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鉄道労組ストライキは何を残したか

民営化反対に国民的支持…懲戒と損賠、現場弾圧の問題残る

ペク・イルジャ記者 2013.12.31 08:56

22日間の鉄道労組のストライキは、国会国土交通委傘下に鉄道産業発展小委員会を構成することにして撤回された。労組は核心要求の民営化を撤回することができず、「民営化防止の議論のために」要求した鉄道小委は「構成」だけされる。懲戒と告訴告発、損害賠償請求、指導部に対する逮捕令状なども解決していない。政府とコレイルは、あれほど望んでいたKTX子会社の設立と労組のストライキ撤回宣言まで追い詰めた。

それでも、政府とコレイルはただ笑ってばかりはいられない。民営化を進める 政府への国民の視線もいつの時より冷たく、民営化阻止で始まった鉄道労組の ストライキは、労働界全体の政権退陣闘争に発展したためだ。物凄い組織力を 見せて最長期のストライキを死守した鉄道労組の今回のストライキが、労組に 残した成果と課題は何だろうか。

民営化反対の国民世論、鉄道ストライキ支持

鉄道労働者たちの最長期ストライキは「民営化反対」という国民世論を得た。 水西発KTX株式会社は12月28日に免許を受けたものの、鉄道労組のストライキで 「民営化はいけない」という世論と共感は、全国で沸き立った。ストライキ中、 全国の駅で民営化に反対して、鉄道労組のストを支持する1人デモとキャンドル 文化祭が進められ、各大学では「みなさんお元気ですか」壁新聞がブームになった。

鉄道労組は今回のストライキの成果について「鉄道をはじめとする韓国社会の 公共財を民営化するなという全国民的な合意がなされた」とし「政府の一方的 な政策の樹立と執行という後進的な慣行を打破し、公共政策の樹立において 「社会的対話と合意」を優先する新しい転機ができた」と説明した。

鉄道労組の評価について、労働界は全般的に肯定的な雰囲気だ。労働界では、 鉄道労組のストライキが何よりも民営化反対の社会的共感を形成し、強硬一辺倒の 政府の労働政策にブレーキをかけたと評価している。

実際、いつも50%以上の支持を得てきた朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率は 12月22日に鉄道労組の指導部を逮捕するとして強行された警察の民主労総侵奪 の後に大幅に下がった。世論調査専門機関リアルメーターが23日から27日まで、 全国19歳以上の有権者2000人を対象に実施した世論調査結果によれば、朴大統領 の就任44週目の国政遂行支持率は2週連続で下がり48.5%を記録した。否定的 評価は44.5%だった。最近の韓国ギャラップの世論調査の結果でも支持政党がないと 答えた無党派の大統領職務遂行評価は、よくやっている33%、よくやっていいない 49%だった。

政府の無理な方法、労働界が政権退陣闘争を宣言

鉄道労組はストライキに突入する前から合法的な闘争のために努力してきた。 法による争議行為手順を踏み、必須公益業務人員をストライキから排除した。 だが政府とコレイルは、ストライキが始まるとすぐ「政府の政策に反対する ストライキは政治ストライキであり不法」と規定し、懲戒と告訴告発を乱発した。

結局、12月22日に鉄道労組指導部を逮捕するとして、民主労総を侵奪し、28日 夜には機関士組合員が集まっているある春川のあるペンションに警察とコレイル の関係者が行って、連行するとし、復帰を勧めるという事態もあった。さらに、 国土交通部は28日、鉄道などの必須共益事業場でストライキが起き長期化した場合、 ストライキの単純参加者も職権免職する立法を検討すると明らかにした。

鉄道労組への弾圧と、過度な公権力行使という政府の無理な方法は、労働界を 朴槿恵政権退陣闘争に動かした。28日の民主労総のゼネストには10万の労働者 市民が市庁広場に集まった。民主労総は、鉄道労組の現場復帰とは無関係に、 1月末までゼネスト闘争は続けるという意思を30日に明らかにした。民主労総 中央執行委員会は「朴槿恵退陣、民営化阻止、労働弾圧粉砕ゼネラル・ストライキ」 闘争基調を中心として、1月9日と16日に2派、3派ゼネストに突入した後、2月25日 国民ゼネストをすることに決めた。

[出処:鉄道労組]

