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料金所労働者、現場復帰8か月後に職位解除

労組「『報復性弾圧』…刑事起訴で道路公社に口実」

ウン・ヘジン記者 2021.01.20 15:11

昨年5月に全員が直接雇用された料金所料金受納労働者たちを対象とした大量刑事起訴に続き、 職位解除などの懲戒が進められていて論議がおきている。 労働者たちは以前の直接雇用闘争に対する「報復性弾圧」だとし、 韓国道路公社と検察、警察を糾弾した。 しかもこの状況の責任は、子会社転換方式を強要した 文在寅(ムン・ジェイン)政府にあるとし、事態解決を要求した。

韓国道路公社(道路公社)は昨年5月14日にこれらの労働者を「現場支援職」という別途の職群を作り、直接雇用した。 労働者たちはこの方式が直接雇用正規職転換の面目を失わせたと指摘している。 その上、現場支援職が遂行する業務は料金所関連の業務ではなく、清掃業務だ。 それでも足りず、大法院の不法派遣判決にもかかわらず 直接雇用闘争に参加した労働組合の役員や料金受納労働者は刑事事件で起訴され、 道路公社はこれを理由として職位解除などの事実上の懲戒措置をしている。

民主一般連盟は1月20日午前、青瓦台サランチェの前で記者会見を行って 「一人の例外もない直接雇用現場復帰という結果でわかるように、 法的に、社会的に、すでに正当性を確認された闘争に対する弾圧は、 誰が見ても『報復性弾圧』」と指摘した。

続いて「警察と検察は料金所労働者の要求と闘争が正しいことを知りつつも、 誰の顔色をうかがっているのか、あるいは道路公社と内密に疎通しているのかわからないが、 無理に大量刑事起訴を行った」とし 「道路公社に懲戒と解雇ができる口実と根拠を提供した」と批判した。

職位解除16人、刑事起訴27人、損賠請求金額1億3千万ウォン

労組によれば現在、刑事事件で起訴された労組役員と料金所の労働者は合計27人だ。 2019年に始まった青瓦台前での座り込み闘争と、 ソウル料金所キャノピーでの座り込み、金泉道路公社本社座り込みなどによるものだ。

また、青瓦台前と金泉道路公社本社社長室座り込みを理由として 組合員22人に3千670万ウォンの罰金が賦課された。 起訴者のうち罰金刑が宣告されれば総額はさらに増える。 その場合、最終的な罰金の額は7〜8千万ウォンにのぼり、 弁護士受託料などの法律費用を入れれば1億ウォン程度が予想される。

さらに、道路公社は金泉道路公社本社座り込みとソウル料金所キャノピー座り込み闘争関連で刑事起訴された 組合員16人(民主労総13人、韓国労総3人)を1月14日付で職位解除した。 「刑事事件で起訴された者」を職位解除できる道路公社の人事規定を根拠にしている。 この措置で労働者は出勤はするが勤務ができなくなり、 基本給の30%が削減された。 さらに深刻な点は、この人事規定によれば刑事裁判で禁固以上の刑を宣告されれば 「解雇」も可能だということだ。

損害賠償請求金額も1億3667余ウォンにのぼる。 道路公社は2019年9月から2020年1月まで行われた金泉道路公社本館占拠について、 器物破損などの損害が発生したとし、損害賠償を請求した。 本館占拠が違法な争議行為で業務妨害に該当するということだ。 道路公社は昨年8月13日に請求趣旨変更申込書を提出し、 上記の最終請求金額を明らかにした状態だ。

記者会見には職位解除された労働者が参加して鬱憤を晴らした。 民主一般連盟のチョン・ソジョン慶南一般労組支会長は 「18日に確認すると『臨時職員』になっていた。 子会社と契約職が嫌で、死ぬほど闘争したのに、 入社8か月で臨時職員とは本当にくやしい」、 「本当にまた私は記者会見で泣きたくなかった。 ところでまたこの国と道路公社が私たちを泣かせた」と涙を流した。

民主連合労組のト・ミョンファ支部長は 「日常の喜びを味わう前に職位解除というひどい人事措置を受けた。 出勤はしているが何の業務からも排除されている。 道路公社は私たちの正当な闘争に汚点をつけるために、あらゆることをはばからない」 と闘争の意味を守ると明らかにした。

労組は検察の大量刑事起訴が道路公社に弾圧の口実を提供したと反発している。 しかも闘争で青瓦台が「道路公社の告訴・告発を取り下げられるようにする」 という立場を明らかにしたのにこれを履行しなかったと批判した。

また正規職転換で発生した解雇期間について、 道路公社が支払う費用だけでも数百億から1千億ウォンに達するが、 懲戒を受けた人はいない。 労組はこの責任を問わないことも 青瓦台と国土交通部の職権乱用で職務遺棄だと批判している。

民主一般連盟のカン・ドンファ首席副委員長は 「文在寅(ムン・ジェイン)政府没落の始まりが料金所闘争にならないことを望むが、 それを望むのならそうする」とし 「道路公社の弾圧と青瓦台の不当な待遇に強く抗議して責任を問う闘争をする」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-01-26 09:23:35 / Last modified on 2021-01-26 09:23:37 Copyright: Default

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