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韓国:10年働いても手に残るのは百万ウォン程度
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10年働いても手に残るのは百万ウォン程度

公企業先進化で下請け契約単価引き上げをしぶるソウル大病院

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2009年09月16日17時43分

9月9日、国立中央病院のソウル大病院で働く労働者たちが一日警告ストライキ をした。彼らは9月15日から無期限全面ストに入った。しかし、ほとんどの言論 は関心を持たなかった。ソンウォン開発というソウル大病院の施設を管理する 下請け業者に所属する100人ほどの労働者が彼らだ。

ソンウォン開発の労働者たちは、6月2日から今年の賃金団体協議交渉を始め、 8万ウォンほどの賃上げと共にめちゃくちゃな賃金体系を正しく直す号俸体系を 作ろうと提案した。しかし毎年数十億ウォンの黒字を出すソンウォン開発は、 15日の交渉でも特別な解決策を出さなかった。元請のソウル大病院は、病院の 空調システムと医療用酸素供給、エレベーター管理など、患者と保護者に必要 な公共サービスを提供する彼ら下請け業者労働者の労働条件に沈黙し続けている。

2001年7月に入社し、ソウル大病院で働く10年目の労働者A氏は、1か月に130万 ウォンほどの月給を取る。それさえ昨年の賃金交渉で10万ウォン以上引き上げ た金額だ。写真はA氏の昨年4月の月給明細書だ。延長手当てと休日手当て、夜 間手当て、勤続手当などの手当てを合わせて139万3904ウォンが支払総額だ。こ の額から勤労所得税と4大社会保険、労組費など28万20ウォンの控除総額を除き 実際にA氏が取った額は111万3884ウォンだ。韓国最高の病院の10年目労働者の 月給がこの有り様だ。非正規職労働者の暮らしまで非正規であることはない。

ソンウォン開発は74年に設立され、職員だけで3千人を越える施設管理部門の中 堅会社だ。ソウル大病院で働くソンウォン開発の労働者だけでも144人になる。 そんな会社がこれまで基本的な号俸テーブルもなく労働者を雇ってきた。勤続 満20年を越える労働者が1-2年の新規職員と同じ月給だ。それどころか、9-10年 目の労働者の月給が新規職員より低い場合もある。

50代半ばの家長B氏は、89年にソンウォン開発に入社し、ソウル大病院で20年以 上働いた。B氏の今年1月の月給総額は158万ウォンだった。4大社会保険と相助費 などを合わせて30万ウォン近く天引きされ、実際の支給額は130万ウォンほどだ。 A氏の基本給は89万ウォンだ。今年、最低賃金をやっと越した。

A氏の月給はそれでも2年前よりとても上がった。休眠状態だった労組を再建し、 2007年のストライキと昨年の交渉で比較的高い割合の賃上げを勝ち取った。

99年に入社した機能職C氏の今年1月の控除前月給総額は148万ウォンだ。2007年 に入社した同じ仕事をするD氏の同月の月給総額はC氏より6万ウォンほどさらに 多い154万ウォンだ。号俸体系がないので、このように月給逆転現象があちこち で起きている。最低賃金も受けられない労働者も20人ほどになる。ソンウォン 開発は、最低賃金違反を除く賃上げには相変らず難色を示している。

ソウル大病院で働くソンウォン開発所属の労働者たちは、病気でも怪我をして も、病院内の正規職職員が享受する病院費の恩恵は殆どない。このように元請 の恩恵はないのに、労働三権では大きな被害を受ける。ソンウォン開発の他の 事業場と違い、病院だという理由でスト権を基本的に制約する必須維持業務対 象事業場に指定され、全面ストをしてもすべての労組員がストライキに賛同で きない。

元請のソウル大病院は、公企業先進化政策の一環として下請け契約単価引き上 げをしぶる。李明博政権が語る公企業先進化政策の最も直接の被害者がこのよ うな低賃金の非正規職労働者だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-10-03 12:35:13 / Last modified on 2009-10-03 12:35:16 Copyright: Default

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