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労働者の未来を売り飛ばした政権

[コラム]株式市場の紙屑に墜落する民衆の老後、年金

イ・ジョンホ(公共労組)/ 2007年12月18日10時55分

『年金』は英語でペンション(Pension)だ。週末に家族と遊びに行くあのペンショ ンと同じ言葉だ。ヨーロッパでは、若い時に熱心に仕事をした労働者夫婦が、 老後は故郷の田舎に戻って年金で生活しながら、民宿を始めたことに由来する。

97年末、国民は半世紀ぶりに初の政権交替をさせた。しかし、金大中政府は 2000年10月、「年金基金の株式投資比重を増やし、株式市場を支える」と発表 した。サラリーマンの一文、二文を集めた年金を奈落に落ちる株式市場の焚き つけにしてしまった。

2001年、会計不正によりエンロンが没落した時に最も大きな被害を受けた米国 人は、他でもない労働者だった。

50才までは自社株を処分できないように制限していたため、エンロンの労働者 1万7千人は自社株が2001年初めの80ドルから、年末には僅かな36セントに暴落 し、99%以上の損失を被った。当時ほとんどの米国労働者がそうした苦痛を受 けた。だが経営者たちは株価が下落した時に自社株を処分し、損失を最小化し たり途方もない差益をあげた。難破船エンロンの船長、ジェフリー・スキリン グ前最高経営者は、ジョージ・ブッシュ大統領の親エネルギー企業政策で株価 が急騰した2001年初めにストックオプションを行使し、5千万ドル以上の大金を 手にした。怒ったエンロンの労働者は自社株を処分できるように訴訟をした。

90年代、米国人たちは退職後の年金恩恵額をあらかじめ確定できる既存の年金 制度の長所を知りつつも、大きな抵抗なく年金制度の民営化と市場化を受け入 れた。1983年から始まった株価の高空行進に陶酔し、株式投資型の新種の年金 制度に内在する危険を軽く見た。就職期間中に財源を積み立て、老後の生活費 を貯蓄する形の個人積み立て型企業年金(いわゆる『401(k)』)が拡大した。

会計不正スキャンダルにより、米国労働者の期待は水泡に帰した。投資家になっ たと喜んだが、投資家とすべて同じではなかった。大型投資家と経営者は不良 が公開される前に、問題の株式と債権を処分し、損失を遮断した。だが、情報 力で劣る労働者は、束手無策で金融資産と雇用をふいにした。資本主義の天国、 米国の事例でさえ、株式市場のバブルをあてにして年金問題を解決しようとす ることがいかに愚かなことかを示す明白な証拠だ。

その愚かさのどん底に全国民を追い遣ったのが盧武鉉政権だ。哲学も原則もな く、法律の断片をまくしたてながら、口だけは達者に、保守バカどもの後を 付いて回る盧武鉉政権に、歴史はどんな評価を下すのだろうか。

歴史は盧武鉉政権を「財政負担を避けるために公的年金の株式投資を拡大し、 退職金制度をなくして英米型の企業年金導入の最先頭に立った政権」と評価す るだろう。盧武鉉政権は、市場万能型年金改革で大型金融資本の利益のために、 危険を全社会に一般化させた。結局、労働者の老後の対策まで投機の場に追い 込んだ。

哲学なく執権した盧武鉉政権は、任期の始まりと同時に景気浮揚策の一つとし て企業年金制の早期導入を発表した。結局、2005年12月から退職年金制が導入 された。あの優秀なハンギョレ新聞は、2005年11月10日付14面で「『老後の安 全弁』を労働者が設計する」という祝賀記事を載せた。執権後初めて訪問した 報道機関という栄誉に恥じない記事であった。

任期末、盧武鉉政権の年金破壊は殺人的でさえある。7月には年金給与率を1/3 にばっさり切り落とした。今は年金基金運用委員会も株式投資の専門家で埋め るという。ついに12月14日には、盧武鉉政権が任命した国民年金公団理事長と 産業資源部長官、石油公社、ガス公社社長が並んでソウル江南のリッツカール トンホテルに集まった。このとんでもない偉人たちは『資源開発社業基本投資 契約書』を締結した。来年から10年間、総額20兆ウォンの国民年金を一気に海 外の油田やガス鉱区に注入するという。中央日報が「安定運用が最優先でなけ ればならない国民年金が資源開発事業に進出するのは望ましくないという指摘 もある」(中央日報12月17日E1面)と憂慮した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-12-27 15:23:17 / Last modified on 2007-12-27 15:23:21 Copyright: Default

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