問については、「そもそもforeign workerということばはない。migrant workerということばだけだ。世界のどの国でも外国人が働いているのは当たり前で、単一民族国家の幻想に縛られている日本人の発想がおかしい。移住労働者と運動をしていると、食べ物ひとつとっても違いがある。その違いを知って、認識差をうめていくことが大事。日本の労働運動が多文化と向き合うことで、格差を許さない労働運動の原点を取り戻せるのではないか」と結んだ。ちなみに全統一労組のスローガンは、Everybody is different (みんな違いがある)。違いを認め合うことからの連帯をめざしている。

二次会で知ったのだが、鳥井さんは「炎のオルグ」と呼ばれている。ある事件で会社に乗り込んだら、経営者にガソリンをかけられ火をつけられ、それで大やけどを負った。その武勇伝は、またたくまに移住労働者の間に知れわたり、絶大な信頼を得ることになったという。この日も熱く語り、「炎のオルグ」の面目躍如だった。


↑この日初めて登場した「報道用腕章」。「かっこいい」の声も。


Created by staff01. Last modified on 2006-07-05 22:57:35 Copyright: Default

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