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韓国:労働改悪「二大指針」を強行、民主労総「無期限ゼネスト」突入へ
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労働改悪「二大指針」を強行、民主労総「無期限ゼネスト」突入へ

二大労総が対政府闘争に突入、民主労総は「ゼネスト」を議論...奇襲デモで連行も

ユン・ジヨン記者 2016.01.22 17:50

▲アルバイト労組組合員約80人が二大指針発表強行による雇用労働部長官の責任などを要求してソウル雇用労働庁1階のソウル雇用センターを奇襲占拠した。奇襲占拠デモをしたアルバイト労組の組合員がシュプレヒコールをあげている。[写真/ジョンウン記者]

▲警察が検挙作戦を行い、アルバイト労組の組合員が抗議している。[写真/ジョンウン記者]

政府が一方的に労働改革二大指針(一般解雇、就業規則変更要件緩和)を発表し、 労政対立は最悪の状況に駆け上がっている。 民主労総は直ちに来週から無期限のゼネストに突入する方案の議論を始めた。 1月19日に労使政妥協破棄を宣言した韓国労総も、政府指針を無力化するための対政府闘争に突入すると宣言した。

労働市民社会陣営の反発も小さくない。 彼らは緊急記者会見を行い、朴槿恵政権解雇運動などの労働改悪阻止運動に突入すると明らかにした。 アルバイト労組の組合員たちは、政府の一方的な指針の発表に反発し、ソウル雇用労働庁占拠座り込みに突入した。

▲[写真/ユン・ジヨン記者]

民主労総「無期限ゼネスト」を議論、韓国労総も「対政府闘争」突入を宣言

雇用労働部の李基権(イ・ギコン)長官は1月22日午後3時、 世宗庁舎で記者会見を行って「公正人事指針」と「就業規則指針」の最終案を発表した。 低成果者に対する常時的解雇、賃金ピーク制導入などのための就業規則の不利益変更に関する要件緩和を政府の指針だけで可能にする意図だ。 李基権長官はこの日の午前、 労使懇談会などの日程をすべて取り消して「緊急記者会見」の形式で二大指針を奇襲的に発表した。

そのため民主労総は午前11時、常任執行委員会で直ちに来週の月曜から全面ストライキに突入する方案を議論した。 午後5時には緊急中央執行委員会を開き、25日にすべての加盟傘下組織が参加する全面的な無期限ゼネストの方針を議論、確定する予定だ。 週末の23日には午後3時からソウル駅で集会を開いた後、ソウル広場まで都心デモ行進をする予定だ。 この日、ソウル広場で開かれるゼネスト宣言大会には、4千〜5千人程度の組合員が参加するものと見られる。

また民主労総は、政府が法的効力がない指針を不法に強行しようとしているとし、 李基権長官の告発および解任の件案も推進する方針だ。 民主労総は「政府の労働改悪行政指針の発表を一方的な行政独裁で、常時的なやさしい解雇と就業規則改悪を狙った労働災難だと規定し、 ゼネストなどの即刻闘争で対抗する」とし 「今日の中央執行委員会では、労働改悪に反対する既存の闘争方針により、 政府の指針を阻止するためのゼネスト闘争突入の時点を最終的に点検し、確定する予定」と明らかにした。

韓国労総も対政府闘争に突入することを宣言した。 韓国労総はこの日、声明を通じて1月25日午後に会員組合の代表者会議および市道地域本部の議長会議を開き、 今後の闘争計画を議論する計画だと明らかにした。 1月29日午後1時、ソウル駅で「二大指針廃棄と労働市場構造改悪阻止のための全国単位労組代表者および常勤幹部決意大会」を開催する。

彼らは「政府のやさしい解雇政策に対抗する対政府闘争に突入する」とし 「法律的な根拠もなく、現場労働者の雇用不安を一層深化させ、 労働者の勤労条件を改悪させる政府の2つの指針を直ちに廃棄することを強く要求する」と声を高めた。 韓国労総は1月19日、9.15労使政合意が政府与党のために紙切れになったとし、 合意の破棄と労使政委への不参加を宣言した。

労働市民社会が反発、アルバイト労組が奇襲デモ
チャン・グレ生かす運動本部、朴槿恵政権の「解雇運動」に突入

▲政府総合庁舎の前で開かれたチャン・グレ生かす運動本部の記者会見[写真/ジョンウン記者]

労働市民社会陣営の反発も続いている。 アルバイト労組の組合員約80人はこの日の午後3時50分頃、 二大指針発表強行による雇用労働部長官の責任などを要求し、 ソウル雇用労働庁1階のソウル雇用センターを奇襲占拠した。 占拠デモは約2時間ほど続き、この過程で組合員59人が連行された。 警察との小競合いで2人が負傷し、救急車で運ばれた。

「チャン・グレ生かす運動本部」も午後3時30分、 ソウル政府庁舎の前で記者会見を行い政府の二大指針の奇襲強行を批判した。 チャン・グレ生かす運動本部の朴錫運(パク・ソグン)共同本部長は、 「政府と李基権長官が指針政治という小細工で法治主義を破壊している。 政府は労働者、庶民、民衆の審判を受けるだろう」と声を高めた。

また彼らは今回の指針が勤労基準法に違反している財閥の態度を正当化するための「財閥政策」だと批判した。 キム・ヘジン政策チーム長は 「大信証券は労組破壊コンサルティング業者の創造コンサルティングを使い、 すでにやさしい解雇のための別途の指針を作っている。 表面的には公正な教育訓練を偽装して、無理な業務を与えて解雇する方式だ。 これを通じて大信証券は100人ほどを低成果者として解雇した」と説明した。

続いて「労働部は、企業は就業規則を非合理的に変更することはないだろうと言っている。 だが現在、ソウル大病院では賃金ピーク制に関して労働者の多数が反対しているのに、 理事会が一方的な就業規則の不利益変更でこれを強行しようとしている。 雇用労働部にこれを提訴したが、まだ処理されていない」とし 「結局、政府の二大指針は財閥の勤基法違反行為を正当化するため」だと指摘した。

一方、チャン・グレ生かす運動本部をはじめとする市民社会団体は、 朴槿恵政権解雇運動をはじめとする労働改悪阻止運動に突入する方針だ。 彼らは記者会見文で 「政府はひたすら財閥大企業のために労働者と青年の一方的な犠牲を強要し、推奨するという破廉恥な態度をやめろ」とし 「今日われわれは、財閥にとっては最高の高成果者、国民にとっては歴代最悪の低成果者である朴槿恵政権の解雇を命令する」と明らかにした。

▲連行されるアルバイト労組の組合員[写真/ジョンウン記者]

▲警察との小競合いでアルバイト労組組合員2人が負傷し救急車で運ばれた。[写真/ジョンウン記者]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-01-22 23:42:08 / Last modified on 2016-01-22 23:42:09 Copyright: Default

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