台湾のメーデー | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第4回(2024/10/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
こんにちは。会員の稲垣です。 台湾のメーデーは、各ナショナルセンターなどが新型肺炎の影響で中止を決定 したそうです。 ナショナルセンターのひとつである全国産業総工会は、その費用を組合員の予 防品の購入や、医療関連の労働組合へのカンパにあてるそうです。 いながき --------------------------------- 2003年5月1日in台湾 水面下の激流のなかでの静けさ 苦労web報道2003/5/2 SARS(新型肺炎)の暴風が猛威を振るう中、今年のメーデーはこれまでになく 「静か」であったように思える。全国総工会、全国産業総工会、労働人権協会 は当初それぞれ予定していたメーデー活動を取りやめた。公営事業労働組合大 連盟だけが行政院(総理府)への要請行動を予定通り行った。 メーデーは、労働者の血みどろの闘いの歴史であった。1886年、アメリカのそ れぞれの組合から構成されたアメリカ労働総同盟(AFL)がゼネストを発動 し、アメリカ政府の強制的介入による弾圧を引き起こした。シカゴのヘイマー ケット広場の大会に対しては、武装した警官隊が投入され、多数の死傷者がで た。この事件の後、政府は大規模な弾圧を行い、最終的に八人の組合活動家が 死刑に処された。 この事件で犠牲になった労働者アルパート・スパイスは法廷で激越な口調で次 のように語った。「もし私たちを死刑にして労働運動を弾圧できると思うなら ばそうすればいい。ここでの火花は消えるだろうが、果てしない大地では諸君 の前でも後ろでも、炎は一層燃え盛るだろう。それは地の底から燃え上がる炎 であり、諸君たちは永遠にそれを消し去ることはできない」。このような勇壮 な気概が、その後100年の屍を越えて後に続く労働者階級の闘争の推進力に なっているのである。 メーデーの意義は、かつてを偲び、犠牲者を追悼することにあるだけでなく、 ましてお祭りとしてだけ存在しているのではない。前人の足跡を踏みしめ、今 日の闘いに直面し、支配者が依然として資本家とともに、労働者の肉体をつ かって永遠に満たされることのないかれらの欲望を満たそうとしているあいだ は、労働者の闘争は一日たりとも止むことはない。いま台湾では不況の影響 で、真っ先に労働者がその犠牲となっているが、政府は資本家と手を取り合 い、勝利の果実を一層確実に収穫できるようにたくらんでいる。現在、国会で 審議されている「労組法案」「労使紛争処理法案」「団体協約法案」および 「労働者退職金条例法案」は、労働組合を制限し、労働者の血と汗の結晶を戦 利品として奪うことを目的とした法改正である。 その一方で公営事業の民営化は、公有資産を叩き売り、財閥を利するという目 的のほか、さらに重要なことは、全面的に労働者の労働条件を引き下げ、「効 率」の名の下に、人員削減、減給、公務員資格の剥奪など、「市場メカニズ ム」の名のもとに、労働者の権利を剥奪するものに他ならない。 5月1日、総理府前では、公営事業労働組合大連盟が、総統候補者だった陳水扁 (現総統)が1997年7月27日に公営事業労働組合大連盟結成大会で公表 した「民営化を再検討し、独立した監督委員会を設置し、財閥化、政党化を避 け、労働権を保障する」「公営事業および民営化された企業の政府株の株主代 表は労働者から代表をだす」という反故にされた公約を再要求した。 民主進歩党が政権についた後、国営事業改革の動きが続けられ、いわゆる「民 営化」の過程において、「大企業化」の過程があからさまに進められ、売れ 残った公営事業は、もっとも悪質な「閉鎖」という方法で解決してきた。この 三年のあいだ、すでに四つの公営事業が閉鎖され、11の企業が民営化され た。また中央保険公社は長栄グループ(台湾最大の運輸関連企業で総裁の張栄 発は陳水扁総統の強力な支持者)の支配下にあり、もっとも利益の上がる中華 テレコムも、株式放出の過程にあり、富邦グループ(台湾の金融、通信関連の 大企業。総裁の蔡万才は陳水扁総統の支持者)とライバルの台湾セルラー(台 湾第2位の携帯電話事業者)が進出してきている。公営事業労働組合大連盟 は、総理府は形式的には各省庁を横断した民営化検討委員会を結成したが、国 民党時代の株式と資産を売却するという方針と何らかわるところがない、と批 判した。 メーデーでは、総理府はこれら公営事業労組の代表と会見したが、上記の問題 については何ら回答がなかった。今回の行動について、公営事業労働組合大連 盟が設定した「警告」の意味は非常に明確で、支配者としては、(反対運動 の)力の誇示がなければ、なんら回答を得ることはできないというのは、想像 に難くないだろう。行動の最後に、公営事業労働組合大連盟と同様に陳水扁総 統の公約(労組結成を承認する)反故に直面している全国・各地域の教師会 は、「メーデの果たし状を総理府に手渡した。公営事業労働者と教員はさらに 大規模な行動を展開する。労働者をもてあそんだ支配者はかならずその代償を 支払うことになるだろう!」と共同で宣言した。 労働者が失業の危機に直面しているいま、われわれの敵はその手を緩めはしな いだろう。われわれに対して「労使協調」を語っているいま、その一方ですで に労働三権を剥奪し、社会福祉制度を骨抜きにし、公営事業を民営化しようと 準備している。2003年のメーデー。街頭は表面的には静かであったが、政 府のなかでは水面下で激流が渦巻いていた。 (苦労ネットウェブサイトhttp://61.222.52.195/より訳出) Created byStaff. Created on 2003-05-05 17:03:38 / Last modified on 2005-09-05 02:59:16 Copyright: Default |