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韓国:双竜車、地労委で大量解雇責任攻防
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双竜車、地労委で大量解雇責任攻防

[メディア忠清]会社側、「本当に技術が流出するとは思わなかった」

チェ・ホチョル記者/ 2010年03月03日12時00分

3月2日午後2時、京畿地方労働委員会(以下京畿地労委)は、金属労組双竜車支部 に所属する解雇者が去年9月に申請した双竜自動車不当解雇および不当労働行為 救済申請事件に対する1次審問会議を開いた。2700人の大量解雇につながった双 竜自動車不良問題の責任の攻防が労使双方で熱く行われた。審問会議の前に、 拘束者の参加保障と審問延期をめぐり京畿地労委側と双竜車支部役員の間で 小さな衝突もあった。

▲審問会議前、拘束者参加保障と審問延期をめぐり京畿地労委側と双竜車支部役員の間に小競合があった。[出処:メディア忠清]

今回の審問会議の争点は、大きく2つに分けられる。最初は双竜車労働者の大量 解雇が経営陣の解雇回避の努力にもかかわらず、経営上不可避な問題だったか ということだ。これは双竜車不良事態の責任がどこにあるのかと相対している。 合理的に会社を運営したのに緊迫した経営上の理由で解雇が不可避だったのか、 合理的に会社を運営しなかったために大量解雇事態につながったのかが、不当 解雇の判断の鍵になるためだ。大法院の判例にも経営合理化の先行措置がない 解雇回避努力は認められないという事例がある。

しかし使用者側は、不良経営は上海資本の『渡り鳥行為』と経営陣にあること を否認はしないが、会社不渡りの理由は多様な外部的な要因、つまり景気不振、 石油価格上昇、世界不況などの複合的な理由があったと主張した。また会社が 法定管理に入った以上、それによる構造調整もまた合理的だという見解を示し た。法定管理下の回復手続きで行なわれる構造調整と、一般的な経営上の問題 による構造調整は質的な違いがあり、過度な解雇ではないということだ。

だが双竜自動車支部所属解雇者側は99年のウォークアウト後2年で黒字になり、 上海資本に売却される前の04年まで黒字だった双竜自動車が、上海資本になっ た後で1兆2千億ウォンの投資の約束不履行、意図的な技術流出、これをほう助 していい加減に運営した経営陣などによりおかしくなったと主張した。労組側 は端的な例として、上海資本の下で会社をめちゃくちゃな運営をしてきた経営 陣が現在もそのまま残っている点、上海資本に売却された当時、労組が技術流 出を予測して使用者側に問題提起したが、これを看過した点、数年間新車開発 の投資なかった点、2〜3千億ウォンを投資して開発した新車技術を600億ウォン で安売りした点を上げた。これほどめちゃくちゃな経営では景気不況といった 外部の条件がなくても不渡りを出すということだ。

だが使用者側は技術流出には、当時労組がそのような主張をしていたが、本当 に技術が流出するかどうか予測できなかったとし、不法技術流出に対する判決 はまだ進行中なので答えられないと述べた。これについて数人の解雇者は「会 社を運営する経営陣が労働者も予測できる明らかな事実がわからないなどとん でもない」と憤慨した。

▲経営陣の解雇回避努力に対する使用者側と労働者側の攻防比較[出処:メディア忠清]

二つ目の争点は、解雇者を選んだ基準だ。45%の労働者を解雇した対象者の選定 基準が合理的で公正だったかということだ。双竜自動車構造調整の根拠は、使 用者側が構造調整分析を依頼した三正KPMG報告書による。整理解雇の規模と選 定基準もまた三正KPMGの報告書に収録されている各種算定基準により、使用者 側は現場調査を基に作業者の数値を算定し、これを解雇対象の基準としたという。

だが労働者側は立場が全く違う。選定の基準がめちゃくちゃだという。労働者 側は下位職級から上位職級に上がる時に人事考課が最下位になる点、各項目別 の精算期間がすべて違う点、使用者側が経営上の間違った構造だと言う逆ピラ ミッド構造をピラミッド構造に改善するために、高職級47%:低職級41%ではなく 70%:30%の基準にすべきだという点、労組活動をした者が人事考課で不利益を受 けた点を上げ、解雇対象者選定基準が任意的で恣意的だったと反論した。

特に、使用者側が分析を依頼した三正が現場調査をしたと主張していることに 対して、労働者側が作業者の現場調査は全くないと強く反発すると、使用者側 は会社の資料で管理人と協議し、算定したと言葉を変え、保有する会社の資料 は検証されていると主張した。だが検証された資料を提出したり公開はしてい ない。労働者側公益委員は三正KPMG報告書の全資料を使用者側に要求した。

今回の審問会議を見ていた双竜自動車支部のある解雇者は「憂慮と違って公益 委員はわれわれ労働者に多少友好的だったようだった。それだけ名分や根拠の 妥当性が私たちの労働者にあることを反証する」と自評しつつ「だが今回の審 議の結果、使用者側の不当解雇と不当労働行為を認めても、単に勧告事項でし かなく、使用者側がこれを忠実に履行するのかわからない」と憂慮も示した。

一方、今回の1次審問会議の前に京畿地労委と双竜車支部は拘束者参加保障問題 と審問延期をめぐって小競合があった。京畿地労委は当初拘置所の協力が不十 分で、拘束者参加が不可能であり、したがって審問日程も延期できないと通知 したが、双竜車支部の反発で2次審問会議を行い拘束者参加を保障するために自 救努力をすると労組側と合意した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-03-07 03:58:19 / Last modified on 2010-03-07 03:58:20 Copyright: Default

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