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ハンギョレ新聞の企画「なぜなら」に掲載された 発電労組がストライキをする理由と、 会社側によるストライキの不当性に関する主張。

編集2002.03.04(月)18:59

発電労組「ストライキの理由」

私は、 道行く人の誰でもつかまえて尋ねたい。

「この国は本当に誰の国なのか?」、「この政府は果して誰のための政府な のか?」、「この国と政府の辞書には、労働者の文字はないのか?」と。

あらゆる労働者に基本的に保障される団体行動権の行使がいともたやすく不法 になり、政府の脅迫(!)にもかかわらず「不法ストライキ単純加担者」による これまでと変わらないストライキ行動が、いつのまにか「国法秩序破壊行為」 に変わってしまうこの現実で、表現しにくいいらいらはついにすくい取れない 憂憤になってごうごうと燃えている。

発電産業労組のストライキに対して、政府と発電会社は必須公益事業場のスト ライキは不法だと言う。そして政府は「不法ストライキ単純加担者」を「国法 秩序破壊行為者」に追いやり、ストライキを早く終了させるために、ストライ キの指導部と主導者の検挙に総力を尽くすと言う。これに雷同して、発電会社 の社長団は、単純加担者も解任すると脅している。これが「国民の政府」を標 榜する現政権の、労働者の基本権であるストライキ行動に対する解決策だ。本 当にこの土地の労働者は、この土地の国民ではないというのか?

それでも政府が強調する必須公益事業場である発電会社、この土地の電気供給 の60%を担当する発電会社を民営化(私有化)することに反対するため、われわ れはストライキに立ち上がった。政府と発電会社は、労働者が絶対にストライ キをしてはならない程、発電会社には公益性が大きいと強調する。ところが、 それほどまでに公益性が大きい公益事業場を私有化するというのだ。あきれる ような矛盾が見えるだろうか? そうだ。われわれは発電会社は公益性が大きい だけに、私有化されてはならないと、ストライキをしているのだ。また使用側 の不当な労働行為によって解雇された2人の労働者が働く権利をよこせと要求 するために、新しい発電産業労組の団体協約締結、発電子会社の独自の経営権 を認めろと要求するために、いわゆる「国法秩序を破壊」するストライキをし ているのだ。

政府は、発電所の民営化(私有化)に対し、労使政協議を経て国会立法措置まで 完了した事項なので、これについて再考することは考慮の対象、議論の対象で ないと語っている。しかし今、ばらばらに散開してしているので会うのは難し いが、発電労働者の誰でもつかまえて尋ねなさい。実際に電気生産の第一線で 血の汗を流して黙黙と働いてきた労働者たちのうち誰が、発電所の民営化(私 有化)の直接の当事者でもある労働者たちのうち誰が、労使政協議に対して正 当性を認めているのか尋ねなさい。単なる頭数として、取り巻き役をする労使 政委員会の議論や協議に、本当に労働者の意見が陳述されたと認める者が1300 万労働者のうち、いったい何パーセントいるのか、誰でもつかまえて尋ねなさ い。

今の大統領は、維新独裁治下で民主主義のために闘って、死の門の入口まで行っ たきたという。そして、この国の大統領になり、ノーベル平和賞という、もの すごい章まで受けた方で、単に「国法秩序を破壊する行為者」のひとりである 私が口にすることではないかもしれない。だが、どうして貴方がやれば民主主 義のために闘う闘士の英雄的な行為になり、労働者がやれば国法秩序を破壊す る無頼輩の行為になるのか、理解できない。どうしてひとつの必須公益事業場 として、団体行動権も認められないような事業場を、国民の財産を、一介の資 本家に、外国のエネルギー財閥に売り渡そうとするのか?

また、公益性を第一の存在条件とする公共事業場の非効率性を改善すると言っ て、どうしてして天下り人事で経営の効率性を自ら否定し、ひたすら労働者だ けにその責任を転嫁しようとするのか?

この問いについて、国民の同意を求めないまま、形式的な手順を踏み、立法手 順まで終えた法律という根拠で、発電所の民営化(私有化)政策を強行しようと すれば、87年6月抗争で維新独裁に対抗し闘った大統領の意向を賛えるこの土 地の労働者たちの抵抗は、絶えず続くだろう。

発電産業労働者、鉄道、ガスなどの必須公共事業場に所属する労働者たちと、 この土地のあらゆる労働者たちは、公共性を無視して効率性という虚構の論理 を押し出して国家基幹産業を私有化しようとする、いかなる試みにも同意せず、 形式的な取り巻りで勝ち取った同意を前提に、公権力で口止めしようとするい かなる努力も結局、効果がないということを知るはずだ。われわれは国法秩序 を破壊する行為者に追い詰められても、誤った国法秩序を再議論するためにス トライキを行っている。歴史は明確に我が方にある。必須公益事業場の私有化 画策をすぐに止めろ!

