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韓国:不法に侵奪した当局、正当防衛権無視で議論
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不法に侵奪した当局、正当防衛権無視で議論

検察が主張する容疑は成立せず、正当防衛なのに無理に起訴?

チェ・デヒョン記者 2013.12.27 11:22

民主労総侵奪を阻止したことを理由として全教組委員長に対する拘束令状を請求し、棄却された検察が、結局全教組委員長を法廷に立たせるのかどうかに関心が集まっている。

12月26日、民主労総と全教組によれば、検察は22日の警察による民主労総侵奪 を阻止する過程で連行した138人全員を起訴する方針をたてたという。民主労総 のユ・ギス書記局長は「検察が連行した全員を起訴するという話を聞いた」とし 「不法に乱入した警察を起訴するべきなのに、おかしい」と明らかにした。

検察のある関係者はこの日の裁判所の拘束令状棄却について、ある総編TVとの インタビューで「裁判所が容疑の成立を問題にしているが、それは起訴の後に 法廷で争う内容」と話し、起訴の可能性を確認した。そうなれば、ソウル中央 地方検察庁公安2部が拘束令状まで請求したキム・ジョンフン全教組委員長が 真っ先に法廷に立つ可能性が高い。

▲全教組は12月26日午後、ソウル市の西大門警察庁の前でキム・ジョンフン委員長(左から2人目)の起訴中断を要求する決意大会を開いた。(c)チェ・デヒョン[出処:教育希望]

しかし警察の民主労総侵奪は、押収捜索令状もなく逮捕令状だけで行われた 適法ではない公務執行で、検察が主張する特殊公務執行妨害容疑自体が成立 しないという意見が支配的だ。大法院の判例も適法ではない令状執行を防ぐ行為は 公務執行妨害とは言えないと判示している。ソウル中央地方法院がこの日の午前 12時30分頃、拘束令状を請求するにあたり「法罪容疑の成立に関して争われる 余地がある」とした理由だ。

その上、警察が玄関のガラス扉を粉々に割り、ガラス片が降り注ぐ状況での 正当防衛だと全教組は主張した。

キム・ジョンフン委員長は当時の状況について教育希望に対して「警察が強化 ガラスを割って入った時は、からだがガラスと密着していて恐ろしかった。 全身に降り注ぐガラス片で、警察も組合員も関係なく皆が危険だと思った」とし 「私が押されれば私の後のガラス扉がまた割られ、多くの人が怪我をすることを 恐れた」と打ち明けた。

当時、キム委員長と同じ空間で侵奪を阻止していた民主労総のある組合員も 「恐ろしい状況」を説明した。この組合員は「警察が消防に玄関のガラスを 割らせた時、誰か一人は死ぬと思った。中からたくさん人がいる、やめろと 叫んだ。恐ろしかった」とし「そして、警察が押し込んで来たが、何の装備もなく 素手で防ぎ、防御しなければならなかった」と話した。

別の民主労総組合員も「玄関のガラス扉が粉々に割れ、全教組委員長など産別 労組の委員長に降り注いだのでひやっとした。委員長が大怪我をしなかったのは 幸いだと考える」と説明した。

刑法では、21条に自分に対する不当な侵害を防衛するための行為の正当防衛は 相当な理由がある時は罰しないと明示されている。不安な状況で恐怖や驚き、 狼狽により、正当防衛行為がその程度を越えても罪にならないと釘をさした。

▲26日、キム・ジョンフン委員長起訴中断要求決意大会で全教組組合員が警察庁にコーヒーミックスを渡している。警察が22日、民主労総を侵奪する過程でコーヒーミックスを持ち出したことの風刺だ。(c)チェ・デヒョン[出処:教育希望]

こうした理由で、検察は無理な起訴をするなという意見が増えている。全教組 はこの日の午後、ソウル市の西大門警察庁の前で決意大会を開き、キム委員長 の起訴即刻中断を要求した。チョ・ナムギュ全教組ソウル支部長は「いい加減な 情報で乱入し、罪をかぶせて拘束令状を申請した警察は、全く反省がない。 権力の走狗であるイ・ソンハン警察庁長官は今すぐ辞任しろ」と声を高めた。

キム委員長は「労働者の心臓である民主労総が踏みにじられるのに、じっとし ていることは子供たちの未来に沈黙すること」とし「拘束されずに戻ったので、 さらに熱心に闘争する」と明らかにした。

決意大会に参加した50余人の組合員は「裁判所が確認した民主労総の不法侵奪 に合わせて起訴の計画を中断しろ」と要求した。裁判所の審判を求める起訴の 権限を持つ検察は、当時の状況などを総合して起訴しなくても良いと判断すれば 起訴猶予処分ができる。(記事提携=教育希望)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-27 17:40:57 / Last modified on 2013-12-27 17:40:58 Copyright: Default

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