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韓国:韓進重労組幹部が自殺、会社は工場正門を封鎖
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韓進重使用者側、工場正門を溶接して封鎖...労組「チェ・ガンソ烈士の意を敬おう」

[総合]哀悼の行列続く...毎日韓進重正門前で集会開催

釜山=チョン・ヨンギル記者 2012.12.21 15:41

[総合]韓進重、正門を溶接して封鎖...「チェ・ガンソ烈士の意を敬おう」
故人を哀悼する行列が続く...毎日韓進重の正門前で集会開催へ

12月21日午後7時30分、故チェ・ガンソ烈士の死で、無期休業と労組弾圧中断を 要求する労働者、市民約400人が釜山影島韓進重造船所の前に集まった。その頃、 固く閉じられた韓進重正門の内側では、会社の指示で出入口を封鎖する溶接が 続けられていた。

半日降り続いた雨が少しやみ、金属労組韓進重工業支会の組合員と、支援に 駆け付けた労働者、市民が増え始めた。

▲チャ・ヘド金属労組韓進重工業支会長

チャ・ヘド韓進重工業支会長は「民主労組をする奴の芽を摘むという趙南鎬 (チョ・ナモ)と3年戦った。そんな趙南鎬との戦いはとても苦しかったようだ。 黙々と誤った社会を変えようということがそれほど大きな罪なのか。結局チェ・ ガンソ烈士は冷たい死で私たちの前に現れた」とし「35年の労働者生活の挫折 を烈士の前に恥じないように堂々とした闘争にしよう」と訴えた。

統合進歩党のイ・ヘソン最高委員は「まず謝罪の言葉を差し上げる。李正姫(イ・ ジョンヒ)候補が朴槿恵(パク・クネ)を落とすと言ったが維新独裁のファースト レディが当選した」とし「どれほどの苦しみの中で、まだ三十五歳のチェ・ガ ンソ同志が命を失ったのだろうか」と話した。

チョン・ウィホン前民主労総首席副委員長は「小さな子供の前でどれほど悩ん だのだろう。民主労総役員のひとりとしてとても申し訳ない」とし「民主労総 が団結も連帯もできなかった結果だ。一日も早く団結し、連帯しよう」と話した。

集会を終えた労働者たちは正門の鉄格子を壊そうとした。だが鉄格子は固く閉 じられていた。鉄格子の向こう側の封鎖された正門内側には、会社側の管理者 数十人が立っていた。

▲パク・ソンホ韓進重工業支会主席副支会長は固く閉じられた韓進重工業正門をつかみ「私たちが血の汗で作った会社だ。経営する自信がなければ趙南鎬が出て行けばいい。なぜ私たちを殺すのか」と叫んだ。

これに韓進重工業支会のパク・ソンホ主席副支会長は「大統領選挙で朴槿恵が 当選してからガンソに一度も会っていない。今朝、企業労組が宣伝ビラ配って いるのをガンソが見た。われわれは勇気が無くて死ぬこともできなかった」と し、「私たちが豊かに暮らそうとしたのではなく、会社を生かそうとした。死 ぬことができなくても、同志の意を集めて共に戦おう」と大声で叫んだ。

統合進歩党も「故人の冥福を祈る」と論評し、「出勤二日後に無期限休業発令 を出し、労組に対する訴訟も取り下げなかった。それなのに韓進重工業側は 「使用者側の労働弾圧が死に追い込んだというのは言いがかり」という妄言を 吐いた。韓進重工業使用者側は許されない言動は慎め」と明らかにした。

民主労総釜山本部、金属労組釜山梁山支部、韓進重工業支会で構成されたチェ・ ガンソ烈士闘争対策委員会は、明日(12月22日)から毎日午後7時30分に集会を開 く計画だ。対策委関係者は「民主労総をはじめ、地域の宗教団体、社会団体な ど、幅広い対策委を構成し、強い闘争を展開する」と明らかにした。現在遺族 と対策委が今後の葬儀手続きと闘争の日程を議論している。

