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MBC記者、「やむにやまれず放送記者がマイクを置いた」

[インタビュー]ストライキ中のMBC報道局社会部記者

ウ・ヨンヘ(京畿)記者 2012.02.09 12:56

言論労組MBC(MBC)本部ソウル支部(以下MBC労組)が、不公正放送を理由として 『MBC、国民の中に帰ります』とし、無期限全面ストを続けている。

社会の懸案を追いかけ、社会を投影して社会構成員との対話を担当する記者が マイクとカメラを置いて編集室から飛び出した。彼らは毎日ソウル市内の各地 で『MBC、国民の中に帰ります』と飛び回っている。

彼らがマイクを置いて路上に出させた切迫な事情は何か。そして彼らが望む MBCの変化の実体は何か。MBCニュースデスクは、放送の混乱が続くことに対し、 どんな感情を持っているのだろうか。こうした疑問を持ってMBC本館に向かい、 報道局の社会部記者と会って話をした。

MBCストライキ理由『ご覧の通り』

チョ・ウィミョンMBC報道局社会部記者(31歳)は、MBCのストライキ理由につい ての質問に「国民の皆様がご覧の通り、と言えます」と話を始めた。

MBCは、李明博政権就任以後、多くの内紛を体験してきた。もちろん政府の指向 が変わり、言論政策もまた変わった。『言論の役割』と『自由』問題は、その 主体ごとに提起されてきたのは事実だ。だが2008年キム・ジェチョルMBC社長の 選任とKBS社長の選任は社会世論から『言論掌握』、『天下り人事』という批判 の荒波の中に、MBCはもちろんKBS、YTNが落ち込んでいった。

チョ・ウィミョン記者は2008年に入社し、この荒波のまん中でマイクを持った。 そして彼は今まで五回マイクを置いてストライキに参加した。彼がこのように マイクを置くことになった理由は何だろうか。

チョ記者は、MBC労組が明洞芸術劇場の前で行なった『公営放送MBC』の路祭に 参加して発言した。彼は社会の構成員がMBCを『演芸MBC』と表現するのを残念 がって、『もうMBCは死んだ』と変化を願っていた。そして彼はMBCのこうした 信頼の喪失は、内部の崩壊から始まったと指摘する。

「構成員内部に膿がたまりつつあったし、自浄努力がとても露骨に失われまし た。例えば報道局が本部長の不信任と自浄の代案を出せと言った時、その返事 が記者会長を懲戒するという1行の通知だったら、それは戦おうということだと 解釈すべきでしょう」。

ヒラ記者の公正報道監視機構である民主放送実践委員会は持続的に不公正放送 を指摘してきた。だがこうした内部の努力は編集権という権限の下に黙認され、 結局MBCの自浄努力は限界にあたった。

「政府に対する批判報道がどのような方法で縮小されのたかという疑惑があり ます。また事案の不公正さ。例えば数千数万人が道路に出て集会をするのは 『毎日不法デモを中継放送する理由があるか』と言って編集審議の過程で記事 を削除したり、朝から抜いてしまったりします。ある保守集会は、参加人員も 書き、社会的にどんな反響を呼んだかの考察を取材記者がせず、上からの指示 で二日連続で放送しました。こうして20人の声はニュースデスクで耳を傾けて も、数千人の声は実際には出てこない状況が演出されました。別の見方をすれ ば、どの線で記事を植えた(入れた)というのは密かに出てくるので、一線の 記者にはわかりません。

だが、わからないはずがないのは、その記事の結果がある意味、資料でしょう。 こうした資料の中から『あれ、おかしいぞ』という疑いが出てこなければなり ません。ニュースを作る人も分かりますが、視聴者にも分かりますよね。その 視聴者の反応(信頼度の低下)の体感温度. こうした総合的な状況がMBCが壊れた と断定する状況まできたわけです」。

▲明洞芸術劇場前の路祭に参加したチョ・ウィミョン記者

死んだMBC、社会と相互作用して、国民の中に

MBC組合員は『キム・ジェチョル社長退陣』を主な要求としてストライキをして いる。だが、チョ記者は社長退陣は、MBCを生かす始まりだと強調する。彼は 『国民の中に返します』というスローガンには、まさに『記事は社会構成員と の相互作用』が必要だと指摘する。こうなるためには今の編集構造を全面的に 取り替えなければならないということだ。

では現編集構造はどう構成されているのか?

