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「発電労組が残したもの」への批判
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民主労総教宣室の「発電労組が残したもの」への批判(ノジュンギ)

民主労総開かれた広場
掲示物番号:10802
投稿日:2002-04-03 17:36:58
著者:ノジュンギ
題目:民主労総教宣室、「発電労組が残したこと」への批判

民主労組を学んで教えている者です。民主労総の発電ストライキ合意文に怒る 多くの労働大衆と考えを共にしながらも、「合意文」は民主労総内の一部の活 動家の主観的で誤った判断のためだったと自分を慰めました。夜、眠りながら も、民主労総の立場で切迫した止むを得ない状況があったのか、ひょっとして 失敗だったのかと考えました。危機を新しい教訓に作りだした民主労組運動の 歴史と実践、その数多くの活動家を記憶からよみがえらせ、慰にしようとしま した。金属連盟のパクフン同志の文の中に、そんな可能性を探しもしました。

しかし、今朝読んだ「残したこと」は、問題がさらに根源的で深層的だったと いう点で、唖然失色せざるを得ませんでした。「合意文」の背景は、さらに根 が深いものだったからです。

私の「批判」は、全体民主労組運動や民主労総全体に対する判断や批判ではな いということを申し上げておきます。民主労組と民主労総の中で解放された生 活と、民衆が主人になる社会を作るために、今でも戦っている多くの同志に対 する批判にならないようお願いします。