なお、遺体安置所が用意された釜山影島区民葬儀場は故人を哀悼する弔問客の 列が続いている。

[3信18:00]朴槿恵当選二日後に烈士政局、チェ・ガンソ烈士対策委を結成
固く閉じられた韓進重工業正門...「ガンソを生き返らせろ」

故チェ・ガンソ金属労組韓進重工業支会組織次長の自殺の理由は、会社の労組 弾圧と復職後の無期休業のためという遺書が明らかになったことで、民主労総 と金属労組は『民主労組死守、損賠158億撤回、社会的他殺、強制整理解雇と強制 無期限休業が呼んだ韓進重工業チェ・ガンソ烈士闘争対策委員会(烈士対策委)』 を構成して闘争を始めた。

12月21日午前、首を吊って死亡した故チェ・ガンソ烈士は、家族に残した2枚の 自筆遺書と携帯電話のメモ帳に残した遺書で「158億ウォンの損害賠償と労組弾圧 に耐えられない」と残した。

韓進重工業は2011年の整理解雇で社会的問題になった所だ。キム・ジンスク氏 が85クレーンに上がって309日間の高空籠城を行い、国会聴聞会で趙南鎬会長が 勧告を受け、整理解雇者を1年後に再雇用する条件で労使が合意した。1年後に 92人の整理解雇者が復帰したが、復帰するとすぐ強制休業になり、仕事の不足 で600人ほどの労働者が長期休業中だ。

また、会社は金属労組韓進重工業支会に158億ウォン損害賠償請求訴訟を進めて いる。そのため労組は198日間、韓進重工業正門前でテント座り込みを行なって いる。

烈士対策委は21日午後4時30分、釜山影島韓進重工業造船所の前で記者会見を行 い「烈士の死を無駄にしないように、私たちの手で整理解雇制を撤廃しよう」 と強調した。遺族は金属労組韓進重工業支会と議論した結果、すべての対策を 金属労組韓進重工業支会に委任することにした。

チャ・ヘド金属労組韓進重工業支会長は「会社は労働組合が運営する消費組合 の営業を強制的に閉鎖し、支会の事務室を12月26日までに工場の外で移転する よう要求していた」とし「これは金属労組を無力化する意図」だと最近の状況 を説明した。

記者会見に参加した故人の弟は「必ず勝って汚い世の中を清潔な世の中に変え てほしい。兄の死がただ無駄にならないようにしてほしい」と頼んだ。

労組員たちは「チェ・ガンソを生き返らせろ」と会社の門を叩いたが、 韓進重工業の正門は固く閉じられていた。

パク・ソンホ韓進重工業主席副支会長は「もう四人も死んだ。こうして監獄の ように門を固く閉じていれば労働者が生き残るのか」と訴えた。

続いてパク副支会長は「ガンソは大統領選挙の後で虚しいといっていた。だが 責任は民主党にもある。共に闘争していればガンソは死ななかった」とし、 「この闘争は長くなるだろうが、必ず勝利しなければならない。チェ・ガンソ を生き返らせ、民主労組を死守しよう」と話した。

一方、烈士対策委は21日午後7時30分、韓進重工業正門前で集会を開いて葬儀場 に移動する。現在、故人の葬儀場は釜山影島区テギョ洞区民葬儀場に用意されて いる。

故チェ・ガンソ烈士略歴

チェ・ガンソ(金属労組韓進重工業支会組織次長)
生年月日- 78年7月20日生
会社入社日- 2001年6月6日
整理解雇- 2011年2月14日
再雇用- 2012年11月9日
家族関係-両親、夫人と2人の男の子

[2信16:20]韓進重、故人追加遺書...「朴槿恵が大統領になってまた5年を...」

▲故チェ・ガンソ韓進重支会組織次長が携帯電話に残した遺書

故チェ・ガンソ韓進重工業支会組織次長の遺書が追加で公開された。故人が残 した遺書は12月20日午後7時に携帯電話メモ帳に記録されたものだ。『遺書』と いう題名の文は、「私は会社を憎む。資本、いや持てる者の横暴に負けた」と いう言葉で始まる。

