民主労総は昨日、発電ストライキと関連し、政府と合意した内容のうち、
民営化関連問題に対して明らかな立場を表明します。 合意内容中、「3.8日付の中労委仲裁裁定を尊重して発電所民営化関連交
渉は議論対象から除外する」という内容は、今回の発電ストライキを終わ
らせる議論から民営化問題を除外するという意味でしかありません。
したがって、まるで労組が民営化を同意したとか、今後の団体交渉で民営
化問題をこれ以上取り上げないというように解釈することは不合理である
ばかりでなく、交渉進行の流れとも正面から相反するものです。
よくごぞんじのように、政府は民営化撤回を要求する労組に対し、民営化
に同意しなければ対話自体を拒否するだけでなく、未復帰労組員4千余人
を集団解雇するという超強硬対応をしてきました。その延長線で、政府は
最後の交渉の場で「民営化は交渉対象ではないので今後、団体交渉で民営
化は二度と言及しない」という最終案を出しました。
しかし労組はこれをきっぱりと拒否し、今後の団体交渉事項でないという
政府側案は撤回され、民主労総が最終修正案として出した現在の合意案を
政府が受け入れて合意することになったのです。今後の団体交渉で再度言
及しないという案を政府自身が撤回したのに、我田引水に恣意的に解釈す
ることはありえません。
電力大乱の危険の前で、政府が民営化に同意しなければ4千人を集団解雇
するという超強硬対応に固執したことは、事実上、対話による妥結の意思
が無いことを宣言するものでした。こういう状況で、労組は発電所売却反
対という既存の立場を守りながらも、電力大乱を前にして強硬対峙を解く
ための現実的代案として、撤回と強行で拮抗する意見の相違を見せる民営
化問題に言及することなく、懲戒の程度などの懸案問題を妥結させ、スト
ライキを対話で解こうとする、いわゆる「民営化ノーコメント論」を提示
してきました。今回の、「民営化関連交渉は議論対象から除外する」とい
う内容は、まさにその延長線にあるものです。