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韓国:現代車非正規スト闘争は、ここで止められない
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現代車非正規スト闘争は、ここで止められない

[進歩論評]非正規闘争は続かなければならない

ペ・ソンイン(進歩戦略会議) 2010.12.16 13:30

現代自動車蔚山工場の非正規職労働者による25日間のストライキ闘争が、しば らく中断している。これと共に、良才洞の現代起亜自動車本社前でのビニール テント座り込み闘争も整理された。しかし、零下10度以下の強い寒波が押し寄 せた昨日や今日も、GM大宇非正規職労働者の高空籠城は続く。彼らにとっては、 厳しい寒さより、非正規職の悲しみのほうが寒いためだ。

事実、今回の現代自動車非正規職労働者のストライキ闘争が中断したとは言え、 予想より短かったのは意外でもあり、残念だった。それは今回の闘争が以前の 闘争とは全く違い、普通ではなかったからだ。2007年のニューコア-イーランド 闘争の後、また訪れた非正規職労働者の大衆的な怒りと大衆闘争を可能にする 転機になり得たからだ。今回のような機会はまたいつやってくるかわからない 重要な契機だったという点だ。

また、7月22日の大法院での『現代自動車の社内下請は不法派遣であり、2年以 上働いた労働者は正規職と見なす』という判決と、11月12日ソウル高等法院が 『現代車牙山工場社内下請労働者7人の現代自動車勤労者地位を再確認』したか らだ。つまり現代自動車の社内下請が不法派遣であることがはっきりしたことで、 道徳的・法的な正当性で優位に立つ闘争だったからだ。

何よりも、大工場非正規職労働者の主体意識と力量が、いつより高揚しており、 全国的な闘争に拡大する可能性が非常に高かった。つまり非正規労働者自身が 闘争の主体としてしっかり立ち上った点だ。そうした点で、今回の闘争は高く 評価されなければならない。

今回のストライキ闘争の前に、労働運動陣営はタイムオフ闘争で大きな敗北を 味わい、政府は職業安定法の改正などにより、派遣制などの間接雇用労働者を さらに拡げる方案を進めていた。ところがストライキ闘争中断後、雇用労働部 が現在2年に制限されている期間制労働者の使用期間を延すと言い始め、労働へ の攻勢を弱めないことを見ると、今回のストライキ闘争は残念というしかない。 すでに資本は客観的な社会形態による支配を強める戦略を常に開発しているで はないか。

やはり正規職労働者との連帯、進歩陣営との連帯にははっきりとその胎生的な 限界を見せた。多くの正規職労働者の闘争の熱望と連帯の道を振り払い、蔚山 第1工場の座り込み解除と4野党の仲裁の先頭に立つだけだった民主労総、金属 労組、現代自動車正規職労組などの指導部と野党は無責任だったのだ。

今回のストライキ闘争は、ストライキしたことがある労組とそうではない労組 が、どれほど違うかを確認させた。ストをするには、命をかけなければならな いのが韓国の現実なので、ストライキ労働者の目つきは変らざるをえない。

また、今まで正規職労働者階級と非正規職労働者階級の間には、行動の連帯は なかったが、常に失敗の連帯があったことを見せた。そしてイデオロギー的な 連帯が戦術的な連帯を保障しないことを再度悟らせた闘争だった。

今回のストライキ闘争は、まだ終わっていない。今回の闘争の行方は、現代車 非正規職闘争の勝利だけの問題ではなく、労働者闘争全体の展望にも直結する ということを肝に銘じるべきだ。現代自動車非正規職労働者のストを契機に、 非正規職事業場の闘争が全国的に活発化している。

フランスの思想家、ソレルは「ゼネスト神話で大衆団結」を強調した。彼は、 ゼネストを資本主義体制を作動不能状態にし、全面的な階級戦争でブルジョア 体制を破壊するものと規定した。

ローザ・ルクセンブルグは「労働者は資本主義社会に編入されるためにでなく、 それと決別するために組織されるべきで、したがって特定の工場や特定の産業 で局地的に形成される改良的なストライキではなく、資本主義社会全体をマヒ させる政治的な武器としてのゼネストを積極的に実行しなければならない」と 主張した。

今回の闘争がどのように終わるのかは予断できないが、全国的に拡散した闘争 の熱気は、弾力を失っている。社会的に孤立しつつある現代車非正規労組が ストライキの主体から交渉の客体に変われば、非正規闘争はその展望を失う ことになる。成果もなく、闘争の意志と動力を失った後で、初心を守ってほしい という言葉に何の意味があるのだろうか。これ以上、ムダ口を叩く必要はない。 闘争は続けなければならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-17 14:30:01 / Last modified on 2010-12-17 14:30:04 Copyright: Default

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