本文の先頭へ
韓国:双竜車事態に沈黙する上海車と政府
Home 検索

双竜車事態に沈黙する上海車と政府

[双竜車事態診断](2)破産説にも言及しない上海車の株式

チョン・ムンギョ記者 moon1917@jinbo.net / 2009年08月05日14時21分

8月5日午前10時前後に警察が平沢双竜自動車塗装2工場を除くすべての工場を掌 握した。占拠座り込みをしている双竜車労働者への警察の鎮圧が、ある程度成果 をあげたため、沈黙していたミン・ユソン産業銀行頭取が口を開いた。

ミン・ユソン産業銀行頭取は、『ヘラルド経済』とのインタビューで「労組が 正常化に非協調的なら、法院と債権団の立場は硬直し、破産しか方法はない」 「債権団は担保が多く、被害が制約的だから正常化方向と考えること」といっ た。

双竜車使用者側は2日、労使交渉決裂宣言の後「ストライキで構造調整ができな いなら清算型回復計画案を申請する」とし、事実上の破産を検討していると明 らかにした。双竜車協力業者約600社で構成された協同会債権団もこの日の午後 4時に破産申請を延期した。協同会債権団はこの日、破産を申請すると発表した が、警察の鎮圧の推移を見て破産申請を決めるという態度を見せた。

双竜車使用者側、産業銀行、協同会債権団すべて「ストライキを続ければ破産 するしかない」と、労組に『破産』で威嚇している。政府は「個別企業の問題 は不介入」として回復計画案提出が予定されている9月15日まで見守るという立 場だけを繰り返している。

上海車買収後に続いた双竜車の不良

双竜車が今年1月に法定管理申請をした後、上海車に問題の責任があるという論 議がおき始めた。上海車は2004年末、5909億ウォンを支払って双竜車を買収し た。上海車が双竜車を買収した当時から安値売却の議論が続いた。

上海車買収前、双竜車の資産は自己資本1兆2535億ウォン、負債1兆3千874億ウォ ンで、2兆6409億ウォンの規模であった。外形上、負債が自己資本を超えている が負債全体の中で銀行などからの借り入れなど純負債は4200億ウォンに過ぎな かった。2003年当期、純益は5897億で買収金額と同じ程度の金額だった。上海 車買収金額の66%である3931億ウォンが借入れ金だった。

上海車買収後に起きた技術移転と流出

上海車が双竜車買収後に起きたことは、自動車技術の核心のエンジン技術移転 だ。上海車と双竜車は2006年、カイロンを生産するL-プロジェクト・ライセン ス契約を240億ウォンの安値で契約した。この契約で上海車は、ガソリンエンジ ン生産技術を獲得することができた。

同じ年、双竜車は正規職、非正規職含み、約千人の希望退職を実施した。上海 車は双竜車に、希望退職と共に1兆2千億ウォンを投資すると労組と約束したが 約束を守らなかった。

双竜車は昨年8月、ハイブリッドカー技術流出の疑いで検察の押収捜索を受けた。 検察の押収捜索の前2007年1月には、国家情報院が検察にハイブリッドカー技術 流出の可能性に言及する諜報を渡したことが明らかになった。双竜車は2004年、 産業資源部にディーゼルハイブリッド自動車開発の国策事業者に選ばれ、支援 金と共に国内研究機関と連係して技術を開発していた。国策事業のハイブリッ ドカー技術流出の疑いで押収捜索が行われてから1年になったが、検察は捜査結 果を発表していない。

双竜車は、上海車が買収する前の2002年に3184億ウォン、2003年に2896億ウォ ンの営業利益をあげた。しかし上海車買収後の営業利益は一年500億ウォンを越 えず、昨年は2274億ウォンの営業損失を記録した末に法定管理に入った。

上海車は法定管理後、経営からは手を引いたが相変らず双竜車株式の51%を所有 している。上海車は双竜車の株式を守るために弁護士を選んだという。

政府が主導した双竜車売却

政府は上海車の双竜車買収の主導的な役割を果たした。2003年12月に双竜車と 了解覚書を締結した中国のナンシンが、中国政府の投資承認双竜車買収に失敗 して、中国の双竜車買収が難しいことと見られた。

しかし2004年6月に上海車が入札に参加して一か月後、当時の潘基文外交通商部 長官、イ・ヒボム産業資源部長官が中国を訪れて、中国側の人々と双竜車投資 計画を議論した。彼らの訪中翌日の7月28日、上海車は当時の主債権銀行の朝興 銀行と了解覚書締結式を開いた。

双竜車安値売却の議論にもかかわらず、買収1年後の2005年、国策銀行である企 業銀行の主導で42百億ウォンのシンジケーション・ローンが双竜車に支援され た。シンジケーション・ローンの支援で、双竜車は債権団共同管理(ウォークア ウト)から抜け出し、上海車は双竜車の完全な主人になった。

責任を取る所はなく、『破産』圧迫だけ

双竜車事態の始まりが上海車買収だったという部分には、労働界と業界の分析 はあまり違わない。上海車の双竜車買収に力を貸したのは政府だった。しかし 政府は上海車に不良の責任を問わないでいる。

クォン・ドゥソプ弁護士は4日、民主労総の『双竜車企画破産疑惑』を提起する 懇談会で、「破産の話が出てきても、大株主である上海車の株式償却の話が出 ないのは奇異なことだ。株式を償却しなければ事実上、破産ということができ ないから」とした。

4年以上双竜車を経営してきた上海車と、直間接的に双竜車に介入した政府は、 双竜車事態と無関係なように沈黙している。上海車と政府は沈黙で双竜車事態 の責任から抜け出している。ただ双竜車労働者だけが生きている者(非解雇者) と死んだ者(解雇対象者)に分けられ、自身の食い扶持を守るために血を流して 戦っているだけだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-08-06 07:33:47 / Last modified on 2009-08-06 07:33:49 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について