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発電労働者、9日目の「ツアー闘争」
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編集2002.03.06(水)23:00

発電労働者、9日目の「ツアー闘争」

△6日の午後、冷え冷えとした天気の中でソウル乙支路のフリョヌォン公園 で開かれた「発電産業労組家族闘争決起大会」で、分厚いパーカ姿で参加し たある子供が「パパ大好き! 頑張って!」と書かれたピケを持っている。 キムジンス記者jsk@hani.co.kr

ストライキ中の発電労組員5300人あまりが520ほどの分任組に分れて9日間、首 都圏一帯を行き来している。先月26日の夕方、座込み場のソウル大を脱出した 労組員は、組別の散開闘争に入った。

「散開」は公権力を無力化させる戦略だが、強い結束力がなければ崩れやすい。 労組員は、散開にあらかじめ対応して金と移動装備を準備し、指導部の指示を 待っていた。彼らは静かに組別に散り、放送ニュースは「ストライキ労働者が 解散している」と報道した。

若い労働者たちは、散開闘争を「ツアー闘争」と呼ぶ。小型乗用車のトランク には寝具と炊事道具がぎっしり詰まっている。バスケットボール、サッカーボ ール、バトミントンのラケットを積んで学校の運動場などで、せっかく真昼に 球を蹴る。夜になれば、旅館の部屋でラーメンやカレーライスを炊き、同僚と 車座に座って食べる。労使交渉は崖っぷちに集まっても、彼らの夕食の席には 若さの活気と笑いがあふれていた。

5日の夕方、京畿道北部のある村で「ツアー闘争」をしている分任組の9人に会っ た。30代初頭の労働者たちで、東海岸から首都圏に移動中だった。所属、身元、 場所を明らかにしない条件で、彼らはようやく取材に応じた。2000年のストラ イキの時、マスコミに登場した同僚に会社がどれほどあくどい迫害を加えたか を彼らは説明した。

旅館の部屋の床に新聞紙を敷き、彼らは食事当番が炊いてきたカレーライスで 夕食を食べた。「新聞はご飯を食べる時の敷物用ぐらいにしかならない」と分 任組長の朴某(36)氏は語った。「経済がうまくいっているのに、ストライキで 国をぶち壊しにしたと毎日書き立てている」と言いながら、彼は指で尻に敷い た新聞の見出しを指した。その恨みが多い新聞を彼らは毎日買って読む。

夕食を食べながら、彼らは他の分任組の同僚に電話をかけて安否を尋ね、メニュ ーを聞いておいしいかを聞く。分任組は職場内の部署別、作業ライン別に組織 された。みんな長い間、共に働いてきた同僚だ。高齢の労働者たちは、別に分 任組にまとまった。助長は一日に三度ずつ、メンバーの健康状態、結束状態を 上部組織に報告する。一日に三回PC房に立ち寄り、インターネットのホームペ ージで上部の指針も確認する。

ホームページには、労組委員長と幹部が動映像で現れて、肉声で指針を下ろす。 「健康維持に万全を期しろ、できれば首都圏を離脱せず、再集結の指示に待機 しろ、使用者側が流す復帰率にげん惑されるな、家族に対する会社の圧力と懐 柔に動揺するな」というのが主な指示の内容だ。数日前は、「天気が暖かくなっ た。冬のパーカを脱いで春のジャンパーに衣更えをしろ。冬のパーカは検問さ れやすい」という指示もあった。メンバーは、家族に連絡して春のジャンパー を持ってこさせた。

会社から電話がかかってくれば、無条件に出ないことが指導部の指針だ。しか し、携帯電話に家の電話番号が表示されて喜んで出ると、会社の幹部が出てく る。会社の幹部が「ツアー闘争」中の労働者の家に行って、その家の有線電話 を使うのだ。「復帰率が毎日上がっている、ばかなことをせず、早く復帰しな さい、解任手順を進める」と会社が脅迫すると朴某氏は語った。「われわれは、 とにかく働きたい。復帰は労組委員長の指示にしたがうだけだ」と彼は答えて くれた。

10日間続く流浪の中でも、若い労働者たちの笑い声は健康に聞こえた。しかし、 暗くなる窓の外を見通して、明日はまたどこへ行こうかと議論する彼らの後ろ 姿は、苦しそうに見えた。暗くなると、家族が家族を呼ぶ携帯電話の声が旅館 の部屋を埋め尽くす。

キムフン記者 hoonk@hani.co.kr

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