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新しい歴史を書く現代車非正規職闘争

[コラム]非正規職を正規職化して、上向き平準化するのが解決策

ナムグヒョン(韓神大) 2010.12.01 17:22

11月20日、蔚山で現代車非正規職支会のファン・イナ組合員同志が焼身した翌 日曜の午前に開かれた民主労総記者会見の場に、家族対策委の人たちが二枚の プラカードを持ち出した。一つは「あなた、私はここにいます。必ず正規職に なって正門の前で会いましょう!」というもの、もう一枚は「わたしたちはあな たを信じています。最後まで闘いましょう!」というものだった。前日の集会で、 壇上で焼身し、火と共に地面に落ちた仲間の姿と重なって、ストライキ、占拠 座り込み、焼身などの闘争に立ち上がるまで非正規職労働者たちが受けてきた 苦痛と屈辱の歴史が頭をかすめた。二つのプラカードに書かれたスローガンは、 今の事態の本質を正確についている。

まず、非正規職撤廃に対する要求だ。- 「あなた、私はここにいます。 必ず正規職になって正門の前で会いましょう!」

今、非正規職労働者の正規職化の要求は、すでに大法院判決でも確認されたよ うに無理な要求でもなく、中長期的に時間をかけて対策を用意すべき事案でも ない。ましてドンソン企業の雇用継承に矮小化される問題ではない。

似た議論は以前もあった。96〜97年の労働法改悪阻止闘争の過程で新自由主義 はやむをえない大勢であり、特に経済危機の状況ではなおさらだという立場が 強くあり、ゼネスト闘争を最後まで強行できなかったことで派遣制、変形時間 勤労制を防げなくなった。このような限界は、96〜97年のゼネストの唯一の成 果だった整理解雇制2年延期条項を打ち消し、98年初めに民主労総指導部が合意 するに至った。労働者運動の限界で新自由主義構造調整の扉を自ら開いた格好 になったのだ。

以後、新自由主義構造調整が全面化し、『非正規職撤廃』ではなく『非正規職 差別撤廃』という主張の下で、非正規職をなくすのは非現実的であり、ある程 度は認めなければならないという立場が労働者運動の中に存在してきた。この 論争は大衆的スローガンの水準ではすでに整理された。誰もが『非正規職撤廃、 闘争!』と叫ぶ。非正規職をそのままにした状態で、単に差別を撤廃しようという 非正規職保護法では、今の非正規職問題を解決できない。

800万を越える非正規職労働者が、低賃金と福祉の死角地帯で苦しむことになっ たのは、過去の労働者運動が新自由主義構造調整と労働市場柔軟化への対処を 誤った側面が大きく作用する。今、非正規職労働者は全国のすべての事業場、 学校、病院に至るまで随所にあふれ、各種の違法、便法の雇用が横行し、その 問題は知らない人はいない。特に若者はさらに深刻だ。子供たち、親戚、兄弟 姉妹、教え子など、周辺を振り返れば非正規職問題から自由な人はいない。7月 22日の大法院判決は、非正規職の正規職化だけが解決策だという一般常識を抜 け出さない。非正規職労働者の正規職化闘争はこの十数年間の過程の決算であ り、労働者運動が見せてきた限界を突破する歴史的な意味がある。

二つ目は連帯闘争への要請だ。- 「わたしたちはあなたを信じています。 最後まで闘いましょう!」

現代車非正規職支会の闘争に対して正規職労働者が積極的に連帯し、金属労組 はゼネストを宣言するなど、民主労組陣営の連帯の流れが強まっている。現代 車支部は、過去に正規職の雇用だけを優先し、食堂のおばさんたちの解雇を黙 認したし、リュ・ギヒョク烈士の烈士規定問題で明らかになったように非正規 職闘争を自分の問題として受け止められないのは事実だ。今も支部は交渉議題 で正規職化を要求する非正規職の要求を受け入れるのは、非正規職労働者ほどに 積極的ではない態度を見せるなど、正規職と非正規職の間の亀裂はまだ完全に 埋められずにいる。

正規職と非正規職の利害関係の違いは、今まで民主労組運動が取ってきた戦略 では解消できない。いわゆる社会連帯戦略の名の下に、正規職が模範を示し、 非正規職に譲歩をすることで非正規職の境遇を改善し、資本の譲歩を引き出そ うというのが主な流れだった。この戦略はちょっと見れば美しい。しかし非正 規職を正規職化するのではなく、そのままにして正規職が譲歩することで、若 干の境遇を改善する対象として設定することに問題がある。いくらうまくいっ ても、正規職には非正規職が自分の持分を分けてやる負担になり、非正規職は 正規職の同情心、寛大な心にしがみつく境遇に置かれる。現実では実効性がな く、正規職と非正規職の間隙だけが広がる。何よりも正規職がいくら美しい姿 を見せても資本は譲歩しない。正規職を引き下ろし、下降平準化することで 非正規職問題を解決しようとするのは、まさに新自由主義支配戦略を駆使して 非正規職を量産する資本の意図にぴったり合う。

現代車の非正規職労働者たちは、幸いにも正規職の譲歩を要求せずに、現代車 資本が持つ巨大な利益を指摘している。昨年8兆ウォンの純利益をあげ、今社内 保有金が10兆ウォンなので非正規職を正規職化するための数千億ウォンは何の 問題もないということだ。非正規職を正規職化して上向き平準化すること、正 規職と非正規職の関係の中で解決方法を探すのではなく、資本に圧力をかけて 労働者全体の境遇を改善することが解決法になるだろう。巨大な利益は現代車 だけが積み上げたのではない。昨年の経済危機を経て韓国の財閥はサムスン、 現代、SK、LGを問わず史上最大の利益をあげた。全国すべての非正規職労働者 を正規職化し、労働者の犠牲の上に可能だった利益を取り戻すことが課題であ り、正規職が譲歩し、非正規職は温情主義的観点で『保護』されなければなら ないのではない。

非正規職労働者の問題は今年に入ってキリュン電子、ドンヒオートのように解 決され始めた。ニューコア・イーランドが提起した損害賠償訴訟も使用者側が 敗れた。非正規職問題が深刻なだけに、一般世論も闘う労働者に友好的だ。現 代車は対話を拒否して公権力と用役を動員し、連行、拉致、殴打などを行い、 残された手は暴力しかないようだ。民主労組運動陣営は今回は闘争を静めて譲 歩交渉でも引き出した過去の慣行を払拭し、『嘘っぱちストライキ』、羊飼い 少年の不名誉から脱するべきだ。右往左往する必要なく、労働者総団結と連帯 闘争で新しい歴史を作る時だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-01 21:46:09 / Last modified on 2010-12-01 21:46:12 Copyright: Default

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