世界経済フォーラム反対行動(NY)体験報告〜若者の生き生きした姿印象的〜 | |||||||
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NYにいるレイバーネット日本会員の「なすび」さんからフォトレポート(2月2日行動体験記)が届きました!
反WEF行動は1/30-2/4の6日間、いくつかの団体の共同で準備されました。The Students for Global Justice、Another World is Possible、the Anti-Capitalist Convergence、Public Citizen、Public Eyes of Davos、International ANSWER、労働組合ではAFL-CIOが参加しています。そしてマンハッタンの各地で、様々な団体の独自および共同の形で、集会や討論、街頭でのデモンストレーションが行われました。 前半の大きな集まりとしては、1/31と2/1にコロンビア大学のホールで行われた Globalizing Justice Workshop(主催:National Activist and Student Mobilization)があり、AFL-CIOも対抗会議と抗議行動を行いました。街頭行動のメインは週末の2/2でした。 ワークショップ(討論集会)では様々な分科会があり、その一つではポルトアレグレの世界社会フォーラムと同じように「どんなオルタナティブ社会が構想しうるか?」という討論もされたようですが、僕は参加していなかったので、分かりません(AFL-CIOの行動も同様)。 僕が参加できたのは後半の二日間、2/2の「AWIP Rally and March Against the WEF」(主催:Another World is Possible Coalition)というラリーとデモ、2/3のいわゆる"スネーク・マーチ"なる無届けデモ(たぶん主催は the Anti-Capitalist Scavenger Hunt)でした。街頭行動では、2/2は38人、2/3は150人の被逮捕者が出ました(いずれも警察発表)。その辺の様子を含め、参加できたものについて簡単に(僕の目からの)報告をしたいと思います。 なお、WEFの会場となったWaldorf-Astoria Hotel については、歴代大統領がホワイト・ハウスから離れるときに一日か二日泊まるホテルで、ヒロヒトとアキヒトも泊まったと、アメリカのガイドブック(Let's Go シリーズ New York City)に書いてありました。
ニューヨークについて驚いたのは、縦横の道が数多く走っているマンハッタン市街の角ごとに、それぞれ数人の警官が立っていることでした。銀行の前などは以前もそういうことがありましたが、今回はそれだけではありませんでした。よくこれだけの数の警官がいるものだと驚いたくらいです。ちょっと異常な状況です。 これが9・11以降なのか、このWEFに合わせてなのかは定かではありません。周辺地区からの応援もあるのかもしれませんが、多くの警官はNYPD(New York Police Department)の章をつけていました。公共施設には入るときの手荷物チェックの厳しさはニューヨークに限らず厳しくなりましたが、それだけでなく、ニューヨークでは街頭でも目を光らされていたという感じです。
■2月2日:ラリー(集会) この日は午前中からいくつかの団体の小さな行動があったほか、WEF会場の前では数百人の抗議行動があったようですが、メインの行動は昼から始まりました。セントラル・パークの南端の東西に二つの集まりが同時にあり、僕は東側(その名も「Grand Army Plaza」!)で行われた「AWIP Rally and March Against the WEF」に参加しました。 あまり広くないところに集まっていたのですが、それでも開始前から500人以上は集まっていたでしょうか。様々なプラカードを掲げたり、かぶりものをした参加者が集まりました。構成は老若男女さまざまで、白人が多かったですが、それでも黒人もそれ以外の人もいました。 そのプラザには銅像があるのですが、その前が舞台となり、司会の紹介により、次々とスピーカーが話をしました。淡々と語る人あり、絶叫調にアジる若者あり、歌などもありました。 具体的に何度も言及されたものは、破綻したエネルギー供給会社エンロンがアメリカ型規制緩和や中東の石油関連で政治と深く結びついていた問題で、アメリカが押し進めてきたグローバリゼーションを追及する大きなポイントになっています。また、アルゼンチンからもスピーカーが来ていました。これは、アルゼンチンの現在の社会・経済状況はまさにグローバル経済が生み出したものだということが、特にアメリカの運動の中では意識されていることがあります。その他、いくつかの歌などもあり耳に残ったフレーズもあるのですが、僕が聞いた(気が する)ものが英語的に正しいのか自信がないので、ここでは書きません。 そのラリーの第一のスローガンは「別の世界は可能だ!」(Another World is Possible! )というものですが、他にもプラカードに見られたスローガンのいくつかをピックアップします。 ・企業によるテロをやめろ などなど。面白いところでは、
