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韓国:慰労金で出て行くことはできなかった
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「慰労金で出て行くことはできなかった」

ソ・スギョン明知大支部長インタビュー... ストライキ200日キャンドル文化祭

キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年09月03日13時03分

「6か月以上闘うのもつらかったが、皆さんがいてくれたから今まで闘争した...」 生気溌剌、愉快、そう快という表現がぴったりする彼女はマイクをつかみ、 『皆さんが』という部分でいきなりこみ上げる嗚咽をこらえた。「秋がくれば 勝利の実を分け、必ず勝利祭をする」そしてすぐ明るい笑いで闘争を叫んだ。

▲ソ・スギョン大学労組明知大支部長

明知大学校非正規職の助手が解雇通知を受けてストライキ闘争に立ち上がって から200日を前に、9月2日、キャンドル文化祭を開いた。ストライキ闘争198日 目の日だった。8月31日、大学労組明知大支部の組合員たちは、中央労働委員会 が地方労働委員会と同じ判定を下し、19人中15人は不当解雇と判定された。法 的に完全な勝利ではなかった。いつしか冬に始めた闘争が、もう秋になった。

明知大の正門右側には、午後7時からおよそ100人がキャンドルを持って集まっ た。そこで最も活気に満ちていた人はソ・スギョン大学労組明知大支部長だっ た。舞台もなく、立派な照明もなかった200日キャンドル文化祭だった。それで も文化祭は和気あいあいとして、笑いの花があふれた。民主労総ソウル本部西 区地区協議会に所属する労組と大学労組、学生、社会、政治団体が集まり、 明知大支部の勝利に連帯する決意を示した。

▲非正規職、不当解雇氷を割って文化祭を終わらせた。

文化祭が始まる1時間前、チャムセサンはソ・スギョン支部長と会った。この日 の文化祭でのコントを準備していたソ支部長はインタビュー中、笑いがあふれ、 全く勝利を疑わなかった。ソ・スギョン支部長は6か月間の闘争で、労働者が一 つだという世の中を知ったといった。19人の組合員のうち4人が不当解雇と判定 されなかったことには、当初から法的判断だけに頼るのなら労組を作らなかっ ただろうとし、最後まで19人が行くと述べた。平凡なキリスト教徒だったソ支 部長は、今回の不当解雇の戦いで労働者の世界を知った。彼女は働いただけ受 け取り、雇用が保障される世の中を作っていかなければならないと話した。

以下はソ・スギョン支部長とのインタビュー全文だ。

チャムセサン 中労委の結果が出た。学校はどのような立場か?

ソ・スギョン支部長 総長室前の廊下で座り込みをしている大学労組の委員長が 学校と面談したとき、中労委の結果に従うから座り込みを解いてくれといった。 当時、結果を履行して交渉しようと座り込みを解いた。8月28日に決定したので 地労委と同じく今回も判定までに1か月はかかるだろう。ところがチャムセサン が記事で学校事務局長に確認したように、学校は協議すると言葉を変えた。大 学労組の委員長が聞き違えたはずもない。学校が大学労組に抗議電話をしたと いう。なぜ言論にない事実を流布したのかというのだ。そんなことは話したこ とがないといったという。

チャムセサン 学校側から他の動きはなかったか?

ソ・スギョン支部長 31日に学校から教育支援処長名で不当解雇と判定された組 合員2人に内容証明が送られた。6か月分の賃金を払うから合意しようというこ とだった。文書もいいかげんだった。内容証明を受け取った2人は解雇当時、残 余任期が残っていた。9月1日の契約者たちだった。契約期間が6か月残っていた のに、行政補助員への職種転換同意書を書かずに解雇された。まだ判定文を受 け取っていないが、中労委の結果が地労委の決定と同じだと言うので2人にそう いう態度に出てきたのは、学校が私たちを分断するための恣意的な解釈だ。地 労委の判定は、われわれは復職させ、解雇期間の賃金を全額支払えということ だった。

チャムセサン 地労委が学校に履行強制金を賦課したと聞く。

ソ・スギョン支部長 学校が6月初めに中労委に控訴し、地労委の要求事項を履 行せず、地労委が履行強制金1億5千万ウォンを命令した。学校は履行強制金を 払わず供託金3億ウォンを出したと理解する。

チャムセサン 初めて闘争をしたと思うが、6か月ほどの間、どうだったか

ソ・スギョン支部長 何も問題はなかった。おもしろかった。暮しの中で、一回 ぐらいはこうして暮らしてみるのもおもしろい。これまで人扱いされずに暮し てきたが、ただそれに満足して暮してきた。もちろん解雇されたのは残念だが、 それでも一回ぐらいは闘って暮してみるのもいい。二回は絶対できそうもないが。

▲文化祭祝賀公演に出たキム・ジンチャン、ハンソル教育解雇者

チャムセサン 聞くと価値観でも、生活の多くの部分がずいぶん変わったようだ

ソ・スギョン支部長 そうだ。前は知人と何人かの親戚と電話する程度の日常だっ た。ただ個人生活をしながら時間を過ごす普通の人だった。解雇を味わい、支 部長をして連帯が楽しいことを知った。集まって、団結して、助けられる方々 は多い。私たちもよそに闘争支援に行く。私がキリスト教を信じているが、こ うした世界を知ったのは神様がくれた機会だと考える。