  1. まず、私は私達が去る30年間叫んできた「民主労組運動」と「民主労総」 で、なぜ、わざわざ「民主」なのかを考えざるをえません。「民主」の名前を 捨てられずに拘束されて死んだ、数多くの労働者たちを思いださざるをえませ ん。また、なにが韓国労総と「民主労総」を区別してきたのかを考えざるをえ ません。
    「残したこと」は、完壁な敗北と誤謬を成果として牽強附会、歪曲しています。 したがって、我田引水というパクフン同志の解釈は正確です。正当な闘争に命 懸けで立ち上がった「組合員に民事、刑事上の責任と懲戒」を「合意」する労 組は、「組合員の利害を代表する民主労組」ではありません。また、「既に闘 争はかなり以前に終えなければならなかった」と、ストライキ終結のために交 渉していたまさにその時間に監獄にいた委員長まで動員して歴史的なゼネスト 闘争に立ち上がった1000万労働者に「嘘をつく労組」は、もはや民主労組では ないでしょう。
    「労使和合」と「発電産業の未来」を語り、「法と原則」を遵守するという反 労働者階級的合意文を国家と資本に堂々と書いてやる労組は、もはや「民主労 組」ではありません。主に全経連や経済人総連、労働部と大統領が書いた話を 「民主労総」が公式に合意文に書いてやり、発表したことに驚くばかりです。
  2. 「残したこと」は、この程の発電ストライキが「国民世論戦」であり、 「売却の不当性を知らせる闘争目標」を持った闘争だったので、成功したとい います。私は、「残したこと」が「国民」や「国民世論」を前面に出しながら、 「組合員世論」を徹底的に無視するという態度に憤怒せざるを得ません。これ は、労組運動の原理とその階級的基礎を徹底的に否定する反労働者的な態度で す。
    労組運動は、「国民」ではなく、「労働者階級大衆」を大衆と定める運動です。 組合員の意思を民主的に結集せずに指導部がまず「国民の情緒」を把握して決 定する運動、それは民主的運動ではないばかりか、労組運動でもありません。 むしろ、それ自体が国家と資本の論理です。「国民の情緒が(公務員)労組やス トライキに対して拒否感があるので(公務員)労組やストライキは自制しなけれ ばならない」という朝鮮日報や政府発表文に見られる論理を労組が主張してい いのですか。「国民世論と共にする労働組合主義」でも始める時です。
    集団利己主義と見る国民の視線があるという、ありふれた反論を出すかもしれ ません。しかし、労組運動は原則的に「集団利害」を代表する運動であり、 「鉄飯茶碗」を作る運動です。その鉄飯茶碗を作らなければ、労働者たちは暮 せないという原理は、資本主義社会の「憲法」、「労働法」が、それで国家と 資本が公然と認めた社会の基本原理でしかありません。私達の社会で認められ なければ、認めさせるように闘争しなければなりません。「社会を明るくする 光る鉄飯茶碗を作る運動」、それがまさに私たちの民主労組運動でした。
    一例として、町内会までしながら国民が止めた容共左傾意識化集団の労組運動、 「全教組や民主労総」の労組運動は、闘争を通して作ってきたものであって、 言葉で国民を説得して成し遂げたことがではないということまで言わなければ ならないのでしょうか? 民主労組運動は、闘争で国民の認識を変えていった輝 かしい歴史を持っています。歴史の前で、民衆的なそして本当に「国民的な」 運動が何かをこのように説得しなければならない現在の状況があまりにも悲惨 です。それも、1300万労働者たちの求心点である「民主労総の教宣室」を相手 にです。
    これは、あまりにも当然の運動原則ですが、私たちの運動の中ではそうではあ りませんでした。1998年、第1機指導部の整理解雇の職権調印は、その代表的 な事態でした。私は以後、民主労組陣営が路線に関係なく、全体的に職権調印 事態を徹底的に反省し、原則を今一度確認するものと思っていました。組合員 に公示できなかったり、その意思に反する(それが非合理的なことであっても) 意志決定は、(それがどんなに合理的でも)源泉無効だという民主主義の原理な のです。私の深刻な錯覚であったことを今では痛感しています。また、私に与 えられた一抹の責任を痛感せざるを得ません。
  3. 「残したこと」の反労働者階級的認識に対してもう一度詳細に指摘せざる をえません。
    「不安感はあっても、1か月間、電力供給に大きな問題がなくて千万多幸だっ た」ですか? 何を言いたいのですか? そのように考えるなら、電力供給中断を 目標にするストライキの話を初めからしなければいいでしょう。「ストライキ の後遺症を最小化して円満な労使関係を構築できる対等な労使関係を回復しな ければ」ならないですって? これはどこかでよく聞かされた話ですね。この社 会の数多くの知識人、元老、団体が、「ストライキが再発しない道を探して」、 「発電ストライキを労働問題とだけ認識しないように」するために署名して、 連帯して飛び回ったんですって? いったい何という無意味なたわごとでしょう か。私は、こうした世界認識の基本枠組を見て、「国民におよぼした被害を丁 重に謝罪申し上げて」、「(ストライキという)不幸な事態がまた発生しないよ うに、法と原則を遵守して、労使和合を基礎に発電産業の未来のために共同で 努力することに約束する」合意文が出た文脈と背景をようやく理解できました。
    長々と話す必要はなく、そのまま簡単に、資本と金大中政権に投降されたので しょう。そして、投降が勝利だと主張されたのでしょう。実のところ、「闘争 動力がないと判断した」という常套的、仮飾的な表現よりも率直なので理解す るには良いです。
    階級運動の基礎が階級的敵対性と階級的自主性、そして闘争を通した連帯性の 確保という教科書の話をまたしなければならない私の心情は、現在、非常に悲 惨です。現実を考えろですか? それなら私は今まで習ってきたこと、教えてき たことをすべて放棄しなければなりません。それを私に要求するのですか?
  4. 「成果」、「(合意が)成果を固めること」といいましたが、なにが成果な のかも問い正さざるをえません。それで、いったいどんな成果を取り出したの ですか? 「ハンギルリサーチ」の世論調査で国民世論が変わり、現政府任期中 「発電所売却」が実質的に峠を超えたんですか? また、発電所売却問題の「火 種」を残したんですか? 「民主労総を排除した週五日勤務推進計画」、「公務 員労組許容問題」、「労使政委員会の進路」など政府の政策意図や計画に支障 があったのですか? すいすいとうまく行っています。