・我々の世界は売り物ではない:Our World is Not for $ale.(Sが$になっている。USAもU$Aと書きます) なんてものもありました。 また、反WEFの大きな段幕を10人ほどで広げ、その上で地球の絵を描いたサッカーボール大のボールを跳ねさせるといったパフォーマンスもありました。 ラリーの全体の印象としては、いわゆるアメリカ政府の進める「対テロ戦争」も、グローバリゼーションの一環としてあるとの指摘が基調になっています。少なくとも、9・11の事件によりこの運動のうねりが勢いを失ったようには見えません。 また、そのことに起因しているのだと思いますが、オルタナティブ社会を構想しようという意識が、日本の反戦市民運動よりも強くあるように感じました。 最後に人形や小道具・大道具を持った30人程度の一群が舞台の前で集まって歌い、「別の世界は可能だ!別の世界が必要だ!」(Another World is Possible! Another World is Needed!)などのスローガンを連呼した後、そのままデモに移りました。 この間じゅう、警官が銅像の段から集会参加者を見下ろして警備するほか、周辺にはかなりの数の警官・機動隊が取り囲んでいました。
デモは「マーチ」と銘打ってあるだけあって、デモというよりもほとんどパレードという感じで、ニューヨ−ク・タイムズにも「平和的」と書かれていました。スローガンを連呼したり、歌がでたり、鐘や太鼓を鳴らしての行進でした。自由の女神に仮装して「連帯」というたすきをかけた一団が走ったりしていました。工夫をしたプラカードや道具もカラフルですが、なにしろ参加している人の生き生きとした姿が印象的でした。一つのシュプレヒコールが一段落すると、また別のシュプレヒコールが起こり、マンハッタンの高層街に響きました。特に若 者が多く参加しており、日本との違いを感じます。 WEF会場のWaldorf-Astoria Hotel 方面に向けてセントラルパークを出発したデモは、途中からさらに東へと、同ホテルから離れる形でしかコースが認められていませんでした。 このデモはいくつかの団体(Another World Is Possible, Reclaim the Streets, the Anti-Capitalist Convergence, International ANSWER)で準備され、マンハッタン各地で集会を開いていた団体が合流してきました。ホームレス支援運動をしているメンバーの参加もありました。最終的には、インディメディアによれば約15,000人、ニューヨーク・タイムズによれば1万人(警察発表をもとにしている)の規模になったとのことです。 ただ構図としては、自由にストリートをパレードした、という感じではとてもありません。パレードの横にはびっしりとバイクに乗った警官が張り付き(多くがハーレーに乗っている)、デモ参加者が歩道に上がることや歩道からデモに加わることを阻止していました。 おかしかったのは、反グローバリゼーションの標的にされている店や建物、たとえばスターバックスやマクドナルドの各支店などを、警官が真面目な顔をして守っていたことです。 オフィス街に入ると、デモのコースの路肩には二重の鉄柵が置かれて、さらにその内側を白バイが隙間なく走り、よく見るとコースの一つ外側の通りから通行が遮断されていました。つまり、警察の完全封鎖下での「平和的マーチ」を謳歌していたわけで、完全に街空間の一部に囲い込まれた形です。 規模が大きいため仕方がないのかもしれませんが、デモの全体状況に関するアナウンスがなく、指揮系統らしきものもなし(警察の動きが極めて組織的だったことと、良くも悪くも対照的)。途中で前が詰まってしばらく立ち止まっても、前方で何が起こっているのか分からない、という状況でした。 その中で警察発表で38人以上、インディ・メディアの報告で40人の逮捕者がでたわけですが、それはデモの先頭や末尾で起こったため、デモの真ん中ぐらいにいた僕にはその状況は分かりませんでした。警察は「ヘルメットやマスクをして、警官を攻撃しようとしていたから」などと説明していますが、容疑は暴行ではありません。インディ・メディアの報告では、デモの末尾付近にいた「黒い衣類を着た者」を警察はターゲットにしていたということです。ニューヨ−ク・タイムズですら、警官の方が突っ込んだ、あらかじめ警察が狙っていた一団があ る、と警察の恣意的な逮捕を報告しています。 解散地点でも短い集約集会のような形になっていたのですが、その間も後から来る参加者を警察が遮断しようとしたり、解散後の人の流れも何人かごとにブロックして集団で移動させないようにしたりして、そのたびに小競り合いが起きていました。明らかに警察の介入が小競り合いを生んでいると感じました。 2000年4月のワシントンでの反IMF・世界銀行の行動の時は、メインの集会・デモのほか、実際にIMFの参加者を会場に入れないことを意図したデモや座り込みが早朝から組織的に行われていましたが、今回はそのような「実力行使」行動はあまりなかったようです。これもかなりの弾圧を予想しての全体の情勢判断かもしれませんし、それは必要ないとの判断かもしれません。 Created byStaff. Created on 2002-02-06 20:00:23 / Last modified on 2005-09-05 02:58:43 Copyright: Default |