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青森「日韓農業・農民交流会」報告

日時:10月11日(火)18:00〜20:00

場所:上北地方教育会館(十和田市西三番町)

主催:青森県農民組合

参加者:約60人

青森県十和田市で行われた集会には、農作業の忙しい時期にもかかわらず、60名の多 数の農民が参加し、関心の高さをうかがわせた。青森県農民組合の今泉会長のあいさつ では、WTOやFTAによる農産物の貿易自由化が進められようとしているなかで、日 韓の農民の交流が重要になっていることが強調された。また、フォーラム平和・人権・ 環境の市村事務局次長からはWTO・FTAをめぐる問題と運動の課題について報告が あった。

 イ・サンジョンさんの講演では、学生運動から農民運動に飛び込んだ経緯や、韓国の 農業政策の推移とそれに対する農民の闘いが強調された。(講演の要旨参照)。そして 、「日本の農業をめぐる状況が厳しいことを知った。日本の農民も要求闘争を強めてい く必要がある。黙っていてはいけない」と訴えた。

 参加者からの質問では、農民の参加が多いためか、イさんの年収や韓国の生産者米価 や農薬・肥料などの価格、負債の状況、農協組織の現状、生産調整の方法など、農業経 営に関する質問が相次いだ。この中で、韓国の農協組織については、「農協はまったく 農政運動をしていない。政府の代弁をして、農民に政策を押しつける存在だ。販売事業 もおざなりで、もっぱら金融事業に力を入れている。我々の組織とは対立を続けている 」と状況説明があった。そして、「農民の要求実現のために農民組織が必要であり、農 協任せではいけない」と、日本の農民組合への激励も行われた。

 最後に、青森県農民組合の斎藤書記長から、「グローバル化が進む中で、これからの 運動は一国の闘いだけではだめだ。アジアとりわけ韓国の運動との連携が重要だ。新自 由主義は、全てのものを商品化し、競争させることだ。それが人類の幸福につながるの か。もう一度捉え直していこう」と訴えがあった。また、香港でのWTO閣僚会議には 、青森から斎藤書記長が参加することも確認された。

 なお、集会に先立ち、イさんは十和田市周辺のりんご農家や養鶏場も訪問し、農民な どとの交流も行われた。青森特産のりんご農家では、実ったりんごをほおばりながら、 育成の工夫や苦労などを質問していた。また、イさんの強い希望から、養鶏場も訪ねた が、おりからの鳥インフルエンザの問題から、場内への立ち入りができず、外で従業員 から事業内容の説明を受け、育成種の種類や育成期間、価格や流通の状況について熱心 に質問していた。


Created by Staff. Last modified on 2005-10-15 23:14:19 Copyright: Default

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