「デスクは記事が出る前に検証する権利があるということは認めます。斜めか らの視線でもう一度見る義務、それを否定しませんよ。しかし、それなら取材 記者には取材記者としての権限がなければならないではありませんか。しかし 現実はそうではありません。公正な状況を作って戦わせるべきですが、今は戦 いになりません。

例えば記事の順序を入れ替えると、編集局は局長の権限を侵害するなと言いま す。内谷洞の私邸記事より先に芸能ニュースが出てくることを不公正と思っても 問題提起ができません。それは(ニュースの配置は)彼らの権限ですから」

チョ記者は編集権者に権限が過度に集中していることを指摘する。これにより 一線の記者は編集権の美名の下に振り回されることになる。だがチョ記者は、 それでも編集そのものを否定しない。むしろ彼は取材記者の取材権が保障され、 記事が社会と相互作用する編集を強調する。

「取材記者が望む記事を望む場所に植えて(編成して)くれというのは、それだ けではありません。そんな話がどれほど危険なことかは分かります。記事が出 て行くということは、記者がどんな波紋を起こすのか初めからわかっていて書 くのではないのです。

その意味で、デスク(編集)は必要です。内的な検閲が必要で、それについて激 しく論争し、これが話題になるのか、どんな波紋を呼ぶのか、そして国民に必 要な情報があるのかなどの論理と、取材の結果、そして社会的な関係網が相互 作用を通じて積もり、結果として記事が出て行くのです。それでも、こうした 過程を100パーセント稼動させても、記事で事故がおきます。こうした過程も ない今は、さらに話になりません。こうして互いが互いを検証できる編集構造 にしなければならないと思います」。

社会の争点から退かないMBCニュースを作る

チョ記者は青瓦台のイ・ドングァン言論特別補佐官が「言論の自由にはそれなりの 責任が伴う」と言ったことに、すでにMBC労組はストライキで答えていると話した。

「ある事案、問題についての論争を報道するのが記者です。この社会が直面す る争点が何か、これに深い代案を提出できなくても、今この社会会は「これに ついて話しています」と話す、そこから退いてはいけないと思います。そこか らが始まりだと思います」と話す。

彼は今のストライキは長期すると予想し、ニュースデスクが縮小運営されるこ とについて「つらい」と心情を吐露する。

「放送屋にとってはペンを置くことは、私が作り、私が好きで、私が愛してい る番組を壊している、というのは一日一日が本当に苦しいです。今はニュース が今日は『7分放送があった』 『8分放送があった』という言葉に気が狂いそう です。本当に毎日毎日体験しています」。

彼は早くストライキを終わらせてマイクを掴みたくないかという質問に対し、 心配を解いて変わった姿を見せることに努力すると約束した。

「Eメールが溜まっていますが、とても読めません。記者はどんな問題も解決で きません。その代わりにその内容をしっかり見せたい心が切実です。またマイ クを持てば、市民から『全く変わらない』という話を聞けば、本当に怖いこと です」。

彼は『希望の歩み』のようなMBC記者を切実に待つ闘争事業場の人々に申し訳な い気持ちを伝え、復帰して現場で連帯すると約束した。

「私が今報道をしなければならないのに、観客になっているから。私がこれに ついて何か役に立つかも知れませんが、報道するのが記者としての使命です。 だがどんな理由であれ私がMBCなら、個人的な問題で放棄しているのです。 35分のニュースの時も扱わなかったが、今はさらにひどい。

事実そうしたことをすっきり報道できない私を作れないのも、私の責任だと思 います。ですからさらに申し訳なく思います。がんばって下さい。いつか席に 戻り、そこで連帯できる日がくるでしょう」

チョ記者は最後にストライキに参加する他の同僚組合員に「互いの差を尊重し、 MBCらしく激しく行こう」とし、「単に社長を引き下ろすだけではなく、MBCが 本来の位置に戻る闘争であることを忘れず、互いを大きくして行こう」と要請 した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-02-10 01:53:38 / Last modified on 2012-02-10 01:53:41 Copyright: Default

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