映画『オールド・スパーキー』 | |||||||
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ロサンジェルスで映画を制作している若者たちから、レイバーネット日本にメールが来ました。僕は自分と同じ年くらいの人たちが、戦争という大きな問題に自分なりに立ち向かおうとしていることに勇気づけられました。この映画がどんなふうに仕上がるか、とても楽しみです。 JNK(国際部)
最初にこの映画の脚本を書いたのは、もう3年近くも前の事になります。日本にいる友人が主催する劇団のために書いたショートストーリーが、本編で描かれている処刑室のシーンでした。残りの半分、つまり少女が自殺を図るエピソードは、UCLA映画科への編入の際に書いたショートストーリーのコンセプトから発展させて書いたものです。つまり2つの過去の作品を組み合わせて今回の「オールドスパーキー」の脚本が完成しました。 第2次世界大戦を舞台にしているため、「反戦映画」という印象が強いかもしれませんが、今現在、世界中で生じているあらゆる種類の紛争、とりわけニューヨークのテロ事件、アフガニスタンへの報復攻撃へのメッセージを強く込めたつもりでいます。また、アメリカでも昨今深刻な問題となっている、自殺、イジメ、引きこもり、切れる若者へのメッセージ等もこの映画には込められています。 撮影クルーは日本人だけでなく、様々な国籍の人達がこの映画に賛同し制作に携わっています。同時多発テロ事件や、アフガンへの報復攻撃へのメッセージが含まれているといっても、この映画は決して特定の国や宗教を非難していません。ただこの映画を制作する事、鑑賞する事によって、人々に(クルーも含めて)、世の中の様々な問題を「戦い」なくして解決していく方法を考えてもらいたいという思いがあります。 それは「戦争」だけでなく、イジメ、家庭内暴力などといった、人の「怒り」に基づいて起こりうる「争い」全てに当てはまる事だと考えています。だからこそこの映画には、10代の女の子から80歳の老人まで、幅広い年齢の登場人物が出てきます。そしてまた、国籍も価値観も全く違う二人の兵士の会話が物語の中心となります。彼等(少女=老人、兵士=看守)は決して心を「通わす」事はないですが、何かしらの方法で、心を「揺さぶる」思いを伝える瞬間を経験します。そしてそれを見た皆さんが一瞬でも、ほんの一瞬でも心揺さぶられ、何かを考えるキッカケになればと願っています。 アメリカ、自由の国。ハリウッド、映画の都。だからといって皆にアメリカに来るべきだという事を押し付けようとは思っていません。ただ皆、自分が心地よく過ごせる場所と時間を探すべきだと思うのです。生き生きと笑って暮らせる場所と時間が長い人生の中できっと見つかるはずだと。この映画と僕らの活動の様子を見てそういった事に少しでも気付いてもらえればと思っています。映画で何ができるのか、人間として何ができるのか、僕等はいつも自分達に問い続けています。映画には、芸術には、世界を変える力はないかもしれません。だが世界を変える人を正しい道に導く力はあると信じています。 「オールドスパーキー」完成をお楽しみに。。。 OSPプロデューサー
Created byStaff. Created on 2002-02-27 04:31:06 / Last modified on 2005-09-06 04:51:02 Copyright: Default |