本文の先頭へ
韓国:コスコム非正規職ストライキの出征式、警察により強制解散
Home 検索

コスコム非正規職ストライキの出征式、警察により強制解散

ストライキ前夜祭に続き出征式にも警察を投入... 組合員14人を連行

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2007年09月12日16時09分

不法派遣と偽装請負是正を要求してストライキに入った全国証券産業労組コス コム非正規支部が9月12日午前、汝矣島コスコム本社ロビーでストライキ出征 式を開いたが、警察の侵奪により14人が連行された。

ストライキ出征式の開催時刻だった午前11時30分頃からロビーの出入口を封鎖 し始めた警察は、前夜からロビーで徹夜座り込みをしていたコスコム非正規支 部の組合員と事務金融連盟関係者の出入を統制し、ついにキム・チャンソプ事 務金融連盟副委員長をはじめとする組合員をロビーの外に引き出した。

▲ストライキ出征式のためにコスコム本社がある汝矣島証券取引所ロビーに集まっているコスコム非正規支部/キム・ヨンウク記者

▲キム・チャンソプ事務金融連盟副委員長が警察暴力で失神した。/キム・ヨンウク記者

この過程でコスコム非正規支部組合員と証券産業労組、事務金融連盟などの労 組幹部を含む14人が連行された。この場にいた民主労総の李錫行委員長とチョ ン・ヨンゴン事務金融連盟委員長も警察に殴られたという。連行された組合員 は、永登浦警察署と陽川警察署、東大門警察署などに分散して移送され、失神 したキム・チャンソプ副委員長は汝矣島聖母病院に入院した。

前日の11日にもコスコム本社ロビーで開かれたストライキ前夜祭現場で、警察 の暴力事態があった。すべての扉を封鎖しようとする警察と、これに抗議する 組合員の間で物理的な衝突が続き、コスコム非正規支部のストライキ前夜祭に 参加しようとしたニューコア-イーランド労組、テトラパック労組、韓国合繊 労組など約300人の労働者も警察5中隊に押されて、しばらく混乱した。

これに関してチョン・ヨンゴン事務金融連盟委員長は「平和に出征式に参加し て帰ろうとしたのに、警察は12人を連行した」とし「わが連盟の歴史で12人も 連行されたのは初めて。みじめな心情」と話した。合わせて「コスコム非正規 職問題は、わが事務金融非正規職問題全体を代弁している」とし「連盟が動員 できるすべての手段を動員し、この問題を解決する」と語った。

事務金融連盟は今日の暴力事態について、加盟組織の全幹部をコスコム本社が ある汝矣島証券取引所前に集まるよう緊急指針を下した。現場が警察により封 鎖されている中、今日の午後3時にコスコム全面ストライキ闘争大会が開かれ る予定で、緊張感が高まっている。

▲突然の警察の解散の試みで組合員14人が連行された。/キム・ヨンウク記者

▲ストライキ出征式に来た民主労総の李錫行委員長(円内)も警察によって引き出された。/キム・ヨンウク記者

「コスコムは使用者ではない」という中労委決定に労働界が反発

コスコム非正規支部は、8月29日に中央労働委員会に争議調整を申請したが、9 月11日、中労委が「本件は労働組合および労働関係調整法相争議調整が成立し ない」とし「労組は該当使用者の下請け業者と交渉することを勧告する」と決定した。

コスコム非正規支部はこれまでコスコム会社側が下請け会社労働者を直接管理 監督し、下請け会社の経営に決定権を行使するなど、実質的な使用主の地位に あるとし、不法派遣と偽装請負を主張してきた。

コスコム非正規支部は6月29日からの一週間の闘争で、7月4日に会社と基礎協約 書を締結したが、その後も会社側が使用者性を否定して誠実に交渉しなかった。 そのため中労委に争議調整を申請して70余日でまたストライキをすることになった。

コスコム非正規支部のファン・ヨンス支部長は「基本合意書を作成した後も、 会社側はこれを無視し、何の変化もなかった」とし「中労委でもコスコムの使 用者性を認めないという態度を取ったため、ストライキに入ることにした」と 話した。ファン・ヨンス支部長は「非正規職問題で対話するという会社側が、 従業員持ち株会社という案を持ってきたが、われわれはこれを受け入れない」 とし「生存権がかかった問題だから終わりがないストライキをする」と明らかにした。

中央労働委員会の決定について、民主労総も12日に声明を出し「中労委の決定 はコスコム非正規支部の交渉権とスト権の剥奪」と反発した。民主労総は「労 働者の権益保護を最高の目的とするべき中労委が、形式的な論理に偏り、実質 的に発揮されているコスコムの使用者性を隠蔽した」とし「中労委がコスコム の直接の業務指示など使用者の役割を否定したのは、不法派遣を合理化して間 接雇用非正規労働者の労働権を剥奪するもの」と主張した。

民主労総は「中労委は、結局『使用者委員会』だという烙印を拭えなかった」 とし「中労委は、現実を歪曲する決定の弁解に汲々とするだけでなく、今回の 決定を取り消してコスコムに元請としての使用者責任を強制しろ」と要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-09-20 20:52:34 / Last modified on 2007-09-20 20:52:35 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について