チャムセサン こうした世界という表現を使ったが、こうした世界とは何か

ソ・スギョン支部長 労働者の世界だ。政権や金持ちは不純勢力だと言って赤く 塗るが、体験してみると人が生きている世界だった。世の中を広く見られるよ うになった。人々が労働者の世界に誤った認識をするのは、誤った教育のため らしい。復職して通えるようになれば、頑張って働いて明知大の構成員が共に 何かを討論して決める空間にしたい。対話と妥協、討論をしながら発展する過 程を体験するのが大学という空間だと思う。われわれは明知大で最も低い位置 で、声を上げるのは難しい境遇だ。それでも一緒にすることに考えて家族のよ うな空間を作りたい。

チャムセサン 労組はそう思っても、今年のはじめ総学生会は労組に友好的でなかった。

ソ・スギョン支部長 人文キャンパス総学が白馬祭の期間に座込み場を移せといっ た。学生の立場を理解しようと思った。先輩と学生の立場を理解してテント移 すことを総学が共に助けた。ただし総学に言いたいのは、履行強制金を誰の金 から払うのかを学校側に確認しろということだ。1億5千万ウォンなら100人に 半額の奨学金を払える金だ。

給与の低い助手職群と名前を付けて職員と同じ業務をさせた

チャムセサン 今回の非正規職法の犠牲になった

ソ・スギョン支部長 国会議員も全部派遣職に変えて、給与も私たちのように 100万ウォンで暮らしてみろといいたい。誤った法ならなくさなければならない。 私たちのような助手職群は悪用されている。私立学校法は助手に1年以上契約職 を使えるようにしている。修士や博士の研究期間などがあるためだという。事 実、行政助手は除外対象だ。実際に業務が研究業務ではない行政事務業務だか らだ。ところが助手という職群の名で共に付いて行ったことだ。07年7月1日以 後、いくつかの私立大学は助手を無期契約職にした。定年が保障された。明知 大のように100人を越える人員を追い出したのは初めてだ。われわれは、職群は 助手でも、業務上の助手ではない。助手という職群が給与が低いのでそのよう な名前を付け、職員と同じ業務をさせたのだ。

チャムセサン 企業は非正規職を専門的でない仕事に使うと主張する。行政助手の仕事はどうか?

ソ・スギョン支部長 助手がなければ学校は回らない。とても常時的な業務で、 専門的だ。休みの時は受講申請の前にあらかじめ時刻表を組まなければならな い。受講指導も教授がすることだが、助手がみんなせざるを得ないのは教科の 課程を全て知っていなければならないためだ。学生を指導して実習、就職、セ ミナーなどをサポートしなければならない。教授様の講義に必要なことのサポー トもしなければならない。学事管理、行政的処理は行政助手がなければできな い。こうした学科業務を総括するのが私がいた教学のような所だ。業務が学科 と関連しなければならない。本部で処理できない。多くの学生と一度に会えな い構造なのに加え、学科業務は末端が処理しなければならない。本部の職員は 私たちの具体的な業務をよく知らない。大学行政がそうだ。ところが私たちを 解雇した後、数字を減らして月給をもう少し払うという。さらに働かせる。

チャムセサン 4人は不当解雇判定を受けられなかった。

ソ・スギョン支部長 法的な判決で個別に戻るのなら、なぜ労組を作って200日 間な戦ったのか。19人すべてが戻ることが私たちの闘争の理由だ。法的に一人 で行くのならそれでもいいが、われわれはそうではなかった。キャンドルと連 帯、そんなことがあったから組合員たちとここまでこれた。労働者は一つだ。 それでなければ苦しい。学校の態度が不当でも、自分一人では戦えない。残念 なのは、解雇された145人が皆一緒だったらもっときちんと戦えただろう。そし て行政補助員、正規職員、教授、学生のすべてが連帯できず、つらい。特に私 たちをよく知っている人たちが防ぐ立場になった時、気持がとても傷ついた。 彼らが私たちに不利な証言をする時、一番腹立たしかった。

チャムセサン こうして闘争を続ける原動力は何か

ソ・スギョン支部長 行政助手は、契約職も正規職でもないように働いてきた。 いつ切られるか知らずに生きてきた。行政補助員は1年契約職で、1回に限り再 採用するというが、行政補助員はこのように非正規職法の対象になる。雇用が 保証されて働けなければならない。やりがいがある職場だと思ってきたが、後 輩たちは失望して自分を卑下して働くようになる。社会人として、同窓の先輩 として、慰労金で出ては行けなかった。明知大の行政体系の障害になったり、 発展を妨げようとして闘っているのではない。これらはキリスト教の学校がす ることではない。神様の教理を云々して開講の時や終講の時に礼拝をして、こ んなことは話にならない。明知大同窓で子供を育て、教会に通う人なので戦い を始めた。正しくないからだ。明知大で教会に通う人々は立ち上がって戦わな ければならない。

どんな席、どんな仕事でも、雇用を保障して夢を持って働けるようにしなけれ ばならない。幸福を追求できなければならない。これは違う。希望勤労とか短 期就職プログラムとか6か月、11か月の契約書を書くのは本当に違う。既成世代 がそれではいけない。私たちは、金をくれいっているわけでもなく、働けない わけでもなく、そこで頑張って働けるようにしてくれということで、それを妨 害している。ここの闘争は、別の所より家族のようで雰囲気も良い。他の学校 の助手の希望になる闘争をしたい。復職して、正当な権利を主張できる良い先 例を作る。

チャムセサン つらい部分は

ソ・スギョン支部長 200日になるのでたいへんだ。他の助手労働者がわれわれ の闘争を見て自分たちも労働者だと知り、権利を主張したら良い。毎年、契約 期間を考えて他の仕事を探すのではなく、労働者として働いただけの代価を受 けて生きていく契機になるようにするのだ。必ず勝利する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-09-04 19:11:06 / Last modified on 2009-09-04 19:11:10 Copyright: Default

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