    民主労総! 「任期内に無理に強行すればまた未曽有のストライキが爆発する可 能性がたいへん高い」ですか? また4.2ゼネストの「準備」が歴史を書きなお す連帯闘争で、以後の労働運動の気風を新しくする要素」ですか? 「ゼネスト」 の準備が「90年代の労働運動に広まっていた企業別労組主義と賃団交闘争中心 の活動の気風を大きく刷新した」のですか? 「ガス労組、鉄道労組民主労総加 入と加入推進など民主労組運動を強化させる大きい成果」?
    すばらしい。だまされた話で「優秀だったよ、本当に!」です。
    こういう論旨に関してひとつひとつ批判することもうっとうしいことです。単 に民主労総と発電産業のホームページ掲示板に一回だけでも入っみろと言いた いですね。成果を、実利を億万金得れば、なにをしますか。組合員が民主労総 を捨てています。民主労総が御用、韓国労総だと公然と指弾されています。掲 示板にあふれる非難を見ても、「残したこと」のような文を書くことができる 民主労総が本当に残念です。どうすればこんなに堕落できるのですか? この程 の民主労総の「合意」は、それこそ「労働運動に歴史を書きなおした」投降で した。そして、これと共にひどく狭い「経済主義」と「実利主義」が位置を占 めています。労働時間の短縮、公務員労組の合法化、組織の拡大、世論宣伝の 成果などの実利は実現しそうもありませんが、みな良いです。ただ、こうした 実益を得ても、階級的連帯、特に組合員大衆と指導部の連帯、信頼が傷つけば、 それはなにもしないよりいけません。「未曽有のストライキに立ち上がった5 千-60万労働大衆」をバカにする民主労総に、今後、迫る未曽有のストライキ は、決してありません。このように階級的敵対の鮮明な意識と闘争がなければ、 それがまさに「韓国労総」です。もう韓国労総と統合しなければいけないかも しれませんね! 要するに、少なくとも今回の「合意」は、それほど民主労総が 5千発電労働者たちだけでなく、1300万労働大衆を徹底して欺き、欺瞞して、 背信したのです。またこれを認めずに牽強附会しようとやっきになる「残した こと」に、民主労組運動の本当の危機がひそんでいると考えます。
  5. また、自分の目の前にちらついていることがひとつあります。まさに労使 政委員会問題と「民主労総排除」という表現です。「民主労総排除戦略」を突 破する「実質的な労政交渉」を確保した成果があったんですか。そうですか。 ずいぶん勉強になりました。
    労使政委から「民主労総が排除されると」実利を得るには困難が多いですね。 また、得ようとする実利は多いのに、交渉するのに適当でないから、この程、 労政交渉-合意は確実に成果のようです。「民主労総排除戦略は社会的に大き な代価を払うという教訓」を政府が得ました。そして。今では労政社委員会を 作ろうが、労政委員会でも作らなければならないでしょう。参加する準備は殆 どできたようですね。今回の労政交渉参加で成果が多かったのでしょう。TVで 見たら力量ある労働ブローカー等もたくさん連れて通われたということですね。 98年5月に見た労政交渉があの短い時間にこのように成熟して変貌したのは、 本当に驚くばかりです。
    ところが、この程の交渉を見ると、政府の戦略が変わりましたね。「民主労総 排除戦略」から「民主労総抱き込み戦略」に。政府が「社会的代価」を払って、 ずいぶん勉強したのでしょうね。労使政委員会欠席宣言が続いても、労働研究 院主催の各種の討論会(労使政委の方向など)に、代表がずいぶん熱心に参加し ていた理由が今わかりました。やはり、金大中政府は労働政府なんですね。い ちはやく知って抱き込み戦略に出たことを見れば。そうですよ。民主労総が抱 き込まれれば、「労働者階級大衆全体が奈落に落ちますからね」。もうすぐ労 使政委に入って産業平和宣言でもしましょうか。ワールドカップも近づきまし たし。
    抱き込み戦略も排除戦略も反労働階級戦略だということはよくごぞんじでしょ う。私達が労使政委員会を拒否したのは、その形式のためではありませんでし た。その新自由主義的内容のためでした。無条件に労使政でなく労政交渉だけ 取り出せば、成果だと思う無知さにもう一度驚いています。
  6. この程の合意は、民主労組運動の去る10年の成果を完全に崩してしまいま した。労使和合主義、法と原則の法物新主義と投降主義、職権仲裁制度と中労 委判定の中立性と客観性、経営権介入不可原則などを一度にセットで受け入れ ました。民主労総の原則としてです。これも成果ですか?
    最後に、ストライキに関する基本観点がまったくでたらめです。
    ストライキは、交渉のための道具として設定されているから、「後遺症」を産 むのですね。その成敗は交渉結果の実益の有無にあるのですね。また、不法ス トライキは可能なかぎり避けるべきで、止むを得ない時は懲戒と刑事処罰、民 事損賠を自ら要望しなければならないというのですね。それは、国民のための 不幸な事態であり再発してはならないことでした。またストライキの原因も、 新自由主義構造調整でなく、「対話不足」あるのですね。そうでしょう。懲戒、 損賠のために「より根気ある対話姿勢」が要求され、「政府が後の収拾を上手 にやるべき」なのですね。
    いったいこのような「デモシカ」ストライキ論と情勢認識が、この程の「発電 ストライキ」を裏付ける論理だなんて、情けないです。こういう指導部で37日 のストライキが可能だったとすれば、闘争にたった労働大衆は、もう一度、尊 敬すべきだと思います。発電ストライキが一層誇らしいばかりです。
  7. 民主労総の責任ある当局者の答弁を正式に期待します。

http://cham4.jinbo.net/maybbs/viewgongji.php?db=baljeon&code=gongji&n=500&page=27


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