2010年3月31日、三星(サムソン)温陽(オンヤン)半導体工場の元労働者パク・ジイェヨンさんが、23歳の若さで白血病のために亡くなった。彼女の悲惨な死は、三星労働者とその家族、地域の支援者らが、三星での労働で生命を犠牲にした多くの労働者を追悼するために、初めての半導体労働者の職業病死記念週間に参加してから、1か月足らずのうちにやってきた。これまでに、白血病やリンパ腫などの血液がんに罹患した三星労働者が23名記録され、そのうち9人がすでに死亡している。この労働者を支援する署名は以下で読み、また署名することができる: 署名サイト
われわれは、三星で働いた後に命を奪われた全員の家族に対して、心からの同情と哀悼を表明したい(三星はいまや世界最強の企業のひとつ―2009年には1,205億ドルの売上記録を謳歌しており、フラットスクリーンテレビで世界第1位、モバイルフォンの売上で世界第2位にランクされている)。
われわれはともに、この悲惨な不必要であった人命の喪失を悼むとともに、職業がんが電子産業における健康危機として増加しつつあることに対する憤りを表明するものである。この問題は、三星あるいは韓国に限ったものではない。この産業が世界中で危険な職場、及びその操業する地域に危険な状況を生み出していることから、産業全体の問題なのである。アメリカ、イギリス、台湾、その他の地域における一連の調査研究は、半導体産業で働く女性労働者における発がんリスクの増大に焦点をあてている(詳しくは、http://www.ehjournal.net/content/5/1/30を参照)。あまりにも長い間、電子産業のお偉方たちは、責任を否認し続け、化学物質への曝露とその結果としてのがん死亡をたんにビジネス上のコストとして扱ってきた。われわれは、「もう十分だ」と言おう。
死亡の職業起因性を適切に調査して、適切な予防措置を講じる代わりに、韓国政府は、三星を支持し、化学物質に曝露した、韓国・三星の電子部品製造労働者におけるがんの集団発生の証拠の増大を沈黙させようとする努力に加担してきた。4月2日、ソウル市内の三星本社前における記者会見の後に、パク・ジイェヨンさんの葬儀が行われた。記者会見は警察官によって中止させられ、彼らは、三星に対して「おまえたちはパク・ジイェヨンの死に責任がある」と叫んでいた7人の活動家を逮捕した。活動家たちは、2日後に、罰金なしで解放された。
われわれは、三星と韓国政府によるこれらの行動を非難するとともに、以下のことを要求する。
―三星は労働者のがん死亡に対する責任を認めろ
―韓国政府は、労働者や支援者を罰するのではなく、三星に対して法を施行せよ
われわれは、イ・ミョンバク韓国大統領、チェ・ギスン三星電子会長、イム・テヒ労働大臣、キム・ウォンベ韓国労働福祉公団理事長、ノ・ミンキ韓国労働安全衛生公団理事長に対して、この悲劇を終わらせるために自らができるすべてのことを行い、この一連の問題に世界中の関係者の関心を集めた勇敢な安全衛生活動家に対する冷淡な扱いを謝罪するよう要求する。
われわれはまた世界中の兄弟姉妹に対して、三星の労働者の健康無視と韓国政府のこの悲劇への加担を曝露する取り組みを呼びかける。
半導体産業労働者の健康と権利連帯によるビデオをご覧いただきたい: 日本語版:死者のための追慕、生者のための闘争 | 英語版
半導体産業労働者の健康と権利連帯(SHARPS)
労働災害被害者の権利のためのアジアネットワーク(ANROAV)
アジア・モニター・リソースセンター(AMRC)
APROMAC(環境保護協会)ブラジル
アメリカ通信労働者組合, AFL-CIO
Global Alliance for Incinerator Alternatives
国際金属労連(IMF)
責任ある技術のための国際キャンペーン
国際POPS根絶ネットワーク
労働安全衛生センター連絡会議(JOSHRC、日本)
マキラドラ安全衛生支援ネットワーク(アメリカ)
マキラ連帯ネットワーク(カナダ)
全国有害物ネットワーク(オーストラリア)
New Solutions
PHASE II(スコットランド)
TEAN(台湾)
TIEアジア
TOXISPHERA(健康環境協会)ブラジル
アメリカ合同電子・ラジオ・機械労働者組合(UE)
Worksafe(アメリカ)