ハン・サンギュン委員長、逮捕から二日目に拘束確定
民主労総「労働者の正当な権利と闘争閉じた公安裁判」
2015年12月13日(日) ホン・ミリ記者 gommiri@naver.com
▲民主労総のハン・サンギュン委員長(12月10日曹渓寺)。写真=ピョン・ベクソン記者
ハン・サンギュン委員長が逮捕されてから
二日目に拘束が確定した。
ソウル中央地法のキム・ドヒョン令状専門担当部長判事は、
ハン委員長に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を行った後、
「犯罪事実の根拠があり、拘束の理由と必要性が認められる」とし、令状を発行した。
委員長は瑞草区のソウル中央地法で12月12日午後3時30分頃から3時間ほど、
令状実質審査を受けた。
12月11日にソウル中央地検公共刑事捜査部(検事イ・ムナン)は11月14日の1次民衆総決起集会の時に暴力デモを主導したとし、
ハン委員長の拘束令状を請求した。
警察はこれまで問題になっていた「騒擾罪」は、まず拘束令状を発行された後で
集中的に調査するとし、
拘束令状申請の段階ではひとまず除いた。
騒擾罪は多衆が集まって暴行・脅迫または損壊行為をした時に成立する罪で、
1年以上10年以下の懲役にできるとされている。
ハン委員長には、
▲特殊公務執行妨害致傷、
▲特殊公務執行妨害、
▲特殊公用物件損傷、
▲集会禁止場所違反、
▲禁止通告された集会主催、
▲解散命令拒絶、
▲一般交通妨害、
▲主催者遵守事項違反の容疑が適用された。
ハン・サンギュン委員長は、令状実質審査の過程で最終陳述を行い、
「私は民主労総の委員長」とし
「私は80万の組合員と二千万労働者の権利と生存権に責任がある労働者の代表として、
恥じることなく私が担うべき責任と役割があるとすれば、逃げることはない」と明らかにした。
民主労総はこの日声明を発表して
「ハン・サンギュン委員長の拘束は、労働者の正当な権利と闘争を閉じ込めようとする公安裁判」だと規定し
「裁判で真実を明らかにする」とし
「汚名をかぶせるごり押し捜査を中断しろ」と要求した。
ハン・サンギュン委員長令状実質審査最終陳述
裁判長様、警察と言論の一方的な魔女狩り式の世論裁判が今も続いています。
私は曹渓寺を出るにあたり、話しました。
政権は私を暴徒の首魁、破廉恥犯だと罵倒し、1級手配犯人に追い込み、
彼らの殺人鎮圧・公安弾圧から目をそらそうとしていることを法廷で明らかにするといいました。
私は民主労総の歴史で初めての組合員直接選挙制で選出された委員長です。
私は選挙の時から政府が進める労働改悪の方向を見守り、ゼネストをしても防ごうと訴えてきました。
現場は整理解雇、複数労組、非正規職拡大で危機感を感じていたため、誤った政府の政策を防ぐことができる私を選んでくれました。
ご存知でしょうが、国際労働基準は民主労総のような労働者組織が労働者の経済的・社会的地位に関する法案に反対するストライキを不法とは見ていません。
しかし大韓民国では労働者の雇用、賃金、勤労条件などの権利を後退させる法律を作ろうとすることに対してゼネストをするといえば、
裁判所が判断する前に検察は「不法ストライキに厳しく対応」というレッテルを貼り、ストライキそのものを不穏視する悲しい国です。
裁判長様、私は労働法改悪に反対する集会を何回か開催したことで、こうして裁判長様の前に立つことになりました。
私は多くの労働者が自分の権利を主張し、労働悪法に反対する時、
独走する政府を防ぐ力があると信じていますから、
いや、そうするほかはなかったので
「集まって、叫んで、私たちの意向を伝えよう」と言ったのです。
私はセウォル号の真相究明を要求する集会にも参加しました。
セウォル号真相究明のスローガンは、民主労総委員長である前に、ひとりの市民として遺族と共に叫びました。
むしろ民主労総に力があれば、遺族にもっと大きな力になりたかったのですが、
そうすることは出来ませんでした。申し訳ありませんでした。
しかし検察は、反政府闘争のためにセウォル号を利用したと主張しました。
一考の価値もない主張です。
セウォル号を政治的に利用しようとしたという主張自体が政治的です。
こうした主張が法定で通用する国に住んでいるということに、私はとても胸が痛みます。
裁判長様、保守言論は私を対話ができない超剛性民主労総の委員長だと言います。
一度調べてください。
私は労働改悪を政府が一方的に押し通さないことを要求して、大統領と政府に何度も対話を要求しました。
労働部長官、与野代表、使用者代表に生放送でTV討論をしようと提案しましたが、
誰も応じませんでした。
それで私は労働改悪は民主労総だけの問題ではなく、
すべての家庭、全国民的な災難だと路上で叫んでいます。
簡単に解雇ができるようにする指針が発表されれば、民主労総の労働者たちはそれでも最低の防御ぐらいはできますが、
1600万の労働者は事実上、無防備状態で路上に追い出されるでしょう。
また社長が労組や組合の過半数の同意がなくても勝手に就業規則を変えれば、
憲法が保障する労働者の権利はなくなってしまうでしょう。
非正規職の期間を2年から4年に延長し、
派遣労働を無制限に認めれば、大韓民国のどの社長が正規職を採用するでしょうか?
わが国の非正規職の割合は50%を超え、世界最高だといいます。
私は民主労総の委員長です。
私は80万の組合員と二千万の労働者の権利と生存権に責任を持つ労働者代表として、
恥じることなく私が担うべき責任と役割があれば、逃げることはしません。
三権分立の最後の砦である司法府では、公正な目で、開かれた心で、私の話を聞いて下さることと信じ、私は曹渓寺から出ました。
こうした発言の機会をいただいたことにも感謝します。
傾聴してくださり、ありがとうございます。
民主労総委員長ハン・サンギュン
原文(労働と世界)
翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created on 2015-12-13 17:37:00 / Last modified on 2015-12-13 17:37:01 Copyright:
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