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9月17日土曜日−闘争キャンプ2日目、鉄道民営化反対デモ
(デモ:仏 - manifestation, 英 - demonstration, march)
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フランス「闘争キャンプ」参加報告、後編です。

※前編の要約: 去る9月16日、フランス東部のヴィレ・シュル・ムーズに行ってきました。

観光目的ではなく、英国鉄道労組RMTの組合員に誘われて、また日本の国鉄闘争共闘会議と鉄建公団訴訟原告団のメッセージを携えて、フランス鉄道民営化反対行動に参加してきたのです。

宿泊場所は仏鉄道労組SUD−Rail(スュッド・ガーイ)が組織した「闘争キャンプ」でした。

↓民営貨物が通る予定の線路に向けデモをする労働者たち

↓報告会で話をしているクリスチャンさん(左の栗色長髪眼鏡の男性)

↓写真:発炎筒の煙に包まれる踏切の一帯

↓民営化に抗議し、「象徴的行動」として線路を横倒しにする労働者たち

翌朝、「寒かったね〜」と言いつつバーベキューの火の周りに人々が集まってきた。ビヤン・ドルミ?(よく眠れた?)とか言い合っている。イギリスより南に位置するにも関わらず、内陸性気候のせいでかなり気温が低く、息が白くなるほどだった。

当日参加の人たちもいて、時間がたつにつれだんだん人が増えていく。「闘争食」の販売所の前には長い列ができ、並べたテーブルには人々がごったがえすようになった。

そうした中、デモ行進に先だち、各国労組の代表が集まって報告会を行った。司会をしたのはSUDのクリスチャン・マイユーさんで、EU指令や民営化・自由化反対の共同闘争の意義について強調していた。フランスのSUD−Rail、イギリスのRMT、イタリアのORSA、ベルギーのCGSP、ドイツのBhan von unten、スペインのCGT、そしてアフリカATTACグ ループからマリでの闘いについての報告があった。それぞれ、英語訳、フランス語訳があった。私も同席させていただき、国鉄闘争共闘会議と原告団のメッセージ文(英語)を配布し、フランス語を交えて読み上げさせてもらった。(半分はフランス語の分かるRMTの同志がその場で通訳してくれた)。(※メッセージ日本語原文はこのメール下部にコピペ)。

イギリスRMT: - チャブ社セキュリティ労働者ストの報告。労組認可のために2ヶ月闘わねばならず、今年分の賃上げ決定が認可の前に行われてしまった。あらためて労組としてRMT支部として賃上げ要求の最中だ。 - いま英国で行われているのは東欧の低賃金労働者を使った労組破壊。たとえばハンガリーから労働者を動員し、ホテルに泊まらせ、スト破りさせてる。危険な動向。国際的な連帯の闘いの構築が問われている。

イタリアORSA: - 5年前に鉄道民営化。地域別に事業規模100人程度の地域所有形式の小会社に。よりよい賃金と労働協約のために闘うのが困難な状況。臨時雇用労働者には常に契約被更新の恐れが。現在2人乗務体制を一人化してくる動きも。一方で事故が続発し、多くの死者が出ている。

ベルギーCGSP: - ベルギーでは鉄道が南北に分割された。北部は山岳帯で新規もメンテも金がかかる。南部は経費が少なくて済むため、地域格差が拡大している。 - ここ数年、車掌と運転士の新規雇用はまったくない。以前は42000人いた労働者の数が減少する一方だ。会社が追いかけているのは効率性と利益のみ。

マリ(アフリカATTACグループ報告): 2003年10月にカナダ資本の運営になり、ほぼ半分の鉄道労働者が解雇された。27職場のうち20が閉鎖された。賃金カット、無年金化、無権利化が進んでいる。事故も続発。

代表団会議を終えると昼食をすませ、キャンプ地を昼1時過ぎに出発した。行き先は私鉄貨物が通ろうとしているヂュニ。バンや車に分譲し、15分ほどで到着した。行動参加者以外の車がまったく通らないような田舎町なのだが、その道いっぱいに広がってカラフルな組合旗を翻しデモをした。スローガンは例えば:

ノン!ノン!ノン!オ・トラン・プリベ!(民営化鉄道反対!反対!反対!) ウィ!ウィ!ウィ!オ・セルヴィス・ピュブリック!(公共サービス賛成!賛成!賛成!)

鉄道の踏み切りまで来ると皆立ちどまり、なにやら細長い棒を取り出し始めた。発煙筒だ。あちこちで火花が見え、どんどん煙があがり始めた。一時期は視界がまったく効かなくなるような状況だった。

そして煙が晴れてくると、真ん中に人が集まって何かやっている。巨大なスパナや金テコが見える。カメラに取り巻かれながら、SUD−Railの活動家達がボルトを次々抜きとり、とうとう線路を一本、ゴロリと倒してしまった。そしてその外れたレール横にスローガンを横たえ、また写真撮影。

後で聞くと、行動の当日は列車運行の予定は無かったようだ。その翌日から私鉄貨物がそこを走る予定なのだと。そして警察は、近くに1隊、遠くにもう1部隊を置き待機していたが、結局今回は何も介入をしてこなかった。

付近の住人が身守る中、デモ隊はまた発煙筒をたいてデモ行進。近所の青年や子供たちも一緒に歩いた。

キャンプ地に帰ると今度は全員が集まって集会。昨日の音楽コンサートの舞台が集会プラットフォームとなった。(ただ残念ながら、私は帰宅準備できちんと参加できず)。

集会が終わると、ヤシンさんやジャンフィリップさんたち(前便メール参照のこと)が舞台解体作業を始めた。「予想より集まりが少なかった(400人強)。千人は欲しかったが、まぁ、地理的に都会から遠いので難しかったかな」等話している。

しばらくして海外参加の私たちは大型バスでキャンプ場を離れた。男性は握手を交わし、女性はほっぺにキスをし、他日の再会を約束し合った。

(報告、了)

◆ウェブ: 仏 鉄道労組SUD−Rail www.sudrail.org 仏 労組連合ソリデール(SUD−Railを含む14労組の連合体) www.solidaires.org

◆教育労組 SUD-Education のマチウさんによると、 現在のフランス労組組織率:全労働者数の8〜10%

◆これで前後編報告を終わるが、この後にもう一本「おまけ」をつける予定。

◆闘争関連以外の感想メモ:
・フランスの主要駅では兵隊(警官?)がむき出しの銃をかついで警らしている。
・仏ではアフリカ系住民の割合が多い(英国はインド系や中東系が多い。植民地支配した地域の違い)
・個人的感情だが、入管職員は好きになれない。外国人や移民、国籍を持たない者を犯罪者扱いするのは日本も英国も同じ。英では入管スタッフもストをするし同じ労働者だというのは分かるが、取りしまられる立場として嫌悪感が先に立つ。いま、在日の人々の置かれてきた大変さ(のほんの一端)を味わっているのだと思う。

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レポート by 樺浩志
japan2world@hotmail.com
http://eikoku.fc2web.com
※転送・転載大歓迎です。
※紙媒体でのご利用、独自記事、写真等ご希望の方はご一報下さい。
今後も英滞在と情報発信を続けるためのカンパをお願いしています。 私は苦学生なのですが、ロンドンは生活費も授業料もとってもが高いのです…
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◆国鉄闘争共闘会議と鉄建公団訴訟原告団のフランス鉄道労働者へのメッセージ日本語原文:

フランス鉄道労組SUD−Railの皆さんへ

親愛なるSUD−Railの皆さんに、心から連帯のごあいさつを申し上げます。

皆さん方が、「民営化貨物運行」に反対し、警察機動隊の弾圧にあいながらも、果敢に闘われていることに対し、心から敬意を表します。

日本でも1987年に、国鉄が6つの旅客会社と1つの貨物会社に分割・民営化されました。

その際に、やってはならない不当労働行為が行われ、1047名の国鉄労働者が、組合差別で解雇されました。

解雇された1047名のうち、現在、国労・全動労・動労千葉に所属している382名の原告が国鉄を継承している鉄建公団(現:鉄道運輸機構)を相手に裁判で闘いを進めています。

今年、9月15日には先行している鉄建公団訴訟(国労闘争団295名)の判決が東京地方裁判所で言い渡されます。私たちは、この裁判を何としても勝ち抜きたいと奮闘しています。

民営化は、日本国内で何の益ももたらしていません。 旧国鉄の赤字は減るどころか増え(25兆円→28兆円)、地方路線ははがされ、重大事故が起きています。今年、4月25日には107名の死亡者と549名もの重軽傷者を出す列車脱線・転覆事故が起きました。JR西日本・尼崎事故です。

これらは、モノを言う労働者を職場から排除した結果として起きています。民営化は、「安全第一」のシステムから「儲け第一」へと取って代わられました。その結果、利用者の命が危機にさらされています。 私たちは、世界の仲間と連帯して、民営化のもたらす問題点を広め、民営化反対の立場で闘いを進めたいと考えます。

19年余に亘る1047名への人権侵害を是正させ、解雇撤回を求め、闘い続けます。 皆さん方の闘いが、大きな成果を納めますよう念願しています。共に頑張りましょう。

2005年9月9日
東京都千代田区飯田橋3−9−3SKプラザ3F
鉄建公団訴訟原告団
国鉄闘争共闘会議
TEL03−3511−3386


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