故人は「民主労組を死守しろ、損害賠償を撤回しろ。生まれて見たこともない 158億を死ねとばかりに押し出す悪質韓進資本...」と書き残し、先立って自筆 で残した遺書でも言及した158億ウォンの損害賠償の不当性を強調した。

故人は「朴槿恵が大統領になってまた5年を...やっていられない」と書き残し、 18代大統領選挙の結果も影響したと見られる。続いて「支会に戻って下さい。 仲間たち、今まで苦労して守った民主労組です。必ず戻って、勝利して下さい。 金が全ての世の中になくて、さらに大変だ」として支会を脱退して企業労組 を設立した同僚たちにも要請を残した。

次は故人が残した遺書の全文だ。

私は会社を憎む。資本、いや金持ちの横暴に負けた。どうすればいいのか、わ からない。心臓が張り裂けそうだ。私が貧しいことが恨めしい。民主労組死守 しろ、損害賠償撤回しろ。生まれて見たこともない158億を死ねとばかりに押し 出す韓進悪質資本。朴槿恵が大統領になってまた5年を...やっていられない。 支会に戻って下さい。仲間たち、今まで苦労して守った民主労組です。必ず戻っ て、勝利して下さい。金が全ての世の中に、金がなければさらに苦しい。

[1信:15:00]韓進重労働者の遺書、「158億の損害賠償は死んでも忘れない」
韓進重支会「会社損賠金額を増額...フィリピンで受注しても休職措置」

▲故チェ・ガンソ組合員の遺書

12月21日、整理解雇、復職問題の対立で自ら命を絶った金属労組韓進重工業支会の チェ・ガンソ組織次長の死が、会社による158億ウォンの損害賠償請求と民主労組 弾圧のためであることが明らかになった。

韓進重工業支会のチェ・ガンソ組織次長は21日午前8時40分頃、労組会議室非常 脱出用消防機構にスカーフで首を吊っているのが発見された。支会の関係者が 近くの影島ヘドン病院に緊急搬送し、心肺蘇生術を試みたが、午前9時41分頃に 死亡した。現在、故人は釜山市影島区区民葬儀場に安置されている。

11月9日、故人を含む整理解雇労働者92人は、1年9か月ぶりに復職した。だが、 復帰後も物量がないという理由ですぐ休職することになった。その上、昨年に 合意した時、使用者側は「損害賠償金額を最小化する」としたが、50億ウォン 程度の規模だった損害賠償請求金額が、現在では158億ウォンにまで増えた。

そのため労組幹部として働いていたチェ氏も長期間の労組弾圧と損害賠償請求 で大きな負担を感じていた。故人は遺書に「悲しいです。何でもないことです が、死ぬことよりも心がもっと痛みます。民主労組死守、158億...死んでも忘 れない」と書き残した。

韓進重工業支会は会社正常化と民主労組死守のために、6月7日から198日間、 釜山の影島造船所の前でテント座り込みを進めている。

韓進重工業支会の関係者は「昨年11月に合意した時、個人的な訴訟はすべて取 り下げた。会社による業務妨害など、整理解雇事態の時の損害賠償請求だ。 50億程度の金額が現在は158億にまで増え、訴訟が続いている」と伝えた。

この関係者は「受注がないと言うが、この前フィリピンのスービック工場は、 また受注を受けた。現在、軍艦と特殊業務で250人ほどが操業している。これは 全員第2労組の組合員」とし「使用者側の民主労組弾圧で人が死ぬに至った」と 話した。

チェ氏の遺族は故人の葬儀手続きなどすべてを韓進重工業支会に委任した。会 社側の関係者が葬儀場を訪れたが、遺族と組合員に追い出されたと知らされた。

一方、韓進重工業支会と民主労総釜山本部、市民社会団体は故人の死に関する 対応を論議している。(記事提携=ニュースミン)

▲故人が安置されている釜山影島区民葬儀場4階

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-12-23 01:22:05 / Last modified on 2012-12-23 01:22:05 Copyright: Default

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