韓国:イーランド秋夕集中闘争2日目-2008年9月3日水曜日 | |
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イーランド秋夕集中闘争2日目-2008年9月3日水曜日[現場記者席]
パク・ビョンハク/
2008年09月05日12時15分
上から下まで黒いスーツに身をかため、耳にはレシーバーをした図体の大きな 人々が、しかめっ面をしている。暑い中、こんな真昼から焼き付ける陽射しの 中で働くのだから、それなりなのだろう。どこかの警備会社の職員だろうか? 黒いツーツの間に驚くべきことに昨日梨花大フーアーユー店の外で宣伝戦をし ていた時、一瞬見た顔が眼につく。では店の職員ではなかったのか? べっとり と油を塗ってオールバックにした頭が日差しに光る。シルム選手のような体だ。 イーランド一般労組の旗がはためくホームエバー始興店の駐車場入口にはすで にマイクとスピーカーが準備されていた。組合員は宣伝戦の時に使うプラカー ドを作っていた。私はイ・ギョンオク副委員長に挨拶をして背中につける宣伝 物一つを受け取った。その時は3時10分だった。 スピーカーからは民衆歌謡が流れ、街路樹の間には横断幕がかかっている。前 に見える交差点では、何人かの組合員がすでにプラカードを持って立っている のが見える。ホン・ユンギョン事務局長はマイクを持って市民に向かって、熱 心に発言をしている。 「私たちは大量解雇されて今日で439日目になるイーランド・ホームエバー労働 者です。私たちはまだ現場に帰れず、こうして闘争をしています..... 使用者 側は、いまも非正規職大量解雇の問題を解決しようとしません。市民の皆さん。 私たちの事情を理解して、イーランド、ホームエバー、2001アウトレットで買 わないで下さい..... 流通期限が切れた魚を売って見つかり、営業停止をくい、 服の在庫を売って公正取引委員会に摘発された企業が、まさにイーランドです。 イーランド・ホームエバーを審判するのは、市民の皆さんが不買に賛同するこ とだけです..... イーランド・ホームエバーに行かないでください! イーラン ドは本当に悪い企業です。今日、ホームエバーで購入してしまったら、明日か らは必ず不買をして下さるよう懇々とお願いします。.....」 私もプラカードを持って交差点に行って立った。真昼だった。通りの隅々が日 差しで明るかった。人々はどこかから突然に現れ、こちらに歩いてくるように 見えた。数人の組合員が前で印刷物を配り、他の組合員はさっきまで熱心に作っ ていたピケを胸に抱えて交差点の横断歩道前に立っていた。 後ろを振り返ると、頭が白い警察幹部と相変らずしかめっ面をした黒いスーツ が見えた。黒いスーツがあたえる違和感というか、威圧感というか、それは公 権力と何か通じた。それはただ壁だった。彼らは私たちを守るために来たので はなく私たちを潜在的な犯罪者と思い、ホームエバーを守りに来たのだった。 私は黒いスーツに向かって一度にっこりと笑ってやった。黒いスーツと少し目 があったが、彼はすぐ視線をそらした。 四時に頃なり、後ろでホン・ユンギョン事務局長が集会を始めると伝えてきた。 組合員たちは宣伝戦を終えてまたホームエバー前に集まった。座布団が次々手 から手に渡され、およそ50人程の人々が集会のため歩道のブロックの上に座った。 私が名前をよく知らない組合員が出てきて司会をした。私は公然と申し訳なかっ た。本集会開始と共にわれわれはまずシュプレヒコールをあげた。 「非正規職の悲しみの土地、イーランドに行くのをやめよう!」 「非正規職大量解雇ホームエバーを不買しよう!」 続いてイ・ギョンオク副委員長が出てきて発言をした。 「今が昼でもあって、学校が始まったからか、連帯の仲間は多くないが私たち がいつ連帯支援を待って闘争をしたでしょう? 誰が来ても来なくても、熱心に 闘争しましょう。夕方になれば多くの仲間がきてくれると信じます(笑い)... ニューコアの仲間たちが状況室に荷物を取りに来たのを見て非常につらかった です。われわれはニューコアのようにならないためにも、さらに熱心に戦わな ければなりません.... 今この席に労働部勤労監督官がきていましたが、さっ き私はイーランドはいったいどうなっているのかと聞かれました。政府の官僚 も今私たちの事をよくりません... われわれは使用者側が願う通りには、決し て交渉をしません。大量解雇と懲戒問題を解決しなければ、われわれは決して 妥協しません。10日間揺らがず熱心に闘争しましょう! この席には今キリュン 電子の仲間たちも来ています。ありがとうございます。」 キリュン電子の組合員も出てきて発言をした。 「会えてうれしいという挨拶ではなく、心が痛いという言葉が出ます。力になっ て上げられることを言わなければいけないのに... 私たちも3年間、誰が連帯し て戦ってくれたわけでもありませんでした。いくら孤独で苦しくても、絶対に 戦いの火を消せませんでした。イーランドの仲間たちの気持がなぜかわかりそ うだったからか、心が痛いという言葉が出るところでした。