政府がセウォル号施行令を強行...遺族と特調委が反発

「閣僚会議通過で施行令を強制しても絶対に受け入れられない」

ユン・ジヨン記者 2015.05.06 16:08

セウォル号遺族が反対する「セウォル号特別法施行令」が5月6日午前、閣僚会議を通過した。遺族らは、認めることも受け入れることもできない施行令だとして直ちに反発している。「4.16セウォル号惨事特別調査委員会(特調委)」も特別法施行令は決して認められないとし、施行令改正活動に着手すると明らかにした。

政府は5月6日午前、崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理の主宰で開いた閣僚会議で「セウォル号特別法施行令案」を最終的に議決した。この日、確定した施行令は、4月29日の海洋水産部の立法予告修正案とほとんど同じ内容を含んでいる。これまでセウォル号遺族と特調委は政府の施行令は、真相究明を遮る「カカシ施行令」でしかないとして反対の立場を明らかにしてきた。

政府が閣僚会議で施行令を一方的に通過させたことで、遺族と特調委の反発も強まっている。セウォル号遺族で構成された「4.16家族協議会」はこの日の午後12時30分、光化門セウォル号広場で記者会見を行って政府の施行令一方強行を批判した。ユ・ギョングン執行委員長は「違法な施行令が閣僚会議を通過したので、強制的に施行されるものと予想している」とし「だが遺族らは施行令が強制されてもこれを認めることも、受け入れることもできない」と明らかにした。

また大統領と政府に、△違法施行令の即時廃棄、特調委の施行令原案受け入れ △不法公権力使用の認定および再発防止約束 △セウォル号船体引揚げ宣言後、持続的な意見収斂のための公式協議体構成を要求した。また遺族らは特調委が政府の違法施行令に妥協すれば、特調委を相手に強力に対応していくという点について警告した。彼らは記者会見文で「17人の特調委員などの構成員が責務を忘却し、特調委の独立性と調査の公正性を害する行為をすれば、 416家族協議会ばかりでなくすべての国民の審判を受けるようになる」と警告した。

ユ・ギョングン執行委員長も「今、ボールは特別調査委員会に渡った。特調委がいかなる立場でどのように対応するのか、綿密に見守って行動する」とし「特調委までが妥協したり内部で不適切な声が上がってくれば、以前とは違い、特調委に対しても強力に対応していく」と声を高めた。

特別調査委員会もこの日、記者会見を行って政府の特別法施行令は認められないという点を明確にした。特調委は「閣僚会議で無理にカカシ施行令を議決した。母法である特別法に違反し、特別法の精神に反する施行令では、真相究明のための特調委活動がきちんとできない」とし「特調委はこのような施行令は断固として拒否する」と明らかにした。

また彼らは政府の施行令改正活動に着手する方針を明らかにした。 2月に提出した特調委施行令(案)に基づいて改正案を直ちに提出するという計画だ。特に彼らは特別法が特調委に付与した権限を活用し、施行令に束縛されない独自の委員会規則を制定する立場を明らかにした。独自の委員会規則により特調委の独立性を守り、常任委員が直接業務を指揮、監督する活動を模索していくという趣旨だ。

特調委はこれまで、施行令に △常勤常任委員の業務指揮監督権保障、 △特別法が定めた業務範囲の反映、 △民間中心の調査活動実施、 △行政支援事務中心の公務員派遣などが必要だと主張してきた。

だが政府が議決した施行令は、問題になった「企画調整室長」の機能はそのまま残して名称を「行政支援室長」に変更しただけで、派遣公務員を核心役職に配置し、特調委の独立性毀損の問題もそのまま残した。特別法が規定する特調委の業務範囲を根拠なく縮小するなどの特別法違反議論も依然として残っている。

一方、遺族らはこの日、CCTVを不法に使ったソウル地方警察庁長官を検察に告訴し、催涙液放水銃の違憲的な使用について憲法裁判所に憲法訴訟を請求した。先立って4月18日のセウォル号集会の時にソウル地方警察庁が交通状況を確認する目的のCCTVを集会参加者の動向、動態把握のために使ったと知らされ論議がおきた。また警察は、5月1日と2日にかけて、根拠規定がない催涙液放水銃を使い、負傷者が発生している。

家族協議会法律代理人のパク・チュミン弁護士は「ソウル庁がCCTV 9台を本来の目的ではない集会参加者動向把握のために使った。これは個人情報保護法第25条違反で、ソウル地方警察庁長官を検察に告発する」とし「また、放水銃への催涙液混合使用は警察装備使用規定および規則など、どこにも根拠が見つからない。放水銃催涙液の違憲性を確認するために憲法訴訟を提起する」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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