シムヒョスン/蔚山火力発電労組組合員

http://www.hani.co.kr/section-001062000/2002/03/001062000200203041859075.html

編集2002.03.06(水)18:49

発電労組ストライキの不当性

前例のない発電産業労組の不法ストライキにより、国民の皆様に不便と憂慮 をおかけすることになった点に対して謝罪を申し上げながら、発電産業労組 のストライキについてハンギョレ3月5日付8面に掲載されたシムヒョスン様 の文を読み、いくつかの問題点を指摘をせざるをえない。シムヒョスン様の 文は、全体的に労働者の権利の前では全てが犠牲になってもかまわないとい う論理的な飛躍を含んでいる。

まず、政府と発電会社が「不法ストライキ単純加担者」を「国法秩序破壊行為 者」に追いやっているという主張だ。

発電産業労組の場合、中央労働委員会の調停期間が満了(2002年2月25日)する 前の24日午後4時から、事実上ストライキに突入したため、労働組合及び労働 関係調整法の調停期間中の争議行為禁止規定に違反し、中央労働委員会が2月 25日の午前5時、職権仲裁に回付した後もストライキを行なったため、仲裁期 間中の争議行為を禁止している法規定に違反する等、不法ストライキを続けて いる。大部分の組合員が当初、不法ストライキに単純に加担したとは言え、こ れまで10日も現業を離れて不法ストライキを続けており、国家の動力である電 気を担保にして自分たちの主張を貫徹しようとするのは、明白な国法秩序の破 壊者だといえる。特に、不法ストライキが長期化し、万一、発電所が故障でも して電力大乱が発生すれば、国民から国法秩序破壊行為者という非難を免れな いだろう。

次に、発電会社の民営化方針には、労働者の意見が反映されなかったため、撤 回されるべきだという主張だ。

電力産業構造改編は、去る1993年から10余年間、国内外の専門家が綿密に研究 検討して樹立した計画で、構造改編法案は去る2000年12月に電力労組と会社、 政府間の合意を経て、これを土台として国民の代表機関である国会で12月8日、 与野満場一致で通過した。これに伴い、発電部分は既に6社に分離されて競争 体制を揃え、これから市場機能に合わせて民営化を推進する第二段階の電力産 業構造改編に着手すべき時点だ。しかし、これに対して労働界の反発と、これ に同調する社会一角の認識は、その根本の趣旨とは違うと知りつつ、労使政間 の葛藤に引き継がれて、円滑な推進の障害になっていることは、きわめて残念 である。

三つ目、発電会社が民営化されれば、公共性は無視されてただ効率性だけが重 視されるという主張だ。

発電会社の民営化は、会社を民間が所有して実質的な競争を完成しようとする ものだ。すなわち、発電会社別に生産された電気を市場に出し、価格面で互い に競争するというものだ。発電会社が自社の電気を顧客に使わせるためには、 どれだけ安く電気を生産できるかにかかっている。結局、効率的な経営で価格 競争力を揃えた発電会社は、適正な収益を上げて成長でき、そうでない発電会 社は競争から脱落することになるだろう。結局、民営化による競争の導入は、 発電会社の費用節減、経営合理化、収益性改善の努力などで企業の競争力を向 上させ、窮極的に国民全員に肯定的な影響を及ぼすことになるだろう。したがっ て、発電会社の効率性を高めて電気料金を下げられれば、これがまさに公共性 を高めることになるのではないかと思う。

発電産業労組が民営化撤回を名分としてストライキをしているが、実質的なス トライキの事由は、民営化時の経営効率性向上のための人員縮小など、雇用不 安を憂慮しているものと理解している。これに対して政府は、労組員が最も憂 慮する雇用保障問題を数回にわたり約束した。実質的に、我が国の電力設備は 需要の増加で毎年約200〜300万kWの新規発電設備を2015年まで増設し続けなけ ればならないため、発電所に勤める専門人材も、毎年約400人程度新規で確保 されなければならない。そればかりでなく、発電産業の費用構造を見れば、総 費用に人件費が占める比重が4%未満の低い水準であるため、人件費を縮小する ことが効率性を大きく改善する助けにならない特性がある点を考慮すれば、民 営化による雇用保障問題は心配ないだろう。

終わりに、まだ現業に復帰しない組合員がいるのなら、これまでいくつかの困 難の中でも電力事業に深い愛情を持って国民生活と産業の原動力である電力供 給の重大な責務を黙黙と遂行することで持った自負心と公益的責務をもう一度 再確認し、早急に現業に復帰することをお願いする。皆様の賢明な判断だけが 国家経済と会社を正常化させ、皆様の健康と家族の幸福を守る道だ。

もう一度、発電産業労組のストライキにより不便を被った国民に謝罪をさし上 げる。

ファンイロ/韓国東西発電(株)総務チーム

http://www.hani.co.kr/section-001062000/2002/03/001062000200203061849078.html


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