政界がストライキ撤回宣言、懲戒と損賠問題が残る

今回の鉄道労組のストライキ撤回は、与野政界が鉄道小委の構成に合意したことで 実現した。30日午前、民主党は鉄道小委を構成し、鉄道労組がストライキを 撤回すると発表した。労組のストライキ撤回を野党が宣言したのだ。これにより、 鉄道組合員はもちろん、労働界は混乱に陥った。鉄道労組との合意があっても、 まだコレイル側との実務交渉が残されている状況で、こうした政界の動きは 鉄道労組を懲戒と巨額の損害賠償にそのまま露出させてしまった。

国土部の徐昇煥(ソ・ソンファン)長官は12月30日国会法司委全体会議に出席し 「懲戒問題は別に考えなければならない。法と原則によって処理するべきだ」 と話した。コレイルも報道資料を出し「合意の過程に事前の意見調整や別途の 合意はなかった」と強調した。コレイルは、労組幹部490人を解雇などで重懲戒 するという既存の立場を固守しており、労組に対してまず77億ウォンの損害賠償 請求訴訟を提起した。116億ウォン相当の鉄道労組預金と債権、不動産などへの 仮差押えも申請した。

鉄道労組の関係者は「以前のストライキでも、現場復帰後に懲戒と解雇で労組 が強い弾圧を受けたので…懲戒と損賠問題を解決できずに合意したことに 組合員は恐れている」とし「今後の現場闘争が重要な問題になるので、労働界と 市民社会団体との連帯を持続しなければならない」と伝えた。

労働界の一部では、国会小委員会構成だけでストライキを整理したことは、 「民営化反対」という鉄道労組の要求から見るとかなり不十分だと評価している。 合意案では28日に労組が提示した「免許発給中断」という譲歩案も受け入れられ なかったためだ。

与野は30日の国土委全体会議で、与野党の議員4人ずつ参加する8人の鉄道小委 を構成することに全員一致で議決したが、議論の枠組みに合意しただけで議題 については大きな立場の差を見せている。小委員会では鉄道運営体系改編方案 を含む鉄道産業発展方向、民営化防止策などをめぐり激しい論争が予想される。 鉄道労組は小委員会の性格を「民営化反対小委員会」と規定している。野党は 鉄道産業民営化防止条項の法制化を要求し続ける計画だが、政府・与党は韓米 自由貿易協定(FTA)違反だとし「民営化禁止法案の議論はしない」と明確に線を 引いた。

ストライキ撤回決定、民主労組の運営原理は守られたか

鉄道労組は通常、暫定合意案によって現場復帰した後に組合員総会を開き、 合意案が否決されれば執行部が辞任した。しかし組合員たちと共にストライキの 中断を決めずに一方的に与野と労組が3者合意をしたことに対しては批判もある。

ある組合員は鉄道労組のホームページに「セヌリ党が委員長の鉄道小委に何が できるのか」とし「指導部が勝手にストライキ撤回を決めることはできない。 闘争を続けなければならない」という抗議文を載せた。

労働社会団体でも声明で「重大なストライキ中断の決定を組合員の賛否を問わず 委員長が決めたのは、民主労組の運営に背く」、「ストライキ中断を組合員と 共に決めず、一方的に3者合意をしたのは大きな問題であり、特に与野が鉄道 ストライキの中断の発表を放置したのは、22日間のストライキ闘争の精神を 傷つけた」という批判的立場も見せた。

今後の組合員総会で、今回のストライキ撤回決定についてストライキに参加した 労働者たちがどんな評価をするかも見守るべき部分だ。

鉄道労組のストライキは終わったが、政府と労組とも、解決すべき課題を残した。 労組は核心的な要求だった民営化阻止を今のところ防ぐことはできていないが、 「鉄道を民営化してはいけない」という国民的共感ははっきりと勝ち取った。 政府は意地になってKTX子会社設立を進め、労組のストライキを撤回させたが、 大統領の任期1年目で最大の危機をむかえることになった。事実上、民営化の第2 ラウンドは、労組の現場復帰と与党野党合意で作られた鉄道小委が始まる これからだ。政府の一方通行でストライキ撤回を宣言せざるを得なかった 鉄道労組と鉄道労組のストライキを応援した民心の今後の闘争が注目される。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-31 10:18:09 / Last modified on 2013-12-31 10:18:11 Copyright: Default

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