頑張ろうと言うべ きなのに、時々力が抜ける言葉が出てきて申し訳ありません... 私たちも今年 で四番目の秋夕です。3年前は私たちが現場占拠座り込みをしていた時、工場の 中で秋夕を迎えました。工場の中に膳を作り法事をしました。来年はきっと家 で秋夕を祝おうと約束していました。でも2006年の秋夕の時は30日間の断食座 り込みをしていた時でした。その時、うまく座り込みができず、結局キリュン 分会と誠実に交渉するという会社の約束を受け取っただけで断食を解きました。 昨年は組合員が帰ったり、コンテナを守り、秋夕を過ごしました。非組合員が 秋夕のたびに秋夕の贈り物を持って出て行く姿を見ると心が痛みます。今回の 秋夕はそうしたくありません。組合員の仲間も、今日で85日目の断食です。秋 夕が過ぎればほぼ百日になります。今回の秋夕だけは本当に少しでも一杯差し 上げたいです... イーランドの仲間のみなさん、あまり寂しがらないでくださ い。私たちもこれまでを振り返り、イーランドの仲間たちの心を推し量ってみ ました。苦しいでしょうが、自分自身を信じて闘争してください。私たちも連 帯します。ありがとうございます。」 涙声になりそうになるのをかろうじて耐えたキリュン電子の組合員は、発言を 終えた。イーランドでもキリュンでも、組合員たちには互いに期待できる仲間 がいるのかもしれないが、組合員を一つの体と考えれば『他の体』に対する懐 かしさのために、日が進むにつれ孤独になるほかはないだろう。『他の体』は、 もちろん組合員たちが『連帯の仲間』と表現する人々、つまり私のような人だ。 本当に全てを脱ぎ捨てて同じ組合員になれず、自分自身が恥ずかしい人々、時 間ができて事情が許される時、その時始めて来るような人々だ。なぜ私のよう な時代を生きる人がこんなに不幸でなければならないかを、第三者の立場とし てしか悩めない、そんな人々だ。連帯という名で私ができることは、果たして 何だろうか、私は胸が重くなった。 皆同じスローガンいくつかを叫び、歌を歌った後、司会者がまたマイクを取り、 市民に向かって発言をした。 「通りかかりの市民の皆さんこんにちは。私たちは430日以上戦っているイーラ ンド労働者です。隣の同僚が一瞬でクビになるのを見て、これまで誠心誠意を 尽くして働き、模範賞まで受けた同僚までクビになるのを見て、あれがすぐ私 の事になると思ってこうして旗を掲げました... イーランドは一番最初に清掃 用役のおばさんたちをクビにし、次に何の理由もなく私たちをクビにしました。 会社は私たちと対話する意志を全く見せませんでした。そんな状況で、私たち ができることは闘争だけでした... 昨年の秋夕は、秋夕売り上げ打撃闘争で会 社に大きな財政的な被害をもたらしました。今年も私たちができることは、そ れだけです。今こうしてホームエバーの店舗の前で闘争しています。市民の皆 さんは、ホームエバーを少し利用しなくても、少し不便だというだけですが、 皆さんがホームエバーを利用すれば私たちは職場に帰れなくなります。不法な コメ商売で流通市場を乱す悪徳企業がホームエバーです。消費者の皆さんが審 判しなければなりません。非正規職大量解雇問題もまだ解決していません。結 局、会社をホームプラスに売り払い、労働組合の幹部約60人を懲戒しました。 消費者の皆さんが不買で悪徳企業イーランドを懲らしめて下さい。少し足をと めて、ここのおばさんたちの話をちょっと聞いて下さい... 秋夕は情と心を配 る時期です。そのような時期に悪徳企業で買った物で人情を感じることはでき ません。秋夕の贈り物は在来市場や他のスーパーで購入して下さい。消費者の 力で悪徳企業を懲らしめて、イーランド闘争を勝利させてください。シュプレ ヒコールを叫びます。イーランド完全退出で非正規職弾圧追い出そう!」 私も組合員たちと共にシュプレヒコールをあげた。続いて民主労働党ソウル市 委員長が出てきて発言し、本集会が終わった。五時であった。 組合員たちはまた宣伝戦を始めるために、ピケとプラカードを持って一人二人 と散っていった。私は今日が夕方に出勤する日なので、やむを得ずイ・ギョン オク副委員長と挨拶をして、背中に下げた宣伝物を取って返した。 PRESSの腕章をはめていたある記者と帽子をかぶって熱心に現場を撮影していた 人がその場に取材を来ていた全てだった。私は明日ホームエバー上岩店での 集中闘争を約束してその場を離れた。 私の職場は小さな補習塾だ。始興から安岩まで行くと三十分遅れて塾に到着し た。授業をすると、中学生の子供たちはみんな予備非正規職労働者に見えた。 私は何も話せず、参考書を読むほかはなかった。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-09-07 05:41:29 / Last modified on 2008-09-07 05:41:29 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |