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[論評]民主労総の大統領選挙独自候補、真正性が見られない

民主労総政治方針を解け

チャムセサン/2007年05月08日17時22分

民主労総が大統領選挙独自候補の推進を公式化した。これまで李錫行(イ・ソ クヘン)民主労総委員長が公式、非公式の席上で、民衆参加選挙戦制と民主労 総独自候補の推進を示唆する発言を続けてきたが、5月4日の常任執行委員会に 民主労総独自候補選出を核心とする案件を提出し、この問題が公論化され始めた。

民主労総の大統領選挙独自候補推進の裏には党員の直接選挙制で大統領選候補 を決めることにした民主労働党の大統領選挙方針に対する意見の違いがあり、 問題になっている。3月、民主労働党は全党大会で1050人の在席代議員のうち 663票を得て開放型選挙戦制を否決(賛成63.14%で可決条件の2/3の賛成に未達)、 党員直選で大統領選候補を選出することに決めた。その直後、李錫行委員長は マスコミとのインタビュー、民主労総公式会の席上などで独自候補推進に言及 してきた。

李錫行委員長は、民主労総組合員が大統領選候補の選出に参加することで政治 の主体とし、100万の政治闘争で民衆参加選挙戦制をしようと主張した。 民主労働党の党員だけではなく民主労働党を排他的に支持してきた団体の会員 にも門戸を開放しようという主張は、一見もっともらしい。だが李委員長の 主張はその真正性が疑問だ。

まず、民主労働党大統領選候補選出問題は、すでに民主労働党全党大会という 最高意志決定機構で、すでに決定された事案だ。その意味で民主労総という大 衆組織が多数の力でまた押し通すのは、見た目が悪いばかりか、それ自体が非 民主的だ。したがって、組合員の政治参加を民主労働党候補選出問題に制限さ せ、組合員の参加を保証しろという主張はつじつまが合わない。

また、民主労総の独自候補推進が80万組合員を政治の主体にする目的なら、民 主労働党の候補選出問題に言及する前に民主労総内の部門制から解決すること が正しい手順だ。現在、民主労総内にはさまざまな政治勢力が共存している。 韓国社会党と労働者の力、そして現場のさまざまな政治組織が社会主義的な指 向性を持って進歩的な政治活動をしている。この中には民主労働党に参加した 組織もあり、そうではない組織も多い。

これらの組織は民主労総の内外で韓国社会の進歩のために多様な活動を展開し ている。一例として、韓国社会党は4.25補欠選挙で大田市西区(乙)に出馬し、 2.8%ほどを得票した。韓国社会党が民主労総の支持を全く受けられない状況で あることを考慮すると、たとえ少ないとはいえ意味のある得票と言える。また、 前の民主労総委員長選挙でチョ・フェジュ候補組は民主労総の政治方針の変更 を公約に掲げて20%を超える支持を得た。このように多様な進歩勢力が民主労 総内に存在しているが、彼らは民主労働党の排他的指示という民主労総の政治 方針で事実上、政治活動に足止めをくってきた。

李錫行委員長は「分裂主義と日和見主義から労働者の階級的団結」を守るため、 民主労働党への排他的支持をすべきだと主張している。しかしこの言葉もまた すなおに聞けない。民主労働党の排他的支持を代価として民主労総は労働最高 委員推薦権、全体選出職中央委員の28%割当、全体選出職中央代議員の28%割当 という途方もない特権を享受している。もしこうした特権を維持するために進 歩陣営内に共存する政党や政治組織の活動を縛っているのではないのかを振り 返る時だ。

分裂主義と日和見主義から労働者の階級的団結を守ることが多数の力による少 数の立場を押さえ込むものではないことは、もう言及する必要もない。また、 労働者階級の利害が党内の議決機構の労働割当制の持分を育てることで形成さ れるわけでもない。非正規職法通過の過程で見せた民主労働党の姿勢を見れば、 いくら労働者がたくさん割当制で参加しても労働者の自主的な権利も守れずに 妥協できることを見せた。またその過程で非正規法の裏面合意の過程で見られ た民主労総の無気力でわかりにくい態度も同じだった。民主労働党さえ今は労 働者に牽制され、批判されるべき状態なら、民主労働党に対する一方的な片思 いだけでは労働者の団結はできない状況だ。

今回の大統領選挙を民主労総80万組合員の政治祭りにすることが李錫行委員長 の真心だとすれば、何よりも民主労働党の排他的支持方針から撤回しなければ ならない。そして民主労働党を一方的に支持して得た28%割当制という特権も 返却しなければならない。その代りに「民主労総の綱領と規約に符合する政治 組織に対する支持」に変更し、民主労総の原則と大義にふさわしい相互公正な 競争が形成されるようにしなければならない。そしてこの過程で、民主労総は 進歩陣営の大統領選挙共同闘争のために努力しなければならない。そうではな く、民主労総の委員長が民主労働党に民衆参加選挙戦制を貫徹させる方法とし て民主労総の独自候補を推進するのであれば、一介政派の無名候補がするよう なことで、80万組合員と1500万労働者を代表する労働組合総連盟の委員長がす ることでない。

民主労総は今でも民主労総内の進歩的政治活動を保障しなければならない。 それこそが組合員を政治の主体にする最も速い道で、大統領選挙時期進歩 陣営共同闘争の初の歩みになるだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-05-29 05:48:37 / Last modified on 2007-05-29 05:48:38 Copyright: Default

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