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韓国:われわれはふくろうではない(2) 若い労働者の急死 | ||||||
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二人の子供がいた若い労働者の急死[連続寄稿]われわれはふくろうではない(2)
キム・イナ(産業医学専門医) 2011.08.11 01:19
明け方の冷たい空気を破り、電話のベルが鳴った。地域の金属労働組合のある 幹部からの電話だった。『こんなに早い電話は珍しい...』と思いながら電話を 受けた。若干の不安が眠気を追い出した。朝から悪いと挨拶した彼は、ユソン 企業嶺東工場で人が死んだといった。2007年11月の事だった。 ![]() 夜明けに寝て発見され、病院に到着する前に死亡したという。これをどうすれ ばいいのかと尋ねる。瞬間戸惑った。満27歳。私よりも幼い労働者であった。 すでに結婚して夫人もいて、子供も二人もいるという。二番目はもうすぐ満一 歳だという。お母さんを見守って暮らす優しい友人だという。心の片隅がびくっ とした。 戸惑う気持とは別に考えた。若い男性の急死。一番よくある原因は、急性心筋 梗塞だが、原因未詳で迷宮に陥りそうだった。とにかく遺族の世話をしろといっ た。とても精神的衝撃が大きい彼女を受け止め、この事態をうまく切り抜けら れるように周辺の人が助けなければならないからだ。そして解剖検査ができる ように準備をしろといった。死因未詳になってしうと、この事件も迷宮に陥る る可能性が高かった。とにかくまずそれをしろといってまた通話しようと言い、 電話を切った。 交代勤務はそうではない場合より、心血管系疾患発生の危険が40%増加、 いくつかの研究結果が頭をかすめた。 死亡した労働者は労災患者だった。足首の負傷で労災療養をして復帰したが、 足首が不十分な状態で働いたので膝が痛んだ。勤労福祉公団に再療養申請をし たが拒絶され、働かざるを得なかった。この時、その部署に別の災害者が出て、 4人がしていた仕事を3人がしなければならなかった。延長勤務、夜間勤務そし て休日勤務まで、つらい時間が続いた。不十分な膝で働いた労働者は脱毛症と 疲労を訴えて死亡した。この事件を契機に労働組合は一週間の最大残業時間を 制限し始めた。こうして働いていては本当に死んでしまうからだ。 そうして何人かがまた死んだ。憂鬱症だとも突然死だとも、脳出血だとも言う。 ユソン企業の労働者がこの暑さと暴雨の中でも工場前を離れないのは、恐らく 亡くなった方への申し訳ない思いのためかもしれない。残業と特別勤務をして、 ただ中学生の息子の塾の費用を稼ぐとか、大学に通う子供の学費のために会社 に通い続けなければならないとか、この機械を触ることしかできないからとか、 古い機械の調子が悪くなってもこれまでの経験で解決できるとか、砂が飛ぶ工 場で水一杯飲んで笑ったり、やさしい目の労働者が道に座りこんだ理由だ。 ![]() ただ機械ではないので人間らしく生きたいと言う。仕事で構わなかった家族に 人間としてすることをして、回りも振り返り、そうして暮らしたいと言う。砂 と鉄粉がぱらぱら飛ぶ作業場でうとうととするのではなく、居心地のいい家で 眠りたいと言う。彼らが暴徒になった。いや、暴徒にさせられた。 そんな純真な要求は握りつぶされ、用役を動員して車で脅し、警官が彼らを引 きずり出した。少しは人間らしく生きたいという彼らが工場から追い出された。 帰ると言っても受け入れられない。高血圧の支会長がハンストをして、ひどい 糖尿の年齢なのに、労働者はこの前死んだ同僚を考えてハンストした。工場の 前にビニールハウスを借りてがんばっている。みんなが自分の責任ではないと いうので、がんばるしか方法がない。『まともに暮らそう』という労働者たち の叫びが、暴雨と暑さの中をぐるぐると回っている。 自動車より人が重要だと習った。人命が一番重要だと習った。一日に何千台も 作られ、数か月でデザインが変わる車より、それを作る人のほうが重要ではな いのか? ただユソン企業の労働者たちが暮らせれば良い。智異山を降りてサー ビスエリアで偶然会った時、家で作ったと言って大きな梨を新聞紙で包んでく れた、笑いが明るくて優しい目の嶺東工場事務長をしているあの労働者が幸せ に、楽に暮らしてほしい。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2011-08-14 04:12:52 / Last modified on 2011-08-14 04:12:57 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |