「私たちが行く、差別禁止法がくる!」光化門から国会まで大規模デモ行進
差別禁止法制定連帯が包括的差別禁止法制定を要求して平等デモ行進
チェ・ハンビョル(文)・パク・スンウォン(写真)ビーマイナー記者 2018.10.20 22:49
▲20日、包括的差別禁止法制定を要求する千人の人々が差別禁止法制定要求平等デモ行進を行った。デモ行進団は午後2時に光化門の世宗路公園を出発し、午後5時45分頃に国会前汝矣島イルムセンターに到着した。[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
「差別禁止法を制定して平等な世の中の操り上げよう!」
平等な世の中に向けたデモ行進、
差別禁止法制定要求平等デモ行進(以下、平等デモ行進)が10月20日に行われた。
平等デモ行進団は午後2時に光化門の世宗路公園を出発し、
午後5時45分頃に汝矣島国会前のイルムセンターに到着した。
平等デモ行進を主催した差別禁止法制定連帯は
「尊厳ある社会を夢見て持ったキャンドルを思い出し、
まだ嫌悪勢力の顔色をうかがって差別禁止法を制定できない国会まで行進する」と明らかにした。
この日の平等デモ行進には、包括的差別禁止法制定を要求する約千人の人々が全国各地から集まった。
4時間余りの大規模デモ行進は、障害者、性少数者、難民、そして女性など、
社会的差別を味わっている人々が平等な世の中を叫んで、互いに連帯する場になった。
[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
「差別禁止法=同性愛法」? 差別禁止法の空白の中で性少数者へのヘイトが幅をきかせる韓国社会
「ヘイトスピーカーが差別禁止法の必要性を叫ぶ」
差別禁止法は性別、障害、人種、出身国家、出身民族、肌の色、性的指向などを理由とする差別を禁止する内容を骨子とする。
だが韓国では唯一、差別禁止法が「性少数者差別禁止法」であるかのように照明されたりする。
これは保守プロテスタント界を中心として差別禁止法から性的指向を取り除けという声が差別禁止法の制定を妨害しているためだ。
平等デモ行進の途中でも、差別禁止法制定に反対する人々が一時間ほど
デモ行進の後についてきて
「同性愛は人権ではない」、「同性愛者は神様に改心しろ」等の発言をした。
▲平等デモ行進の途中に差別禁止法制定に反対する人たちが現れ、十字架と「同性愛の罪悪! 神様の審判!」というプラカードを持ってデモ行進を妨害している。[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
▲「同性愛は罪悪」と差別禁止法制定に反対する人々に対して平等デモ行進団が「ヘイトを神に改心しろ」と叫んでいる。[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
性少数者当事者のウルエル氏は
「あんなヘイト勢力がまさに差別禁止法制定の必要性を示している」と強調した。
ウルエル氏は「ソウル、仁川、釜山のクィアーパレードに参加したが、
そのたびにヘイト発言を聞いた。
笑って対応するが、実は胸の中では
『私がいったい何をそんなに悪いことをしたといって
あんな言葉を聞かなければならないのか』と、とても苦しいのは事実」と話した。
彼は「差別禁止法がないため、性少数者への公然のヘイトスピーチを制裁する方法はなく、
これは性少数者が自らの存在に対して否定的に考えるようにし続ける」とし
「差別禁止法は私たちの存在と相対している。絶対にあきらめない」と力説した。
▲平等デモ行進に参加したキム・ソンヒョク氏とお母さん[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
やはり性少数者当事者のキム・ソンヒョク氏はこの日、母親と一緒に平等デモ行進に参加した。
キム氏は5年前、母親にカミングアウトした。
カミングアウトした後、キム氏の母親を一番苦しめたのは、
息子のアイデンティティではなく性少数者を差別し嫌悪する社会だった。
「私は息子が自分のアイデンティティを表わして生きることを支持していますが、
社会がこの子を苦しめるでしょう…。
私には誰よりも貴重な息子があらゆる嫌悪と差別の中で生きていかなければならないことが一番苦しい。
さっきもそんな言葉(ヘイトスピーチ)をする人を見て、とても残念でした。」
キム氏の母親は
「平等デモ行進に参加するために朝早く扶余を出発した」と笑った。
彼は「私が息子に、そして性同一性で悩み苦しむ他の青少年と子供たちのために、
残った時間に返してやれるものは何かと考えた時、
まさにこの社会を変えるために力を貸すことだと考えた。
そして社会を変えるために一番最初に必要なことがまさに差別禁止法だと思う」と明らかにした。
キム氏は「私のアイデンティティを受け入れてくれるだけでなく、
対外的にアイデンティティを表わして活動する今日のような日にも参加する母にとても感謝している」と明るく笑った。
彼は自分の顔と実名を表わすことを躊躇しなかった。
「以前はこうした活動のことをあまり考えていませんでした。
問題があるとは思いましたが『私は私、適当に無事に過ごせば良い」と思いました。
しかし考えが変わりました。
クィアーパレードに行ったのですが、その時に多くの旗を見ると本当に感動的でぐっときました。
ああ、こんなに多くの団体が私の存在を支持して連帯してくれているんだ。
だから私もこうして自分を表わして堂々と活動しようと思います。
このデモ行進の隊伍の外にいる他の誰かがここに集まった私たちを見て、
自分も一人ではないということを知ることができ、
またこの隊伍の中にいるわれわれは互いに力になりますから。」
[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
差別禁止法制定を希望する多様な人々「私たちも叫ぶ、差別禁止法を制定しろ!」
平等デモ行進には障害者、難民、女性など、多様なアイデンティティを持つ人々が参加した。
特に平等デモ行進のプレイベントとして「難民歓迎(Refugees Welcome)文化祭」が開かれ、
最近、韓国社会で目立つ難民嫌悪に対しても差別禁止法制定の必要性が強調された。
この日、平等デモ行進に参加したエジプト出身の難民、ナンシー氏は政治難民だ。
彼女はエジプトで記者で活動しながら政治的な記事を書き、政治活動に参加したという理由で迫害を受けた。
彼女は二人の娘を連れて急いで出国し、さまざまな国を経て韓国にくることになった。
ナンシー氏は「われわれはすでに家族と故国、生活の基盤を失った人々」とし
「私たちが望んで難民の地位を選択したのではないのに、差別されるのは胸が痛い」と明らかにした。
彼女は「韓国で差別禁止法が制定され、平等な社会へと一歩進むことを願う」とし
「今日ここに集まったわれわれは、新しい歴史を作っている」と伝えた。
▲障害女性共感の活動家が「平等を発議しろ」というプラカードを持って行進している。[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
▲パク・キョンソク全国障害者差別撤廃連帯常任共同代表が警察の前で「差別禁止法を制定しろ」というプラカードを持っている。[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
差別禁止法制定を要求する人の中には障害者もいる。
この日の平等デモ行進には、
全国障害者差別撤廃連帯、障害女性共感、ノドゥル障害者夜学など、
多様な障害者団体が参加した。
ノドゥル障害者自立生活センターのチュ・ギョンジン権益擁護活動家は
「障害者差別禁止法はあるが、差別の対象になる多くのアイデンティティをすべて含む包括的差別禁止法がぜひとも必要だと思う」と明らかにした。
チュ活動家は「交通事故で障害を持った後、
私の意思とは無関係に居住施設に入り、不自由な生活を送らなければならなかった」とし
「こうした経験を通して存在の特徴によって不当な差別を受けることがどれほど誤っているか、よくわかるようになった」と説明した。
デモ行進隊伍の外で「同性愛を神様に改心しなさい」と叫ぶ人々がいれば、
隊伍の中には「嫌悪を神様に改心しなさい」と叫ぶプロテスタント人もいた。
ソムドル香隣教会教会の信者で、平等デモ行進のある参加者は
「聖書でもイエス様は人を平等に愛しましたが、
自分たちが作った基準で分けて、差別して、嫌悪するのはキリスト教の精神に反すると思う」とし
「嫌悪を必ず改心されることを願う」と笑いながら話した。
午後5時45分頃、国会反対側にあるイルムセンターに到着した平等デモ行進団は、整理集会を開いた。
平等デモ行進の参加者は
「差別されてみたところで、世の中すべての差別を理解できるようにはならないので、
私たちも互いに見慣れない存在」だとし
「しかしわれわれは『見慣れないもの』が差別の言い訳にならないことを知っているので
他人の人生に私の話を発見し、平等を実現するためには何ができるのかを学び、
喜んで平等を夢見る」と明らかにした。
参加者たちは「誰も国会に対し、私たちの人生を後に延期させる権限は与えなかった。
平等は私たちの権利」だとし、
差別禁止法の制定を国会に要求した。[記事提携=ビーマイナー]
[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
▲国会前に集まった平等デモ行進団が国会に向かって、差別禁止法制定を要求している。[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
▲国会向い側イルムセンターの前で整理集会をする平等デモ行進団[出処:ビーマイナー(c)パク・スンウォン]
▲国会向い側イルムセンターの前で整理集会をする平等デモ行進団
原文(ビーマイナー/チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
Created byStaff.
Created on 2018-10-22 09:26:56 / Last modified on 2018-10-22 09:26:56 Copyright:
Default