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[論評]殺人の共犯

・建設労働者 ハジュングン氏の死に

チャムセサン/ 2006年08月01日15時41分

また1人の労働者が他界した。警察の盾で頭を殴られ、生死の境をさまよって いた浦項建設労組のハジュングン組合員が8月1日についに亡くなってしまった。 不法多段階下請け廃止、賃金カットのない週5日制、8時間労働という、極めて 人間的な要求をしただけの建設労働者が、なぜこんな死にあわなければならな いか、韓国の社会は慎重かつ真摯に反省しなければならない。建設労組の浦項 製鉄占拠に連日あらゆる非難を浴びせていたマスコミは、この労働者の死に対 しては無関心を続けた。その上、一部の言論は警察の暴力を指摘した。だがこ の労働者の死は、暴力的な警察、殺人武器として登場した盾だけが問題なので はない。

建設労組の浦項製鉄占拠に対し、政府と大統領府は例がないほど奇怪な反応を 見せた。浦項製鉄占拠から6日目の7月18日、政府はチョンジョンベ法務部長官、 イヨンソプ行政自治部長官、イサンス労働部長官名義で「合法保障、不法必罰」 を要点とする合同談話を発表した。「今回の浦項地域建設労組による不法・暴 力行為に対しも、必ず法と原則によって厳正に対処」するという立場を発表し た。ところがこの談話文は、ハジュングン組合員が警察の盾が頭に当たり病院 に送られ、手術を受けていたその時刻に発表された。むしろ大統領府社会政策 首席室は、建設労組の浦項製鉄占拠を遠回しに言って、非正規職労組の暴力性 を非難することに没頭した。

建設労働者を暴徒と罵倒して、強硬対応、公権力を投入して警察の暴力をあおっ て労働者を死に追いやったのは政府だけではない。いわゆる浦項地域の有力者 たちもこれに一役買った。浦項市長、労働部浦項支庁長、浦項商工会議所所長、 鉄鋼公団理事長、浦項KBS代表などが集まり、世論操作と共に公権力投入を強 行する対策を議論した。パクスンホ浦項市長は「困難な経済状況の中でのスト ライキと不法闘争はありえない。浦項製鉄のストライキを根絶する意志に共感 する。見せしめをして果敢に進め」とまで注文した。これに続いてハンナラ党 のイビョンソク議員は、大統領府や警察庁などの上級機関に「公権力投入を要 求する建議書」を発送し、キムヒソン鉄鋼管理公団理事長はクォンジェジン大 邱地検長に「不法行為者をきっぱり処罰しろ」と要求すると約束した。

だがこれだけでは怒りは収まらなかったようだ。7月21日未明、労組は意を決 して座り込みを解除したが、彼らに対する事後の復讐が続いた。政府は労組の 幹部58人全員と、座り込みに参加した2500人の組合員全員を刑事処罰する方針 を決め、裁判所はこれに呼応して58人全員に拘束令状を発行した。そしてこの 後に続いたのは、まさに損害賠償だ。2003年、斗山重工業労働者のペダロ氏の 死が見せたように、労組と組合員への損害賠償と仮差押さえは死よりもさらに 深い傷を残した。この悪夢が今またよみ返っているのだ。浦項製鉄資本は浦項 建設労組に対し、何と18億ウォンの損賠賠償を請求した。現在、現代ハイスコ 労組に72億ウォン、キリュン電子労組に53億ウォン、KTX乗務員労組に3億ウォ ン、蔚山プラント労組に25億ウォンと、非正規職労組に集中しているこれらの 損賠請求で、またどれほど多くの労働者が死んでも返せない借金と頸木を背負っ て生きていかなければならないのか。

繰り返し問う。一生建設労働者として生きてきたハジュングン氏が今日、恨み 多い命を終えた。果たして誰の責任なのか? 警察の盾が問題なのか、機動隊や 現場指揮官だけの問題なのか? この殺人の共犯者たちは、果たして誰なのか? 韓国の社会の、誰が、この労働者の死に対し、堂々としていられるだろうか!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-08-02 04:12:00 / Last modified on 2006-08-02 04:12:01 Copyright: Default

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